あんなに土砂降りにだった雨がおさまってきました。このチャンス逃すべからず・・・!!
CONTENS
宿を出発
チェックアウトをすませ、宿に荷物を預けたまま出発。傘はささずにパラパラと降る雨を体に受けながら、駅とは反対側へと歩いていきます。
もう傘はいらないかと思ったら、再びドシャドシャ降り降り・・・。
そうかと思えば青空が・・・。台風の影響なのか、雨が降ったり止んだりの奇妙なお天気です。
そして、昨日訪れた場所へと再び戻ってきました。
卯子酉様(うねどりさま)
もう一度「五百羅漢」を見に行く・・・わけではもちろんありません(そんな度胸はないんだぜ・・・?)。昨日時間がなくて行きそびれた「卯子酉様」が今回の目的。熊恐ろしロードが始まる前の看板は、左を指し示しています。
すぐに赤い鳥居が目に入りました。
こんなに近くにあったのね。五百羅漢の山深さからもっと遠くにあるのかと思ってちょっとビビってました。鳥居手前にある無人の社務所には、お札や周辺MAPも置いてあります。
鳥居の方に進んでいくと、雨に濡れた美しい芙蓉が咲いていて、まずはこの子に夢中になってしまいました。
再び本降りの雨が降り出します。撮影は大変だけど植物が生き生きと美しく輝くので、わたしは雨の撮影がとても好きだったります。
芙蓉の撮影もほどほどに本命の卯子酉様の鳥居をくぐると、そこには息を呑む光景が広がっていました。連なった無数の鮮やかな赤い布が水たまりにも映り込んで無限に広がり、より一層幻想的な世界を生み出しています。
解説板には以下のように書かれていました。
「境内の小さな池は淵のあとでここの片葉の葦に恋の願いを書いた紙を結びつけておくと願いがかなう伝えられています。『遠野物語拾遺』第35話にも不思議に男女の縁が結ばれたと書かれています。」(抜粋)
淵がない現在は葦にではなく、境内の木やロープに願い事を書いた赤い布を「左手だけで結ぶ」ことができれば願い事が叶うと言われているそうです。いつからそのようなやり方に変化していったのか気になります。左手で結ぶ意味も。
すぐにでも赤い布に願い事を書きたいところですが、あまりにもこの空間が素晴らしすぎて、まずは興味の赴くまま境内を見てまわることにします。
卯子酉様の小さな祠にもロープに結ばれたたくさんの赤い布が交差しており、まるで何かの結界のようにも見えてドキドキ・・・。
側面には印象的な剣が奉納されていました(ここでの謂れはわかりませんが、剣を奉納する神社は他にもあるようです)。
胸を高鳴らせながら雨降る幻想的な赤い空間をひとりじめしていると、鳥居の方から人が近づいてくる気配が・・・。3人組の賑やかな観光客の姿がありました。
こんな街のすみっこにあるのに短い滞在時間に2組の観光客と遭遇。どうやらわたしが知らないだけで人気のパワースポットだったようです。
さっきまでの神秘的な世界は消え去り、再び戻ってくることはありませんでした。あの時の感覚はいろんなタイミングによって生み出されたものなんだろうなぁー。ほんの少しでも味わうことができてよかったです。
赤い布に願い事を書く
いよいよわたしも願い事を書いちゃうよ!新品の赤い布は祠の前に吊るされていて、100円をお賽銭に入れて自由に書くシステム。ペンも常備されていました。書く内容を真剣に考えて書き書き書き・・・。
えーっと、どこに結ぼうかな。一番ご利益ありそうなのは、やっぱり祠の真ん前・・・???左手でうまく結べるかしら・・・
む、難しいよーーーーー!!!
どうにか左手だけで結ぶことができました。きっと叶うよね!!!
雨で悩んだけれど、行ってほんとによかった!今思い返しても雨の卯子酉様での時間はまるで夢のようで、遠野で訪れた数少ない場所の中で、一番思い出深い場所になりました。雨が降らなければきっとこんなにも感動していなかったかもしれません。降りすぎなのは困るけど、雨が降ったことに感謝です(この時は本当にそう思っていたんだ・・・それがまさかあんなことになるとは・・・・・)。
さて、時間があればすぐ隣の愛宕神社にも行きたかったけど、たっぷり卯子酉様と共に過ごしてあっという間にタイムリミット。荷物をピックアップしに宿へと戻ります。
お世話になりました!!!
キリスト看板パラダイス
実は遠野、キリスト看板の宝庫でした。卯子酉様から遠野駅へと向かう道の壁という壁に、黒ベタにイエロー文字のあの看板がペタペタペタと。
このキリスト看板を作っているのは宮城県のボランティア団体らしいので(現在でも作られている)、近い県ではどこもこんなに多かったりするのかしら。あと、今まで見てきたのは結構古いものが多かったけど、こちらのキリスト看板はとっても綺麗!なんとQRコードまで貼られていました(初めて見た)。土地が違えばこんな違いもあるのね〜。新しい発見でした。
こんな楽しみ方もできる遠野。街中のキリスト看板をコンプするのも面白いかもしれません。
たぬきケーキ
そういえば・・・!!
街中にたぬきケーキを販売しているケーキ屋さんがあることを思い出します。駅に向かう途中にあるので寄ってみることに。あるといいなぁ〜。
なんと双子のたぬきケーキ。ちょっと不気味可愛いファニーなお姿がたまりません。店主のおばあちゃんもなんだか可愛かったなぁ。この方が作っているのかと思うと、たぬきケーキへの愛しさがさらに増し増しになるのでした。
遠野駅でまさかのハプニング
おさまっていた雨がまたまたひどくなってきます。急いで駅に向かいましょ!
・・・え???
な、ななななんと!大雨の影響で電車ストップしてました・・・涙涙涙
もちろん乗る予定だった電車は運休。さらに言うなら元々乗る予定にしてた早朝の電車も運休してたようです。予定通り宿を早く出発してたら、駅でボーゼンと立ち尽くしてたとこでしたねぇ・・・。駅とは正反対にある卯子酉様にも行ってなかっただろうし。朝食の時間を遅らせてくれたおばあちゃん!本当にありがとうだよ!!!
どうやら次の電車が出るのは13時頃。あわあわしながら窓口でチケットを購入する旨を伝えると、何やらその便も走るか怪しくなってきとのこと・・・(マジデスカ)。ほんとに今日乗らないといけない?なんて確認されたりもしましたがそれは最終手段です。あきらめないんだから・・・っ!!
たぬきケーキを食す
次の電車までの待ち時間は1時間半ほど。駅舎内にはわたしのために用意されたかのような(思い込み)テーブルと椅子が置かれていました。ショップではアイスコーヒーも販売されています。
わーい!たぬきケーキをゆっくり食べる時間ができたよーーー!!
たぬきケーキとアイスコーヒーで、完璧なお昼ごはん(?)の完成です。
そう、わたしは転んでもただでは起きない人間なのだ。この待ち時間を目一杯たのしみます。
豪雨の遠野脱出劇
たぬきケーキとの楽しいひとときを過ごしていたら、あっという間に電車の時間!駅には電車を待つ人々が次々に集まっていました。
「ほんとに走るの・・・?どうなの・・・・・??」
そんなざわざわとした空気が漂ってます。すると駅員さんから案内が。なんと!電車が走らないので代わりにバスが走るというではありませんか・・・!!初めての展開にワクワクです(おい)。
駅員さんに案内されて、駅の外へぞろぞろと大移動。
バスに乗り込み、いざ出発。遠野脱出劇のはじまりはじまり〜!!
わたしが目指すのは盛岡。まずは在来線のJR花巻駅へと向かいます。
まず驚いたのが車窓から見えた泥色の川・・・。
泥色の川は怖かったけれど、移動中の車窓からの風景がとても美しくて息を呑みます・・・。
ただしそんな穏やかなバス移動も最初だけ。途中からドシャドシャドシャ降りの雨ふたたび・・・!!!あまりもの激しい降りように事故らないかと不安になるほど。ちょっと命の危険を感じてしまいました・・・。怖かったのでシートベルトもしっかり締めた。
そんなわたしの不安をよそに1時間ほどで花巻駅へと到着。まずは無事遠野を脱出できたことに、ほっと胸を撫で下ろすのでした。
そのまま花巻駅のホームへ。雨で少し遅れてはいたけれど、盛岡駅行きの電車に乗り込むことに成功します。待っててね、盛岡・・・!!
最後に
そんなこんなで慌ただしく去ることになった遠野。飛行機の便を1日早めていなければ、ほぼ観光できていなかったと思うと、前乗りは英断だったなぁとしみじみ。
ただし、今回は近場の有名な観光地ばかりしか巡れなかったので、遠野の魅力をほぼ体験できていないと感じています。行くことができなかった場所の数々、街中の散策、遠野の鹿踊、泊まってみたい旅館もある。また再訪して今度はゆっくり遠野を味わってみたいです。
【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3、SIGMA dp3 quattro、iPhone SE2
⑤台風危機一髪!岩手お盆ひとり旅2023 へとつづく▼▼▼