みなさま、GWはいかがお過ごしでしたか?
わたくしは念願の東北ひとり旅を敢行!6泊7日の国内長期旅も東北を旅することも生まれて初めて(仕事では数回あるけども)。しかも今回はバックパック1個での旅。持っていくものを色々と厳選したにも関わらず、いざ背負ってみるとそのあまりもの重さに白目・・・。
実は、出発の2週間前に急遽思い立った旅。計画を立てるには超絶遅い滑りだしではあったものの、なんとか素晴らしきスケジュールが組み上がりました(自画自賛)。
すべての準備を終え、あとは出発するのみ・・・という旅の前日。今までの旅史上一番緊張してなかなか眠ることができず・・・。公共の交通手段の乗り継ぎ、インドアな己の体力などなど他にも不安要素が・・・。
「始まってしまえば終わったようなもの」
と、最近何かで読んだ自衛隊の人(誰?)が言ったという言葉を胸に、ついに旅の当日。そわそわしながら仕事を終え、いよいよ秋田青森ひとり旅のスタートです!!!!!
CONTENTS
はじまりはネカフェのシャワー
定時に光の速さで退勤!ここから分刻みでの戦いが始まる・・・!!!
まずは博多駅近くのネカフェでシャワー!旅に向けてまずは身を清めます。
烏の行水で飛び出し、急いで地下鉄で福岡空港へ。
福岡から秋田への直行便はないので、乗り継がねばなりません。まずは羽田空港に飛び、電車を乗り継ぎたどり着いたのはバスタ新宿。
そう、夜行バスでの秋田入りです!!(苦)
夜行バス
時間とお金に余裕があれば迷わず新幹線を利用するのですが、悲しいかなそれは許されない身の上。とはいっても、8000円台の安い夜行バスはとっくの昔に売り切れており、13,000円のバスしか残ってませんでした・・・(新幹線よりは安いけどさ)。
待合室にはたくさんの人がバス待ちしてて、椅子に座れないほど!!
22時40分。ついに新宿を出発!おそらく人生で2〜3度目の夜行バスでの旅。ドキドキです。数回の休憩を挟みながら約7時間かけて、定刻通り無事秋田県横手市へと到着!!
案の定あまり寝ることはできなかったけど、車酔いすることもなく体はいたって健康。ほっと一安心!初日から具合悪くしてたらこれからの旅が台無しだものね。
さて、もう5月だというのに数日前には季節外れの雪が降ったという東北。やりすぎとは思いつつセーターとウルトラライトダウンを着込んで準備は万端!なわけですが、実はまだ目的地には着いていなかったり・・・。さらにJR横手駅に乗り込み、再び移動開始。
福岡を出発してから約13時間。やっとのことで最初の目的地である秋田県湯沢市へと到着!!
ついに人形道祖神巡りのスタートです!!!
湯沢市の人形道祖神
人形道祖神とは
わたしはその存在を小松和彦著『村を守る不思議な神様』という本で知りました。
こちらのサイトによると以下のように説明されています。
以下サイトより抜粋
道祖神とは村に悪霊や疫病などの災いが入ってこないようにと村の境界や道端に祭られる民間信仰の神様で「塞の神(さえのかみ)」とも呼ばれます。(中略)道祖神の多くは男女の神様が彫られた石碑や文字碑、男性器をかたどった石造物などの形で全国にみられますが、東北、関東、北陸の一部では木やワラなどで作った人形の形態で祭られる例があります。これらを民俗学者の神野善治さんが人形道祖神と名付けて分類されました。
『村を守る不思議な神様』はこれまでに3冊出版されており、秋田の各地に存在する人形道祖神を写真ではなくイラストと文章のみで紹介しています。
学術的な小難しい書物とは違い、とても親しみやすい文章でするすると読み進めることができます。宮原葉月さんによるそれぞれの人形道祖神のイラストもとっても素晴らしくて!(チェコの人形アニメーション作家ヤン・シュヴァンクマイエルや、ヤンの妻であり芸術家でもあるエヴァの絵を連想しました)写真で紹介していないのも読む人のイマジネーションを刺激。実際に見てみたい気持ちにさせます(現に来ちゃった!)。サイトではイラストだけでなく写真でも紹介されているので、興味のある方はぜひ見てみてね!
前置きはさておき、
鹿島さまを目指して、出発進行!!!
と、歩き始めたのですが、初めての土地に興味津々。いろんなものに目移りしてなかなか前に進めません。時間が限られてるから早く人形道祖神さまに会いたいのに・・・(葛藤)。
九州ではもうとっくに終わってしまった花々があちこちに咲いていて、まるでタイムスリップした気分。
一体どうなってるのかわからないひっくり返ったような椿がいて、好きすぎて夢中になって撮ってしまった。
御返事(おっぺち)の鹿島さま
これじゃあいつまでたっても辿り着けない!!!と、心を鬼にし周りを見ないようにして歩みを進めること数十分・・・。
か、かわいいいぃぃぃ!!!!!
触覚のようにのびた角、崩れた顔やずんぐりとした肉体、だらーんとした腕(もうなんだか磔にされたキリスト像にも見えてきた)。
そしてなんてご立派な“だ○こん”・・・!!!
その愛くるしい&異様すぎるお姿に胸をグッと掴まれます。こちらの御仁は「御返事(おっぺち)の鹿島さま」。「おっぺち」は集落名(言葉の響きもかわいい!)。
毎年7月中旬には、鹿島さまを新しく作り直すお祭りがあるらしい。いつか見に行きたい!(ちなみに前年の鹿島さまはキリッとしていて、まったく違うお顔だったもよう笑)。『村を守る不思議な神様』で、お祭りの様子が紹介されていたのですが、お供えする人たちをその立派な男○で突くらしい笑。気になりすぎて実際にこの目で見るまでは死ねません!
そんなこんなで御返事の鹿島さまが大大大好きになってしまいました。ファースト鹿島さまがこの方でほんとによかった!!!
三ツ村の鹿島さま
御返事の鹿島さまとの初対面をすませ、次なる人形道祖神さまへと会うために再び歩き始めます。
今回の旅で、わたしはなによりも熊に怯えていました(唐突)。春先、熊が冬眠から目覚めて腹を空かせて動き出す季節・・・。最近では山に餌がなくて人里に降りてくる熊もいるという・・・。初の東北旅に怯えすぎて、考えつく限りの熊対策をして今回の旅に臨んでいました。その話はまたのちほどするとして・・・。
熊に会いませんように・・・そう願いながら歩きます。
御返事の鹿島さまからさらに歩いて30分。道沿いに三ツ村の鹿島さまが現れました。
御返事の鹿島さまよりも大きな体をしています。片目に髪がかかっていてなんだかちょっとキザね。宝寿の形をした蝋燭立ても印象的でした。
さて、時間はというとまだ午前10時。早朝から動いているのでまだまだ時間はたっぷりあります。朝から何も口に入れていなかったので、目星をつけていたお店へと向かうことに。ここから歩いて1時間近くかかるんだけどね・・・(白目)
来た道をUターンしていると、雨予報じゃなかったのに突然の雨!!(もちろん傘はない)しかも途中から霰!!!その後すぐに快晴になるという摩訶不思議天気に翻弄・・・。鹿島さまの歓迎の印と思いたい・・・
でもめげずに御返事の鹿島さまをおかわりしちゃうよ・・・!!!
珈琲焙煎工房バルーガ
11時過ぎにやっと着いたのがバルーガさん。珈琲だけでなくパンも人気のお店のようです。
男性のスタッフさんに福岡から来たと伝えたらまず驚かれ(その後、いろんな人に伝えては驚かれる笑)、福岡に弾丸旅した時のことなど、色々とお話ししてくれて楽しかった!パンランチもおいしかったよー。スープも美味。あったまりました。
珍しいというスペシャルティコーヒーもゲット。旅から帰って早速淹れてみたけど私好みでとても美味しかったです。店内の奥に焙煎機があって、お爺さんが焙煎していました。バルーガさんは家族経営なのかな?みなさんとても感じがよかった!よいお店だったので、ぜひ訪れてみてください。
人形道祖神に会いに来たと伝えると、他にもそんな人が来ると言っていた。やはりどこにでも同じような人はいるものなのだねぇ。
実はバルーガさんのすぐ近くにも小野の鹿島さまがいらっしゃったのですが、時間がなくて拝むことなく駅にダッシュ!まだまだ始まったばかりの旅。これから何度ダッシュすることになるのやら・・・先が思いやられるのであった。
【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3、SIGMA dp3 quattro、iPhone SE2 film:KONICA AUTOREX
秋田青森ひとり旅2022②につづく▶︎▶︎▶︎