彷徨する旅のアーカイブ

旅先や日常で出会った「非日常」の記録

③初夏の神奈川・静岡ひとり旅2024【熱海・竜宮閣編】

横浜から電車に揺られ、降り立ったのは熱海駅。駅前では輪になって楽しげに踊る人たちの姿がありました。

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熱海を訪れるのは今回で2度目。最初に訪れたのは2018年の夏でした。約6年ぶりの熱海・・・時が過ぎるのは早いものです(遠い目)

アーケード商店街

駅を出て右に進んでいくと現れるのがアーケード商店街。たくさんの人たちで賑わっています。

魅惑的な湯気が立ち上る温泉まんじゅう屋さん

商店街をまっすぐ進むのではなく、やっぱり横に伸びる細路地に吸い込まれてしまうのである。

好き過ぎる建物

2018年の写真を見返してみたら、温泉まんじゅう屋さんと、すでにその当時から廃墟と化していたレトロなパチンコ店も撮っていました。うーん、何年経っても好きなものは好きなのね!(撮ったこと忘れてるけど・・・)

今回熱海を訪れた理由。それはただひとつ!熱海の竜宮城に泊まるためでした。

竜宮閣

商店街の横道を抜けると大きな道路に出ます。そのまま坂を下っていくと現れる建物が本日のお宿。昭和13年頃創業という竜宮閣さんです。

ブロックを積み重ねたような姿がたまりません

看板には「御食事」と書かれているけれど、今は素泊まりのみのよう。

旅館前の街頭と柱の文字もよき。こちらは「竜」ではなく「龍」なんだね。昔はそう表記してたのかな?

竜宮閣さんについてはこちらのブログが詳しかったので、興味のある方は読んでいただくとして早速中へ。扉を開けると玄関右手に置かれた椅子に腰掛けている老夫婦の姿がありました(まさかそこにいると思わなくてビクッとしたのは秘密)。

2階へと続く階段側から玄関を見たところ

 

部屋

案内されたのは2階にあるこちらのお部屋。

な、なんでペットボトルやマスクやら置いたまま撮ってるのかな・・・やる気なかったのかな・・・

この雰囲気!なんだか広島で泊まった元赤線建築のお宿を思い出しました。

一楽旅館

赤線時代の建物と、売春防止法後に増築された数寄屋風の建物で構成されてるという一楽旅館さん。華やかなんだけれど、どこか渋さを感じさせます。

タイガーな毛布にきゅんとしたよ

一楽旅館さんについては以下のページをどうぞ。

広島の建築 arch-hiroshima|一楽旅館

そして、再び竜宮閣。

2階通路

他のお部屋の扉。雰囲気たっぷり!

いぶし銀な感じで素敵!!!一楽旅館さんのような華やかさはないけれど、扉の作りも似てる(この時代の建物には多かったりするのかな?)。竜宮閣も数寄屋風っていうのかしら??建築様式に詳しくないのでわからない・・・わからない・・・。誰か教えてー!(毎度お馴染み他力本願)

お手洗いに続く扉も素敵でした

この日は3連休の初日ということで宿は満室とのことでしたが、ちょうど誰も入っていないというので地下一階の温泉へと急いで向かいます。

1階奥の上部に鎮座するお亀さま(剥製?)

温泉〜浦島太郎に会いにゆく〜

私が竜宮閣に泊まろうと思った理由・・・それがここにあるのだ・・・!!!

う、浦島太郎さまぁーーーーー!!!

「竜宮閣」という屋号にはこれしかありえない!というようなタイル絵が、窓から差す光を受けてぼんやりと浮かんでいました。 赤い珊瑚や踊っているような巨大ワカメ、その間をぬって泳ぐ魚たち。そして右下には亀の背に乗り竜宮城、ではなく竜宮閣へと向かう浦島太郎・・・。湯船周りのタイルも美しい・・・!!!

キッチュなカラーリング

鯉(かな?)を抱えた坊やも隅っこにいらっしゃいます。

こんにちは

浦島太郎のタイル絵に目を奪われがちですが、反対側の壁にもどこか西洋の神話を思わせる水浴びをする裸婦たちの絵が描かれています。

もうひとつの浴室

浦島太郎がいらっしゃる浴室の隣には、こじんまりとした浴室もありました。

こちらは女性の像と、壁には鯉、反対側には海?川?と山のタイル絵が

鼻息をはふはふさせながら写真を撮っていたら、何やらがやがやとした話し声がするではありませんか。どうやらお隣の浦島太郎の浴室に、女性3人組がやってきたようです。嗚呼、入浴のタイミングを逃してしまった・・・。

仕方ないので夕飯を調達して戻ってきた頃に入るチャンスを伺うことにします。龍宮閣では素泊まり。外食する気分でもなかったので、一番近いコンビニへ。

なんでかこの写真だけ撮ってた。どっちも私の住む九州では見ない気がするような?

普段も食べているような夕飯を調達して宿へと戻り、そろそろどうかしら・・・?と覗きにいくと、ちょうど温泉から出ていくところでした。今がチャンス!!!急いで用意をして浦島太郎さまへ会いに!ゆくよ!!!

いざ、入浴!!!

気分は竜宮城の浦島太郎。極楽極楽〜〜〜〜〜〜(最後に箱は開けませんよ!)。

贅沢にひとり占めである

たっぷり浦島太郎さまとの混浴を堪能しようとしていたら・・・

・・・なんと!外からお囃子の音が・・・!!!

え?ええ?

明後日からお祭りがあると聞いていたけど、もしかして前夜祭的な何かやってるの??行列が出てたりするの!??せっかく入ったばかりなのに気になって仕方ありません・・・。

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お囃子の音を聞きながら入る温泉も乙ではありますが、やっぱりその姿を拝みたい・・・!!!いても経ってもいられず、浦島さんとの混浴タイムも早々に温泉を脱出。急いで身支度を整え玄関へと向かます。

お囃子の音色を求めて三千里

宿のご夫婦に今夜もお祭りがあるのか尋ねてみると、本番のために練習しているとのことでした。ただし、どこでやっているのかはわからないという。きっと音が聞こえる方に向かえば辿り着けるはず・・・。そう思ったのに外に出た途端になんにも聞こえなくなるのなんで!なんで!!

時間はまだ19時台。21時までやるらしいからまだまだ時間はたっぷりなはず。うーん・・・。とりあえず当てずっぽうで商店街を歩いてみることに。

(場所を探し当てることに必死すぎてちっとも写真を撮っていなかったので、2018年に訪れた際の熱海スポットの紹介をしながら歩きますね・・・)

夜の熱海散歩がとても楽しかった思い出(2018年8月撮影)

お囃子の音・・・聞こえないね・・・(商店街を歩きながら)

初めての熱海。友人たちとの旅行だったけれど、前乗りしてひとりで渋いお宿に一泊。そのお宿は今はもうありません・・・(2018年8月撮影)

き、聞こえない・・・(てくてくてく)

偶然花火も見れて最高だったなぁ(2018年8月撮影)

聞こえないよ・・・!!!(とぼとぼとぼ)

サンバードやボンネットで美味しいものをいただきましたね(2018年8月撮影)

商店街を抜けて熱海駅に到着。ぜんぜんお囃子聞こえないし、なんだかここじゃない雰囲気・・・。とりあえずその辺に座って夜風に吹かれようか・・・。

熱海といえば起雲閣!住みたいね・・・(2018年8月撮影)

あ、あきらめて宿に戻ろうね・・・・・。

もちろん秘宝館も外せません!!!最近リニューアルしたようでちょっと気になったけれど今回は行けませんでした。またいつか(2018年8月撮影)

(2018年の思い出写真はここまで。お付き合いいただきありがとうございました)

とぼとぼと宿へと向かって歩いていると・・・

お、お囃子の音が聞こえるーーーーー!!!!!

宿に近づくにつれてだんだんと大きくなってくる太鼓や笛の音・・・。ななななんと、竜宮閣のお隣の建物内で練習してました・・・(ズコーーーーー!)。

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お店の地下一階ぽいけどプライベートな練習空間で見学させてもらうのは厳しそう。ちょうどその建物と竜宮閣の間に階段があったので、音が一番聞こえる場所に座って少しばかりお囃子を聴くことにしました。

なんて魅惑的な夜の階段

心地よい太鼓と笛の音色、ときたま聴こえる掛け声を聴きながら、ふと龍宮閣側に顔を向けます。

も、もしや・・・

ちょうど温泉のある場所じゃないか・・・!!!

間違いない

一番最初にお囃子を聴いた温泉が、まさかの特等席だったという事実におもいっきりズッコケました。そりゃよく音が聴こえるはずだわ・・・。こんなことならゆっくり温泉で聴いてたらよかったねぇ。でも、外に出なかったらそのことに気づけなかったわけだし、この一連の流れ含めてめちゃくちゃ楽しかった!!!

夜の竜宮閣

最高の夕食

夜風に吹かれてお囃子を聴いた後は、お部屋に戻ってコンビニ飯と缶酎ハイで乾杯! 味気ないコンビニ飯も、窓から流れてくるお囃子のおけでとびきり美味しい夕食に様変わりです。

ここも温泉の次くらいに特等席

あぁ、とてもいい夜だ。しみじみと幸せを噛み締めて寝床につくのであった。

熱海の朝は雨

翌朝、チェックアウトをすませて外に出るとしとしと雨。昨夜座ってお囃子を聴いた階段もしっとりと濡れています。

まるで魔法がとけたよう・・・

たった一夜だけの短い熱海だったけれど、とびきり可笑しくて美しい思い出を胸に、わたしを次なる場所へと運ぶ電車へと飛び乗るのでありました。

④初夏の神奈川・静岡ひとり旅2024へとつづく▼▼▼