元旦に男鹿からのろのろ約4時間かけて八幡平の両国旅館に着いた瞬間から怒涛の展開!宿で出会ったはじめましてのおじいさんと夜明け前の舞を見に行き、約8時間ぶっつづけで大日堂舞楽を追っかけた!一日にも満たないけれどみっちり濃厚な八幡平での滞在はついに終わりを迎えようとしています。
CONTENTS
- トラブル発生
- 八幡平、怒涛の脱出劇
- 大雪の大館を歩く
- 煉屋(ねりや)菓子舗「煉屋バナナ」
- 初めましてのフォロワーさまと合流
- 感動的な雪国のおもてなし
- 温泉付きホテルとハチ公とオーメン
- 早起きは三文の徳。ご褒美の秋田犬
トラブル発生
旅館でのお昼ごはんもご一緒したおじいさんとはここでお別れ(またどっかのお祭りで会いそうな気もするな・・・)。わたしは大館方面へと向かう電車に乗るため、ひと足先に八幡平駅へと向かいます。
今回お世話になった両国旅館さん。夜中に出掛けるのもオッケーで、一泊二食付きだった朝ごはんを昼ごはんにしてもらえたし、昼過ぎまでお部屋で休ませてもらえてほんと最高だった!ごはんも美味しかったのよ〜。大日堂舞楽を見に行く際はぜひ両国旅館さんへ。予約する時に相談してみてね!いや、ほんとわたしは何にもお願いしてなくて、おじいさんに便乗させてもらっただけなんだけど笑(幸運がすぎる)
ちんまくて可愛い駅舎の中には数人の先客。なにやらあわあわしています。はて、どうしたのだろう??無人の駅舎にアナウンスが流れました。
倒木で電車が運休・・・!??? え?えええ???
あ、でも倒木があったのは盛岡駅行き方面とのこと。じゃあ大館駅方面は???なんと!そもそも大館駅行きの電車は雪で昨日から計画運休が決まっていたらしい・・・!!!そんなことになってるとはつゆ知らず、ついさっきまで大日堂舞楽を能天気に楽しんでいたわたくし・・・(幸せでしたね)。
八幡平、怒涛の脱出劇
駅舎にはみんなお一人さまの女の子、青年、おじさん、そしてわたしの4人。ここに集まっている人たちはみんな同士だ!即座に知恵を出し合います。
「タクシーだ!乗合して高速バスが出ている鹿角花輪駅に向かおう・・・!!!」
ちょうど目の前に止まっていた外国人観光客を乗せようとしているタクシーとっつかまえて、彼らを送り届けた後に戻ってきてもらう約束を取り付けます。
は!そうだ!!旅館にはJRが運休していることを知らないおじいさんがいる!!!
急いで呼びに行って事情を伝え一緒に駅へと向かいます(こんなに早く再会することになるなんて!)。ただし、タクシーに乗れるのは定員4人。あぁぁ、誰かひとり犠牲にならなければならない!すると「八戸の実家に今日中に着ければいいからお先にどうぞ」という優しき青年。なんという慈悲の心!!感謝感激!!!戻ってきたタクシーに乗り込むと、にこやかに手まで振って送り出してくれました。
見知らぬ人たちとタクシーをシェアして大移動することなんてはじめてです。女の子は台湾から一人旅をしてるらしい。すごい!自分ではまだまだと言ってたけど日本語めちゃくちゃ上手で最初気づかなかったよ〜!その子は今日は大館に宿をとってて翌日は青森まで行く予定らしい。だけどここ数日大館〜青森間が雪で運休してて明日も再開されるかわからない。帰国の飛行機に乗れないと大変だから盛岡に行くという話でした。せっかくの海外旅行がこんなことになって大変だ・・・。
鹿角花輪駅
15分ほどで鹿角花輪駅に到着。バス停ではわたしたちと同じように路頭に迷った人たちがみっしりと並んでいます。同志たちはそれぞれの目的地に向かって散り散りに・・・。短い間でしたがたのしかったです!
真っ白な鹿角花輪駅
待合室で切符を買って時間がくるまで待っていると、まずは盛岡駅行きが目の前を走り抜けていきました。タクシーで一緒になった皆さまはこれに乗ってるんだろうなぁー。無事帰路につけますように・・・。
そろそろわたしが乗るバスの時間。バス停に向かうと、あれ?盛岡に行くと言っていた台湾女子の姿が・・・!どうやら宿のキャンセル料がかかってしまうから一か八か向かうことにしたらしい。もしかしたら帰れなくなるかも・・・と不安そう。どうにか電車が動くことを願う・・・!!!
そんな話をしているとついにバスがやってきました。台湾女子ともっと話がしたくて隣の席に座れたらなーと思っていたら、キャリーケースを預けてる間に見失ってしまいましたね ・・・。バスの中見渡しても見つけられず。 神隠し・・・?海外ひとり旅になんで八幡平(ニッチすぎる!)や青森を選んだのか、他はどこを旅してきたのか色々と聞きたかったなぁー。ちょっぴり残念に思いながら、大館方面に向けてバスが出発。
哀しみの旅程変更
ところでそこのキミ、台湾女子の心配してる場合じゃないぞ!今までちょっと他人事みたいに話してたけど、実は大館〜青森間のJRの運休はわたしの旅程にも大きく関わってくることなのだ。なぜなら今夜、大館から電車で青森入りして大鰐温泉泊まる計画なのである!すでに昨日予約してる旅館に連絡して、もしこのまま運休してたら行けない可能性があることを伝えていました。それでも楽観主義者だからきっと電車が動き出すと信じて疑わなかったわたくし。だって、元旦からめちゃくちゃついてるし!きっと今回も大丈夫だし!!!
そんなふうに思いながらバスに揺られていると、旅館から今夜の宿泊について確認の電話が入りました。まだまだ楽観的なわたしは行くつもりであることを伝えて電話を切る。その後情報収集してみると、うーむ、どうやら絶望的のようだ・・・。そう思い直してすぐにキャンセルの連絡。決断がギリギリになって申し訳ありませんでした。あぁ、楽しみにしてたから残念・・・。必ずや!次こそは泊まります!!
しかしこのままだと今日は宿なしです。急いで大館駅近くの温泉付きビジホを確保。せめて温泉に入らなきゃやってらんないぜ・・・。
大雪の大館を歩く
はじめまして、大雪の大館。鹿角花輪駅から約1時間ほどで到着です。最初は大館駅で降りる予定だったけど、急遽ひとつ前の停車場で降りることに。あわあわしすぎてもしかしたら前の席にいたかもしれない台湾の女の子に挨拶できなかったことが心残り・・・。グッドラックと伝えたかったなぁ。
降りてすぐにレトロ可愛い建物を見つけてキュン!
降り立って初めて商店街ということを知りました。気になるレトロなお菓子屋さんも!「アマリリス」のフォントがたまらない〜!!
ちょっと歩いただけでわたしのツボを刺激するものと出会うのだから、きっとこの辺にはいろいろとあるに違いない。そんな予感をビシバシ感じます。
だがしかし、あいにくの雪、雪なのである・・・。アーケードがあるうちはよかったけれど、それが途切れるともう絶望的。キャリーケースをずるずる引きずりヨイショと持ち上げながら大量の雪を浴びます(そう、わたしは男鹿に傘を忘れてきてしまったのだ)。
歩く、歩く、歩く・・・ぅぅぅ。するとついに看板が見えてきた!!!
煉屋(ねりや)菓子舗「煉屋バナナ」
暗くなりつつある街で「煉屋バナナ」の文字を見つけた時の喜びといったら!体に積もった雪をはたいて救いを求めるかのように中へ。もう屋根のある場所に入れるというだけでもありがたい・・・。
バナナ!バナナ!わたしはバナナを買いに来たのだ!!!
そう、これが「煉屋バナナ」。ノーマルサイズと、ミニサイズの「ミニバナナ」もあります。ミニバナナ1個おまけしてもらえて嬉しい!!!
東北には「バナナ」の形をした最中があるらしいという情報を得たのは古津軽を特集した『rakra』という雑誌でした。津軽発祥というバナナ最中。昭和の頃に高価だったバナナを身近に味わえるように考案されたことが始まりのようですが、こちらの煉屋バナナは別ルート(?)から考案されたものらしい(青森にもバナナの形のお菓子があることを店員さんに伝えたら知らなかったのも意外でした)。
パンフレットより▼▼▼
昭和の初期に、東京の某会社より「果物そのまゝの風味をお菓子に出来ないものか」との御注文がありました処、丁度その際台湾より、お土産に頂戴した果物があり、これに「あん」を加工して試作をした所風味のよいお菓子として出来上がりました早速送り届けました所、味と云い風味と云い、申し分のないお菓子が出来たと大変ご好評を戴きました。(後略)
津軽発祥バナナ最中の方は最初から香料でバナナ風味にしていたようですが、 煉屋バナナは今でこそ香料ですが考案当時は本物のバナナが使われていたのですね!せっかくなら今も本物のバナナ使ってほしいなぁ・・・。
さて、肝心のお味の方は?
バナナ!バナナ・・・!!
と、食べた瞬間思わず声に出してしまうほど驚異的にバナナでした。
そして大館といえば秋田犬の忠犬ハチ公。可愛すぎるハチ公のお菓子も買わずにはおられません。左がハチ公「もろこし」で、右は「ハチ公の街」。どっちも美味しくて好きだった!
特に「ハチ公の街」は、白餡にオレンジが入っててチョコ×オレンジの組み合わせのお菓子が大好きなわたしにはたまらなくツボ。白餡にもオレンジって合うんだなぁと新たな発見です
これらのお菓子は通販もできるみたいなので、気になる方はどうぞ。▼▼▼
初めましてのフォロワーさまと合流
ふと外をみると、眩いばかりのバナナカラーの登山用ウェアを着たフォロワーさまの姿が目に飛び込んできました。そう、実は今夜はフォロワーさま夫婦のご実家で夕食をいただくことになっていたのだ!!!今までソロでやってきましたが、去年あたりからフォロワーさまとお会いして交流することが増えてきまして。人見知りなので自分からはお誘いなかなか出来ませんが、遊んでもいいよ!って方はどうぞお声がけくださいませ・・・!!
今回のおまねき、わたしがXで大館の美味しいきりたんぽ屋を求めるつぶやきをしたことがきっかけで実現。このちゃん。さんのご好意で、ご実家のお母様お手製のきりたんぽ鍋をいただけることに・・・!!!そしてお菓子屋さんに迎えにきてくれたのは、このちゃん。さんの旦那さま、階段巡りさんでした。
お二人は今回お会いする前からわたしの中で憧れのご夫婦(おべっかじゃないし!ほんとだし!)。お二人の新婚旅行の道中は特にお気に入りで、いろいろと大好きなのですが特に大好きなのが花嫁姿で桃を漕いでる写真です・・・!(見てほしいから!Xのツリーたどってみてね!!)
花嫁は
— 階段巡りツイッター (@kaidanmeguri) 2023年4月10日
夜汽車にのって
とついでゆくの pic.twitter.com/T7KGcyZRkT
感動的な雪国のおもてなし
そんなこんなで初めましての階段さんと合流して、あとはもうお任せして案内されるままバスに乗り本日のきりたんぽ鍋会場(ご実家)へ・・・!どきどきわくわく
そこで待っていたのは・・・雪国の
お・も・て・な・しぃぃぃ!!!!
プチ雪だるまの歓迎とプチカマクラには温かな蝋燭が灯されてなんてロマンティックなの・・・?奥には人が入れる大きさのカマクラもあります。思いもよらぬ光景に心底感動してしまいました。こんな風に人を喜ばせることができるのって才能だと思うんです・・・。わたしだったら何もできない。ほんとすごいことだよ・・・。
お家の中に入らせてもらうと可愛い半纏をまとった初めましてのこのちゃん。さん。わたし、半纏大好きなの!!!かわいい・・・と思ったら、わたしにも半纏のおもてなしが・・・(うれしい!)。このちゃん。さんも、お母さまもとても話しやすくて、人見知りのくせに居心地のよすぎる空間にすんなり馴染んでしまいました。
夢のきりたんぽ鍋
家族団欒にどこの誰とも知れないわたしがおじゃましてほんとにいいですか・・・??なんて思いながら、念願の!きりたぽ鍋を!!遠慮なくいただきます・・・!!!
最高だ最高だ最高だーーーーー!!!!!
うぅぅ、太くてもっちりとしたきりたんぽ。比内地鶏の出汁もめちゃくちゃ美味しい・・・。あたしゃね、ほんときりたんぽが大好きなんですよ・・・。
きりたんぽは大館、鹿角地域の郷土料理。「たんぽ」を切ってるから「きりたんぽ」と言うらしい。大館ではカレーと同じように日常的に食べるのだとか!羨ましい!!(湯沢で話した方は食べないと言ってたもんなぁ)。
さすがきりたんぽ発祥の地なだけあって、人形道祖神にきりたんぽをお供えする行事もあったりするようなのでいつか見に行きたいんだよなぁ・・・。あと、きりたんぽ作り体験とかもしてみたい!あとあと、味噌つけて焼いて食べる十字屋のきりたんぽも食べいたい!
きりたんぽ!きりたんぽ!!(好きすぎて無駄に叫ぶ)
え、わたし無限にきりたんぽトークできちゃうかも・・・!!!
大館の地酒まで出てきて至れり尽くせりーーーーー!!!ずーっと旅の間、地酒飲みたかったのにその機会になかなか恵まれていなかったので本当に嬉しい。やっぱり旅先では食べ物も飲み物も、地元のものを味わいたいのだ。
なんとなんと、わたしが先ほどまでいた鹿角出身というお母様。きりたんぽには里芋を入れるのが特徴らしい(みんな入れるというわけではないらしけど)。こういうご当地話が聞けるのもとっても嬉しい!!!お母様も最初から最後までみたいという好奇心旺盛な方で共感しまくり。大日堂舞楽のことや、大館ならではな秋田犬の美しさを競うコンテスト(?)の話が聞けたのもよかったなぁ。
食後にはこんもり盛られた林檎をいただきます。お隣の青森だけでなく、秋田県も林檎の産地ということは今回の旅で知りました。もっと秋田の林檎、応援したい!!!
大雪で電車がストップしてなかったら、こんなにゆっくりお話ししながらお食事できなかったなぁ・・・。大鰐温泉の旅館に泊まれなかったのは残念だけど、今夜のことはきっとわたしの人生の印象的な思い出のひとつとして残るだろうな・・・。そんな風にしみじみと思うのでありました。
生まれてはじめてのかまくら体験
最後は生まれてはじめてのかまくら体験!何から何まで最高だ・・・!!
このちゃん。さんには旅立つ前から雪国のあれこれをたくさん教えてもらって、今回の旅支度を万端に整えることができてめちゃくちゃ助かりました。お母さまのきりたんぽ鍋を初めとする手料理も本気で美味しかった!帰りもビジホまで車で送ってもらって大大大感謝です。階段さんからは明日の神がかった秋田脱出ルートを伝授。もう秋田市に行って東京に戻ろうか・・・なんてことも頭をよぎっていたところにまさかの光明・・・!わたしでは絶対に考え付かないルートでした。ありがてぇ、ありがてぇ・・・。
このちゃん。さん、お母さま、階段巡りさん、美味しくて楽しい時間をありがとうございました。またどこかで!!お会いできる日を楽しみにしております・・・!!!
温泉付きホテルとハチ公とオーメン
本日のお宿、ロイヤルホテル大館にチェックイン!
なぜかハチ公ラーメンもらったよ・・・!めちゃくちゃ嬉しい・・・。ビジホだけど温泉付きだし、最高じゃん。
マッハで温泉入って明日に向けて早く眠るぞー!とはなりません・・・。なぜならこれから洗濯ミッションが待っているのだ!!この日を逃すともう洗濯するチャンスがないのです。疲労困憊で白目剥きながらホテルのコインランドリーで洗濯機を回します。がんばれ、ばんばるんだ・・・。
さらに洗濯してる間にちょっと歩いた先にあるコンビニへ。尽きてしまった旅の資金を下ろします。あんなにへそくり握りしめてきたのに一瞬だね・・・。
あとはクエン酸摂取・・・!!これできっと疲れもとれて明日も頑張れる・・・!!!
ホテルに戻って洗い終わった洗濯物を乾燥機へ。その間に今度は温泉よ!なんて無駄のない動き・・・!!だって、一刻も早くお布団に入りたいのだ・・・!!!
ひっそりとした誰もいない温泉にどっぷりつかる。・・・ふと顔をあげるとこれからの旅を不吉に彩る謎のオーメン!!!
悪魔の数字。6時66分でもないし、666度でもないし・・・本気で何を指す数字なのかわからない・・・
温泉から上がって気絶しそうになりながら洗濯物を畳んで準備完了。今度こそマッハでお布団にダイブだ・・・!!!
早起きは三文の徳。ご褒美の秋田犬
昨日は深夜2時半の目覚めだったけど、今日も朝5時起きだよ?(白目) 不吉なオーメンの暗示にもめげず、果たして無事青森にたどり着くことができるのか!?レッツ、チャレンジです・・・!!!
まだ真っ暗の中、大館駅へと向かっていると、雪道に不穏な足跡が・・・。
ある予感を胸に足跡の先に目を向けると・・・
秋田犬だぁぁぁーーーーー!!!!!
つい昨晩、このちゃん。ママから秋田犬のお散歩の話を聞いたばかり。これが噂の・・・!!!喜びのあまり荷物放り投げて走り寄り、お願いして写真を撮らせてもらいました。
あぁ!かわいすぎるぅぅぅーーーっ。しっぽのクルンてなったところに首をはさみたい・・・。愛しさのあまり眉間の皺にチョップしたい・・・!!(いけません)
なんだか今日はいいことありそうだ!!!!!
⑫秋田・青森ひとり旅2024-2025につづく▼▼▼