彷徨する旅のアーカイブ

旅先や日常で出会った「非日常」の記録

香川徳島ひとり旅2022 ⑥【哀しみのお花大権現編】

電車を乗り継ぎついぞ着いたのは徳島県みよし町の江口駅。

無人駅です

観光客が降りそうもないこの場所に、本日のメインディッシュが待ち構えているのだー!!!夕暮れが迫っていますが目的地はもう少し先。寄り道しながらてくてく歩いて向かいます。

アールデコな可愛い「持ち送り」発見

「心が燃えるとき 赤いチェリー」どゆ意味?

あ!目的地の看板が・・・!!

お花だいごんげーーーーん!!!

矢印の方向に進んで行くと、次々に看板が現れます。

地元の人からは「お花さん」て呼ばれてるのかしら

もう少しであなた様に会えるのね・・・(どきどき)

まだまだ看板!!!

ついに入口まできたーーー!!!

今はもう営業してなさそうなお土産物屋さん?

この緑の向こうにきっとあのお方が・・・!!!

竹林

錆びたお花食堂の看板

鬱蒼とした坂道を歩いている時に、キーンコーンカーンコーンと懐かしいチャイムの音が聴こえてきました。どうやら5時になったようです。

竹林を抜けると、廃墟となった建物が現れました。

お花食堂

どうやら昔はとても賑わっていたもよう。食堂やお土産物屋さんもあったんだねー。

廃墟を通り過ぎると、入口が見えてきました。

釣鐘が見えてきたので、とりあえず突いてみます。

満足である

なんだか思ったよりも立派なお寺さん。嫌な予感がしてきます・・・。

あのお方は一体どこにいらっしゃるのかしら・・・??

あれ?あれれ??

しししし閉まってるーーーー!!!??

しかも中を覗いてみても、わたしが会いたいお方はどこにもいらっしゃらない・・・!!!

普段はリサーチの鬼であるわたくし。実は今回、あまりこの場所に関する情報を入れずにきてました。なぜなら事前に情報をたくさん入れてしまうと感動が薄れてしまうから・・・。この場にくるまでは、わたしの会いたいお方はてっきり道端の無人のお堂に祀られているものだと信じ込んでいたのです。それがまったく違ったようで、ちゃんとした有人のお寺さんだったという(絶望)。それなら5時で閉まるよね・・・さっきのチャイムの音がまさか死の宣告だったとは・・・・・。

駅からダッシュしてたらもしかしたら間に合っていたかもしれないのにバカバカバカーーー!!!・・・と、後悔しても後の祭り。今わたしができること。それはご住職に土下座して(心の中で)頼み込むこと・・・!!!!!せっかくここまできたのになんの目的も達することができずにこの場を去ることなんてできない!!!めちゃ番犬として優秀な犬に盛大に吠えられながら、住職さんが住んでいると思われる建物へと向かいます。

怪しまれたのかピンポンを押すまでもなく、ご夫婦が外へ出てきました。ご住職と思われるおじいさんに聞くと、やはり拝観は17時までとのこと。そうですか・・・ではさようなら・・・。とはもちろんなりません!!!

ここは泣き落としするしかない!福岡からはるばるここめがけてやってきたことを切々とうったえます。が、まったく動じないご住職・・・。そこをなんとか・・・!!と、2、3度しつこくお願いしたところ、少しだけなら・・・と開けてくださることになりました!!(そうでもしないと帰らないと思われたのかも?)

本気で本気で申し訳ない!!&ありがとうございます!!!

というわけで、みんなはちゃんと17時までに行こうね・・・!!!

受付でパンフレットとお札をいただきました

拝観料を払って、ついに!ご対面・・・!!!

会えたーーー!!!

なんてびゅてぃーふぉーなおみ足!!!

そして住職のこだわりを感じるたわわに実ったお胸の桃色チラリズム!!!!!(きっと数ミリ単位で見える範囲を計算しているに違いない)

どきどきどき

坂出から山を越え谷を越え、約3時間半ほどかけてやって来たのは、こちらにいらっしゃる弁「財天さま」に会うためだったのだーーー!!!

え?「お花大権現さま」に会いにきたんじゃないの・・・?って思いますよね・・・。お堂の真ん中にいらっしゃるのがお花さん。弁財天さまのお姿に興奮しすぎて、失礼してしまいました。すみません・・・。しかも焦りながら撮ったから、ブレてる写真しかなかった・・・。

お花大権現由来(パンフより)

お花さんは元禄(1688〜1704)時代の人で、当地(東みよし町)の出身の人、または蜂須賀家の姫であったと言われている。播州のある城へ、城主の姫として、あるいは側室であったと伝えられている。

ある年、殿の不在中同輩の妬みを受け、お花は24歳にして絞殺された。その後、城中には奥女中が変死を遂げる怪事件が相続いて起こり、城内は修羅場と化した。帰城した殿は、お花の不在を怪異に不審を抱いていたところ、ある夜お花の姿がぼう然と殿の枕元に立ち、惨事のさまと性の御仏になることを告げた。不憫に思った殿は、早々城内に立派な祠堂を造り、お花の御霊を供養した。その後は、怪異も納まったという。

その後、善達という僧が、寛永14年に当地の西山路部落の観音堂に御霊を移され、祀られる内シンボル(陰陽物)を奉納するようになった。シンボル(性器)を祭るのは、原始時代の崇拝がルーツである。

なんで突然性の御仏になることを宣言するのかは謎だけども・・・。

あちこちにズラリと置かれている男根たちは、お参りされた方々が自分で作って奉納したものとのこと。すごい!!子宝祈願に東京から来られる方もいるそうです。

気になる絵

こちらの大きな木は「お花さんの穴禅定」。ちょうど影になって真っ黒だけど、穴が空いていて、そこをくぐると無病息災になるとか。もちろんくぐる時間もなく・・・。

もっとゆっくり拝観して思う存分写真も撮りたかったけど、蚤の心臓なので感謝を述べてすぐに退散することにしました。ちょっとしょんぼりしながら先ほど通り過ぎたお寺さん前にあるお花食堂もパシャパシャ。こちらもとっても魅力的でした。

中をちょっと覗いてみた

念願のお花大権現。下調べ不足で散々な結果に終わったけれど、少しだけでも拝観することができてよかったです。

でも!またいつか!!死ぬまでに必ずやリベンジするぞ・・・!!!木の穴もくぐってやるぞ・・・!!!!!

そう固く決意するのであった。

なんだかんだで忘れられない思い出

帰りは駅前の物産館に寄り道。カメラをぶら下げているのを見て興味を持ったのか、お店のおじさんに何を撮りに来たのか聞かれます。包み隠さずお花大権現に行って来たことを伝えると、笑いながら「すごいね」と言われました。何がすごいのかわからないけど、

ありがとうございます!!!

後悔を残しながも目的を果たし、電車に再び乗って本日のお宿へと向かいます。陽は山に隠れ、あたりは少しずつ夜に沈み始めていました。

【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3、SIGMA dp3 quattro、iPhone SE2 film:CONTAX Aria

香川徳島ひとり旅2022⑦へとつづく▶︎▶︎▶︎