彷徨する旅のアーカイブ

旅先や日常で出会った「非日常」の記録

③台風危機一髪!岩手お盆ひとり旅2023【民宿古軒と遠野ジンギスカン編】

本日のお宿は明治21年に建てられた民宿古軒さん。遠野駅から歩いて15分ほどの距離で、市街地からは少し外れた場所にあります。今回は遠野以外はすべて味気ない素泊まりビジホ。趣のある昔ながらのお宿に泊まりたい欲求を満たせるのはこの日しかありません。もちろん1泊2食付きで満喫するつもりさ・・・!!

奥にお稲荷さんの鳥居が見えているのにもグッときます

CONTENTS

民宿古軒

国の登録有形文化財にも登録されている及川家住宅(民宿古軒)。おばあちゃんと、その息子さんがメインで経営しているようです。あと看板猫ちゃんも〜。

わたしは2階のお部屋に案内されました。

部屋

最初クーラーがないことに気付いて不安に思ったけれど、窓を2箇所開けて扇風機まわしてたらぜんぜん暑さを感じずとても過ごしやすかったです。(気候的なものもあったのかもしれませんが)

部屋にはドアが二つあって、ちょっと迷路みたいな作りになっていました

グッとくる立札

おばあちゃん家にありそうなレトロなガラス窓

1階

1階の囲炉裏のある座敷の壁には、文化財に登録された際の新聞記事が飾られていました。

新聞記事

この記事によると民宿になったのは1979年からで、創始者の女将は今年で83歳らしい。ということはつまりおばあちゃんが初代女将!色々話しかけてくれるのですが耳が遠いので、こちらからは質問できないというほぼ一方通行なコミュニケーション笑。ニュアンスはわかるとのことで、大きな声で話したり、指を使って会話したりしてました。

さて、本日の夕食はこちらのお座敷でいただきます。

遠野ジンギスカン

夕食のメインはジンギスカン!まったく知らなかったのですが、遠野はジンギスカンが有名らしい。焼肉といえば牛ではなく羊なんだそうです。

歴史

ジンギスカンといえば北海道ですが、遠野のジンギスカンの歴史も昭和30年代からと案外古い。遠野にジンギスカンを広めたのが現在でも遠野でジンギスカン専門店を営む「あんべ」の創始者で、当時は遠野でも織物用として羊が飼育されており、輸入に頼らず新鮮な羊肉を身近に調達できたことからジンギスカンが爆発的に普及。その後、遠野で飼育されていた羊は食べ尽くされてしまったそうです笑(それほど美味しかったのか!?)

遠野ジンギスカンの歴史については「あんべ」さんのサイトに詳しいので以下サイトをどうぞ。

北海道のジンギスカンがタレに漬け込んだ肉を焼くのに対し、焼いてからタレにつけて食べるのが遠野スタイル。野外では「ジンギスカンバケツ」を使って食べるのも遠野独自のものらしい。精肉店やスーパーでも普通に貸し出しが行われているそうです。今回スーパーを訪れる機会がなかったので(ほんとはその土地の色が出るから行きたいんだけどねー)見る機会がありませんでしたが、次訪問した際にはもっとラム食文化を間近に感じてみたいと思いました。

ちなみにこちらは去年の11月に北海道で食べたジンギスカン

さて、ここまで話してきて、まるでわたしがラム肉大好き人間みたいになっていますが、はっきりいって苦手です!!!だって、あの独特の臭みが・・・。宿のチェックイン時に夕食はジンギスカンでいいかと聞かれ一瞬迷ったのですが、折角だから食べてみることに。

なかなか立派なラム肉です

おばあちゃんに急かされるまま(やり方よくわからない)一気に焼いて焼いて焼いて・・・

こんなんでいい???

・・・パクリ!

一気に焼いた

おや・・・?そんなにラム臭も強くなくて・・・美味しい!!(タレも美味しかった)ラム肉がちょっと苦手…って方も、折角だから勇気を出して食べてみるのもアリかもしれません。せっかくならその土地の名物を食べたいものね〜。ジンギスカンにしてよかったです!!

一気にラム肉焼いた後は、その油で野菜を炒めてということだったのでせっせとお野菜を焼きます。思わず生肉が乗ってた皿に盛って食べたんだけど、途中でそのことに気づく。明日以降お腹壊して旅どころじゃなくなったらどうしよう・・・。不安になって調べてみたら、ラム肉は寄生虫がいないから大丈夫っぽい・・・??豚肉や鶏肉じゃなくてよかったよー!これからは気をつけようね。うん。

ちなみにジンギスカンの他にもお刺身や焼き魚、汁物などがありました(写真全部撮ってないのなぜ)。

遠野はホップの一大生産地

ラム肉を食べるならビール!?

と思ってしっかりと観光協会内のショップで買ってきてました(古軒さんではお酒を出さないので予約時に持ち込みを案内されます)。

どちらかというと黒いビールが好きです。あわあわな写真撮ったつもりだったけど泡消えてるね・・・

これまた知らなかったのですが、遠野はビールの原料であるホップの一大生産地だそうです。実はビールもそんなに得意ではないのですが(ごめんなさい・・・)、ショップにはいろんな種類のご当地ビールが並んでいてたのしかった!旅先なら不思議とビールも飲めちゃうんだなぁこれが。繁華街には飲み比べができるお店もあるようです。行ってみたかったー!

おや?ビールの背後に何かひらひらしたものが・・・

神棚

実は古軒さんに荷物を預けにきた時にまずまっさきに目に飛び込んできたのがこちらの印象的な神棚でした。

左は・・・お稲荷さん?次は恵比寿様?大黒様?鏡餅?鏡餅とお稲荷さん?????

こんなの初めてみるよー!!!

どんな意味があるんだろう?この紙はどこで入手してるのかな??

などと色々と聞きたいことが湧き上がったのですが、おばあちゃに尋ねようとすると耳が聞こえないから息子さんに聞いてという。ただし息子さんは裏方の作業をしててなかなか表に現れないので聞く機会を逃してしまいました・・・。あぁぁ

昼間に見た博物館にも展示されてたけど、ちょっとしか解説なかったからなぁ〜。

以下その解説です。

「遠野の神棚は家族が集まる常居(じょうい)に儲けられることが多い。お社の他に、御札や稲荷、恵比寿・大黒等様々な神仏が一緒に祀られる賑やかな神棚が遠野の特徴である。」

博物館の切り絵もまた違った柄でした

もっと知りたい!とてもそそられる遠野の神棚でした。

予定の変更を余儀なくされる

夕ご飯を食べ終わったところで、おばあちゃんに朝食の時間を聞かれます。遠慮して「7時」とわたし(ほんとは6時40分頃と言いたい)。するとおばあちゃんに「ちょっと早い」と言われて7時半になったよ・・・苦笑

うん、予定していた電車に間に合わないね!盛岡に10時過ぎに着いて朝から観光するつもりでしたが仕方がない・・・(電車の本数が少ないからそれを逃すと4時間のタイムロス)。フリーダムなおばあちゃんとのこんなやりとり含めて面白かったです。

お風呂

ご飯を食べたあとはお風呂タイム。綺麗にリフォームされてて快適でした。トイレも綺麗なので、水回りを気にする方も大丈夫かと思います。

お風呂からあがったら猫ちゃんがお出迎え

朝早く起きなくてもよくなったので部屋でのんびりしているとゆれゆれの地震が・・・!!やっぱり怖い・・・。旅先で一人だし。ドキドキします。とはいっても今朝は朝の5時起きだったこともあって、少し時間がたてばすっかり忘れすやすやと眠りに落ちるのでありました。

朝目覚めると土砂土砂土砂降りの雨・・・!!!

窓を開けると風情のある格子。の隙間から見える雨!!!!!

1階へ降りて、土砂降りの雨を眺めながら朝食をいただきます。

しっかりと雨だねぇ・・・

スマホからは緊急速報!!(宿は避難指示の地区には入っていなかったけれど)さらに街中には避難のアナウンスも流れていました。

マジか

うーん、どうしたものか。キャリーケースもあるし、このままでは街中を散策することすら難しいぞ・・・。おばあちゃんと一緒に朝食を食べながらのんびり朝ドラを見ることしかできない・・・・・。

左のテーブルでおばあちゃんも朝食タイム。猫ちゃんも一緒!

食後のコーヒーのスプーンにも肉球

もうあきらめてチェックアウトの10時までお宿でのんびりしようとのろのろと身支度を整えます。

すると雨足が弱まってきた気がする・・・!出掛けるなら今しかない。宿に荷物を預け、昨日行きそびれたあの場所へと参りましょう!!!

雨の民宿古軒

【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3、SIGMA dp3 quattro、iPhone SE2

④台風危機一髪!岩手お盆ひとり旅2023 へとつづく▼▼▼