今回の旅の計画を練っていた時に、会津若松と湯西川温泉の間あたりでよさげな宿がないか探してて、Googleマップでたまたま見つけたのが昭和9年創業の和泉屋旅館でした。国の登録有形文化財にもなっている建物で、戦後は進駐軍の指定旅館となり、当時使用された応接室や会議室、洋間や調度品などがそのまま残されているという!しかもちょうど「南会津に泊まって応援キャンペーン」中で(現在は少し内容が違う冬季キャンペーンが開催中)、宿泊料金3,000円+クーポン券2,000円が貰えるというお得っぷり!宿の予約がとれた瞬間「パズルのピースがはまった!!!」と、とてもうれしくなりました。
※注:福島県に同じ名前の旅館の公式ページがあるので、間違いないように!わたしはうっかりそこで最初予約してしまうというポカをやらかしました汗 気付いてよかった!!
CONTENTS
和泉屋旅館
湯西川温泉駅から14時過ぎの電車に乗り、1時間ほど揺られて着いたのは会津田島駅。ついに栃木から福島へ突入です!まずはチェックインしてから周辺をうろうろしようと旅館へと向かいます。
着いた瞬間胸が高鳴ります!なんと貫禄のある佇まい!!!
中に入ると、予約の電話でも対応してくれたおばあちゃんが出迎えてくれます。
通常8,500円(1泊2食付)のところ、キャンペーンのおかげで5,500円(+クーポン券2,000円)で宿泊することができました。なんてお得!
チェックイン!!!こちらが本日のわたくしのお部屋です。
建物に興味があるので見学させてほしい旨を伝えたところ、ありがたいことに案内してくれることに〜!!!
おばちゃんの後をついて建物の奥へと進んでいくと、さっそくたまらん光景が!!!
瓢箪に盃〜!!!
本館と別館をつなぐ廊下にこのような細工の窓がいくつかありました。
廊下を抜けると本館と別館をつなぐ階段へとたどり着きます。
もうこの時点でわたしの頭の中の地図は迷路と化しました。導かれるまま、まずは1階の洋室から案内してもらいます。
どちらの部屋も、扉が2箇所あるのが特徴的。入ってきた扉と反対側の扉を開けると、庭の見える通路につながっていました。
毎回こちらの洋室を選んで泊まる人がいるらしい。テレビも置かず、このままの状態で残しておいてと言われてるんだって笑
洋室の隣には、進駐軍の指定旅館となった際に使用されたという会議室(Grillというプレートが掲げられていた)が残っています。
こちらは1階のお手洗い。
2Fには広めの和室のお部屋がありました。
同じ2階には、こんな素敵な応接室も・・・!!!
このコンパクトな空間がとても気に入ってしまった。もう私専用の部屋にしてください!!!
応接室横の通路の窓の意匠も素敵でした。
応接室の隣のお手洗いも素敵なのですよ。
次にたどり着いたのは本館の大広間。(もう完璧迷いました)
なんて面白い天井!!!
舞台までありました。
そして何気にテンション上がったのが・・・
アクビちゃんの花瓶ーーーーー!??
今まで歴史を感じる重厚かつハイカラな意匠の数々に興奮してたのにズコーーーーってなりました笑(いや、もうむしろ大好きです笑)検索したらメルカリで3000〜6000円くらいで売られてた。ほ、ほしい
本館のお手洗いも特徴的でした。なんと足を乗せる台が。こんなの見たことないよ!おもしろーい!!
他にもいくつか和室を案内してもらい、最終的にいつの間にか玄関前の階段に着いているという不思議・・・。
素敵なお部屋&意匠のオンパレードで案内されてる間はもう大興奮!こんなに広かったら全盛期にはどんだけの人が働いてたんだろうねー。いろいろと貴重なお話しを聞いたにも関わらず、相変わらず物覚えの悪い人間なのでほぼからっぽ・・・(職人さんが住み込んで好き勝手装飾したとか、火事になってどうのこうのとか)。覚えてないけど大変興味深く、おもしろかったです!!!しかしなぜ自分はこんなにも調査能力&記憶力皆無なのだ・・・。
そうこうしてるうちにあっと言う間に17時過ぎ。ということは1時間半くらい案内してもらってた・・・??気付けば外も真っ暗になっていました。暗いけどまだ17時なので、少しだけ周辺を散歩してみることにします。あと、なにがなんでも明日の出発までに2,000円分のクーポンを使わねばならぬのだ!!
夜のお散歩
真っ暗な中、ぷらぷらとお散歩開始!
国権酒造
おばちゃんにオススメされた近くの国権酒造に入ってみます。
福島は日本酒が有名で、いろんな酒蔵が全国新酒品評会で金賞を取ってるらしいです。こちらの国権酒造は、明治10年創立で数多くの金賞を受賞している酒蔵。実は日本酒呑めないんだけど、クーポンもあるしせっかくなので自分用に小さい瓶を2本と、毎年ヴェネツィアで瓶を特注しているという干支ボトルのお酒をお土産用に購入してみました。
街のお弁当屋さん
国権酒造を出て、近くの弁当屋さんで野菜ジュースを買っていると、弁当待ちしてたおじさんに話しかけられました。福岡からひとり旅してて、和泉屋旅館に宿泊することを伝えると、物好きという風にふふっと笑って「あそこは寒いよ〜」と言われる笑 わたしが国権酒造の袋を持っていたので、駅で利き酒みたいなのができると教えてくれました。どんなものかとちょっとのぞいてみることに(呑めないけど笑)。
会津田島駅の利き酒コーナー
駅に着くと、お酒の自動販売機がありました。お隣の売店でコイン(1枚200円)を買って、1コイン1カップ(酒造によって50cc〜70cc)購入できるシステムのようです。わたしが酒好きだったら、ここで何種類か購入して利き酒したかったよー!もしくは翌日の電車の中でいっぱいひっかけるとか。きっと最高だよね〜。
駅ではなんと!イナゴソフトクリームなるものを発見!!!ソフトクリームにただイナゴ刺してるだけ笑
夕食
1時間ほどのお散歩を終え旅館へと戻り、まずはご飯をいただきます。
お食事がほんとにとぉーーーーーっても美味しくて!!!
馬刺しをはじめ(会津は生産量、消費量全国2位らしい。初めて知った。もちろん1位は熊本県)、生まれて初めて食べるまんじゅうの天ぷら(あんこ苦手だけど食べれた!)や、米を半殺し(はんづき)にして丸め味噌で味付けした「しんごろう」(家々によって味がそれぞれ違うらしい)といった郷土料理、茶碗蒸しや煮魚、お蕎麦などなどなどもりだくさん。
「みしらず柿」という品種の柿もとっても美味しかった!渋柿で、アルコールをふって置いておくと甘くなるんだって。初めて知ったー。
郷土料理や地元でしか味わえないものが色々とあって嬉しかったです。和泉屋旅館に泊まる際は、建物だけじゃなく食事も楽しみにしとくといいよ!おすすめです。
しかし!この日は湯西川温泉で13時くらいまで猟師めしをたらふく食べてたからあまりお腹が空かず・・・。がんばったけど全部食べきれませんでした。ごめんなさい・・・涙
お風呂
お腹いっぱいごはんを食べた後はお風呂タイムです。
そしてこちらのお宿で密かにお気に入りだったのが半纏!!!
ふくらんだ布団をめくると湯たんぽがあるのも嬉しかったー!
おばあちゃんのぬくもり・・・みたいなのが大好きなんです。
朝食
翌朝の朝食ももちろん美味しかったー!
ごはんを食べ終わってからは少しだけ建物内を散策。その後は荷物を預かってもらい、近くの旧南会津郡役所へと行ってきました。
旧南会津郡役所
明治18年に新築された洋風建築で、福島県指定重要文化財にも指定されています。
玄関のアーチには、当時のままのステンドグラスが。
2階はダンスパーティーでも出来そうな空間が広がっています。
南会津郡役所から宿へと戻りながら、昨日の暗い夕方のお散歩では気づかなかった南会津の街並みをたのしみます。
めちゃかっこいい石造りの建物もありました!何に使われてたんだろー。
和泉屋旅館へ戻ると、建物の外でわたしを待つおばあちゃんの姿が。何もお土産あげらないから・・・とiPadを取り出し(近代的!)、雪の時期の旅館の風景を色々と見せてくれました。雪がずっしりと屋根に積もる光景に胸きゅん!実際に住んでいる人はとても大変だろうけど、ますます雪の積もる時期に雪国へと旅したい気持ちが膨らむのでした。今年こそは・・・!!!
おばあちゃんに別れを告げて、会津田島駅へと向かいます。おばあちゃんほんと親切でジンとしたよ。いつになるかわかりませんが、また会いに行きたいです。今度は雪の積もる時期に・・・!!(寒いだろうなぁーーーーー)
あ、余談ですが、湯西川温泉で壊れた(と思われた)フィルムカメラ。宿でいろいろいじっていたらいつの間にか復活!旅のメインである猟師めしの写真が1枚も撮れなかったのが悔しいけど、再訪した時のたのしみにとっておこうと思います。
【使用カメラ】film:CONTAX Aria、digital : FUJIFILM X-T3、SIGMA quattro dp3
栃木・福島ひとり旅2021⑦へつづく▶︎▶︎▶︎