まずはやっぱりボゼが現れるという「テラ」へ・・・!!!
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テラ
コミュニティセンターからそう遠くない場所にそれはありました。
「テラ」とは、その言葉のごとく「寺」のこと。ただ、お坊さんはいない無人のお寺です。
テラの入口の解説版より抜粋▼▼▼
吐噶喇各島で、テラといえば建造物の寺、その周囲の墓地、あるいは墓石のことである。元禄9年(1696年)当時、各島に寺院が一つないし二つあったことが「口之島太夫(たゆう)文書」によってわかっている。(中略)これらの寺は今ではほとんどが消滅し、寺跡があるか、仏像などを小屋に安置し、それを寺と呼んでいるかである。悪石島は寺の奥のほうに墓地が広がっている。墓地のこともテラという。
木々に囲まれた入口から中に入っていくと小さな空間が広がっていました。
まず目に飛び込んできたのがこちらの祭壇。
墓地
さらに奥に進んでいくと、墓地へと続く入口がありました。
入口の両脇には時代を感じさせる苔むした仁王像さまが。右の像の上部は別のものにすげ替えられていました。
それぞれのお墓の前にも、先ほど祭壇で見かけたお供物が木漏れ日を浴びて色鮮やかに輝いています。この細かく刻まれたお供物の中身もとても気になりました。
ひとまずテラを後にして集落内を散策していると、島人が道をいったりきたり。何をしているんだろう・・・?と、少し不思議に思いながら見ていました。
ボゼが現れるのは明日ですが、盆行事自体は数日前からは始まっています。盆踊りも今日は16時頃からテラで踊ると聞いていました。
少し早めにテラに戻ると島人の姿が・・・。
祭壇の前で何かやってる・・・!!!
墓地の方へと向かうので、興味津々で後を着いて行きます。
男の子が持っている器の中にはあの細かく刻まれた色とりどりのお供えものが!ご両親がやさしく見守る中、男の子がそれをスプーンですくってお供えしています。続いてお父さんが手に持った植物を使い、器の中の水をバシャッパッシャっと墓石にかけます。同じようにして次々とお墓をまわっていくのです。
「ここはおじいちゃんのお墓だよ」などと、お母さんが男の子に話しているのが聞こえます。
この家族だけでなく、次々に別の島民がやってきては同じようにしてお墓をまわっていきます。
島のお盆の風景を垣間見ることができて静かに興奮!!とっても嬉しかったー!!!
水祭り
これは「水祭り」と呼ばれるものだったようです。文化庁の国指定文化財等データベースに詳しい記述があったので、以下抜粋。
夕方前になると墓参りがあるが、この際には、水の子と称した、ナスやサツマイモ、ウリ、カボチャの花などを細かく刻んで、アワとともに和えたものを少量供え、ショウハギの葉で水を振り払うようにかけていく。詣る箇所は、テラの小屋前に設けられた仮設の施餓鬼棚、当主夫婦と縁のある諸墓、路傍の石仏・小祠等々であるが、こうして詣ることを水祭りという。この日の水祭りはテラからはじめ、公民館裏手に祀る荒神で終わりとし、この後、皆が集まったところで同所広場にて盆踊りがある。
施餓鬼(せがき)
テラにあった祭壇は、「施餓鬼棚」というものだったのね。真言宗や浄土宗、曹洞宗などで行われる行事らしく、実家が浄土真宗(死者はすぐに成仏すると考えられている)の自分にはまったく縁がないものだったので初めて見ました。
「施餓鬼」とは、お盆の時期に行われることが多い仏教行事。亡くなった祖先や家族たちと共に、生前の悪行によって亡者の世界に落とされ常に飢えと乾きに苦しんでいる餓鬼に、食べ物や飲み物などの供物を施し供養することとのこと。※以下サイトをもとに簡単にまとめさせていただきました。
施餓鬼とはなんですか?施餓鬼の意味 | 大人のためのbetterlife マガジン『enpark』
水の子
そしてその餓鬼道に落ちた無縁仏へのお供物のことを「水の子」と言うようです。他の地域では一般的に胡瓜や茄子、お米、水などで作られていて至ってシンプル。
悪石島のように見た目も色鮮やかな「水の子」は南の島ならではって感じ!
盆踊り
そうこうしているうちに、テラには人が次々に集まってきました。
ついに盆踊りがスタート!
わいわい賑やかな感じではなく、穏やかでのんびりとした歌と踊り。悪石島の盆踊りは男性しか踊りません(子供は女の子もOK)。だから男性しか浴衣を着ていなかったのねー。
最後は踊りながら墓地を通り抜け、テラでの盆踊りは終了。
そのままみんな近くの学校へと移動します。
悪石島小中学校
今度は悪石島小中学校での盆踊りが始まります。
盆踊りが終わる前にちょっと離脱・・・。
今日中にどうしても行きたいところがあるのだーーー!!!
売店
あ!開いてるー!!!
売店には上集落に着いた時にはなかった暖簾がかかっていました。明日はツアー客でいっぱいになると聞いていたので、今日中にどうしてもいきたかったのだー。
店内にはお菓子や飲み物、日用品などが売られています。野菜がほしかったけどほぼなかったので、料理したい方はやはり自分で持ち込む方がよさそうです。
悪石島グッズ
もちろんここでのわたしの目的は悪石島グッズ・・・!!!
島に行く前に訪れたトカラ結プラザ(トカラ・インターフェイス)で、売店にあるクリアファイルはもう在庫のみだからレア!という情報を入手していました。買う気満々でいたのにどうやら先日のトカラ七島めぐりツアーで売り切れてしまったもよう・・・(残念)。代わりにTHE お土産って感じのボールペンを1本だけ購入(ちなみにトカラ結プラザでも買えます)。
ほんとは悪石島ツナギがほしかったんだよー!!!
港でオレンジ色のつなぎを着ている人がいて、とても気になっていたんだよね。
売られていたのは黒のツナギで、LLとLサイズしかなくて、わたしが着るのは当然無理。くやしい。この悪ツナギを男子が着てたら間違いなく惚れる!!
女性用にカラフル系や淡い色系があったらめちゃほしい・・・(Sサイズ希望)。そしてトカラ結プラザでも販売して・・・。どうか、どうかご検討をお願いいたします!!!Tシャツも現在販売されていないカラーを着ている人がちらほらいたのですが、半年に一回ほしい色を聞いて受注しているんだってー。島に住んでいる人だけの特権っぽい。うーん、もう住んじゃおっか!
ちなみにめちゃくちゃカッコいい「悪」の文字は、学校の先生が個人的に作っていたのをみんなが欲しがって販売するに至ったとかなんとか(店員さんも聞いた話とのこと)。
実は店員さんも、コミュニティセンターで対応してくれた女性も島に来てまだ数ヶ月〜1年とかいう話でした。外国人の家族もいたし、島外から移住する人も多いのかもしれないねー。
ボールペンの他にキンキンに冷えた酎ハイもゲットし、ひとり宴会しながら再び盆踊りしている小学校へと歩き出します。
するとキャンプ場の2人組とバッタリ。どうやら盆踊りは終わり、酒盛りが開催されているらしい・・・。仕方ないので帰ります!キャンプ場まで車で送ってくれるというのに再び断るという・・・すんません。
夕方の風景を撮りながら帰りたかったんだよー!というわけで、再び歩いて我が家(テント)へGO!!なんだぜ!!!
【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3、SIGMA dp3 quattro、iPhone SE2 film:CONTAX Aria
【05】悪石島のボゼに会いに行こう!2022へとつづく▶︎▶︎▶︎
悪石島のボゼに会いに行こう!2022【記事リスト】
【03】悪石島のボゼに会いに行こう!2022〜灼熱地獄坂編〜
【04】悪石島のボゼに会いに行こう!2022〜水祭り・盆踊り編〜
【05】悪石島のボゼに会いに行こう!2022〜キャンプ飯編〜