彷徨する旅のアーカイブ

旅先や日常で出会った「非日常」の記録

⑤台風危機一髪!岩手お盆ひとり旅2023【雷鳴轟く雨の盛岡編】

豪雨の遠野を脱出し、花巻駅から電車で北上。どうなるかと思ったけれど、なんとか盛岡入りを果たすことがきました!スリル満点で楽しかった!!!(無事脱出できたから言えることである)

盛岡駅

CONTENTS

盛岡

盛岡駅に着いてみてびっくり。と、都会ですね・・・!??今まで遠野にいたので、いきなりニューヨークに来たような気分。ちなみに盛岡は、ニューヨーク・タイムズ(電子版)の「2023年に行くべき52カ所」に選ばれているそうです。行くまでまったく知らなかったよ。うちの母親(情報通)まで知っていた・・・。

まずは駅前のビジネスホテルにチェックイン。今日から3日間ここを拠点にあちこち動きまわります。味気がないけれど仕方がない。さて、荷物を置いて早速出発!と行きたいところですが盛岡の街に轟く雷鳴・・・!!!間違いなく近くに落ちているよ・・・?

雷が落ちた時の瞬間の動画のスクショ。画像に乱れが・・・

どうやら遠野から雨雲を連れてきてしまったようだ・・・。今日は午前中にちょっと観光しただけで後は移動ばかり。このままだと1日の旅のトキメキ摂取量がぜんぜん足りないよ・・・!!

覚悟を決めて豪雨と雷鳴が轟く中、盛岡の街へと飛び出します。とはいってもこの雨。思うように身動きが取れないので、当初の計画ではじゅうぶんに時間が取れなかったお土産購入に時間を充てることにしました。

雨の盛岡をゆく

駅から繁華街へは結構離れています。それでもバスを使わずに歩くのは街を散策したいから。この雨でもその気持ちは変わることはありません。

商店街っぽいとこにきた

ひどい土砂降りであたりはどんより灰色です・・・。

神社の参道。いい感じの飲食店がありました

近くの川。鳥がチュンチュン雨宿りしてて可愛かった(頑張ったけど写真撮れず)

カッコいい建物を発見!!!(鼻息ふがふが)

さらに歩いていくと、かわいらしい水色の建物が見えてきました。1891年に「盛岡消防よ組番屋」として建てられた紺屋町番屋です。現在は交流体験施設として利用されていて、カフェなども入っているようです。

かき氷の文字が〜

ただし、今回の目的地はこちらではなく、その斜め向かいにある南部せんべい屋さん。

老舗白沢せんべい店

昭和11年創業の老舗白沢せんべい店です。ちなみにもうこの時には雨で髪の毛はぐちゃぐちゃだし(癖っ毛に湿気は大敵である)、足元もびしょ濡れでひどいありさまでした・・・。

母親に南部せんべいのお土産をリクエストされたので、せっかくだから昔からあるお店で買いたいなぁと。結果、大正解でした!

なぜなら釜神様に出会えたから・・・!!!

釜神様

店に入って商品を物色しながらふとカウンター上を見上げると・・・

どどぉぉぉーーーーーん!!!

ななななんというインパクト・・・!!!!!
亀裂の入った真っ白な眼が爛々と輝き、「ふははははは」という不敵の笑い声が今にも聞こえてきそうなお顔です!!!

ビックリしてお店のスタッフに尋ねてみると次のように教えてくれました。

  • 「釜神様」と呼ばれている。裏の釜で南部せんべいを焼いている。
  • 店主も「釜神様」がどこからやってきたのか、いつからあるのかわからない。
  • 相当古いものらしい。

それ以外の詳しいことがわからないとのことでした。気になって後日調べてみると、宮城と岩手南部(旧仙台藩領)で信仰されていることがわかりました。

以下、工房釜神 【釜神の伝説】より抜粋

火を取り扱う場所としての竈を大切にし、信仰の対象とする例は古くから全国的にみられることであるが、宮城県から岩手県南部にかけての地域では、特に、土間の竈近くの柱や壁に土や木の面をまつる風習がある。これ等の面は一般にカマガミサマと呼ばれ地域によってカマオトコ・カマズンツァン・カマノカミサマ(宮城県)、カマダイコク・カマベットウ・カマメンコ(岩手県)などと称されている。宮城県では昭和60年度に所在確認調査を行い、県内で約2000面、岩手県で約400面が確認されていが、最近家の新改築によるカマドの激減や、カマ神そのものの破損・移動・消失によって、体系的な研究は困難な状況になっている。

工房釜神 【釜神の伝説】には、上記の他にも釜神様について書かれた様々な文献の内容がまとめられていてとても面白かったです。興味のある方はぜひ。(ちなみにわたしは文章量が多すぎて最初あたりしか読めてない・・・汗)

釜神さまのパキパキに割れた目は、単なる劣化なのかと思ったら、上記サイトを読むともしかしてそうでない・・・?

すごい眼力

土製の釜神様の目や口には、白い瀬戸物やアワビ貝をはめることが多いらしい。こちらの釜神さまは木製だけど、白目の部分は白い貝や陶器のカケラのようにも見えるし、黒目部分は白目部分よりもキラキラしてる(もっとちゃんと見て質問すればよかったなー)。

旧仙台藩領である岩手県南部は盛岡は含まれないので、地域的には外れるけれど創業者の出身がそちら方面なのかな?とか、何か別の縁があってここに釜神様がやってきたのかな・・・?等と色々な妄想が掻き立てられてたのしい!!

単なる失敗だけど、あやしくいい感じに撮れた釜神さま

南部せんべい

もちろん南部せんべいも買ったよ〜!!ひとつひとつ手焼きしているらしい。

色んな種類がありました

店内には昭和な家電やポスター等も貼られていて面白かったです。

盛岡市八幡宮の境内で開催されたという「世界動物大博覧会」のポスターも!いつ開催されたんだろう?

こ、これは何かな・・・?

南部せんべいを買うだけでなく、意外なところで宮城〜岩手に伝わる独自の信仰を見ることができてとても嬉しかったです。

岩手県公会堂

次なるお土産品を求めて歩いていると、とんでもなくグッとくる建物に遭遇・・・!!

装飾も素敵

あれ?なんか南部せんべい屋さんに向かう途中で見かけたカッコイイ建物に似てる・・・?って思ったら、どちらも同じ岩手県公会堂。さっき見たのは正面側で、こちらは側面側だったようです。

1927年(昭和2)年に竣工したネオゴシック建築で、内装にはなんとアール・デコの意匠もあるというではありませんか・・・!!!(大好物)見てみたかったなー。盛岡にはこんな立派で素敵な建築が残っているんですね。雨でなければぐるっと一周して鑑賞したかったなー(根性無し)。

戸塚珈琲店

次に訪れたのは、公会堂からすぐ近くのカフェ&珈琲豆屋さんの戸塚珈琲店。旅先で珈琲豆を買って帰ることを楽しみのひとつにしている今日この頃。調べてみると盛岡にはたくさん喫茶店があって迷ったのですが、通り道でもあったこちらに伺うことにしました。

お店の前で傘をとじていると中から店員さん出てきました。ななななんと!今日は休業しているという・・・!!!(毎度お馴染み店が閉まってる呪い発動)ダメ元で珈琲豆だけでも購入できないかたずねてみるとオッケーとの返事が。ありがとうございます〜!!!

運命の出会い

店内には休業中にも関わらず喫茶店を営業する夫婦と、そのご両親の老夫婦、そして一匹のお犬の姿がありました。

とっても大人しい紅葉ちゃん。可愛いかった〜!

福岡から来たことを伝えるとその場にいたみなさまが何やらびっくりしています。単に遠いからかな・・・?と不思議に思っていると、なんと老夫婦はお盆帰省中で、今は福岡に住んでいるという・・・!!しかもわたしの住んでいるとこから近くてびっくり・・・!!!思わぬ出会いに店内は大盛り上がり。記念にみなさんの家族写真を撮らせてもらいました(思い出の写真)。ほんとみなさん素敵な人たちだった!ほんの数分だったけど、とてもしあわせな時間を過ごすことができました。また盛岡を旅した際には必ず訪れようと思います。ありがとうございました!

旅から帰ってきた週末に、さっそく買ってきた珈琲豆で珈琲を淹れて南部せんべいをいただきました。しあわせのひととき

せんべいの裏に「南部煎餅」の文字が入っているのにも個人的にはグッときた

岩手県産ワイン

自分へのお土産をゲットしたあとは、さらに酒屋さんで岩手産のワインを2本ゲット!!珈琲豆と同じく、わしゃ地元のお酒も買って帰りたいんじゃ〜。ほんとはワイナリーに行きたいけど近場で行けそうなところがなかったので、岩手産のワインを置いているお店を調べてこちらに伺いました(他にも置いてるところあるかも?)。

ワインの他にも色んなお酒が置いてました

リュックにあれやこれやをパンパンに詰め込んで最後に向かったのは・・・

西洋料理専門店ユキノヤ

地元の人たちに愛される昔ながらの洋食屋さんで夕ごはんをいただきます!

かわいいフォント

店内は老若男女問わず、地元の人たちでとても賑わっていました。その中に混ぜてもらえてうれしいな〜。

注文したのはハンバーグとエビフライ。

昭和テイストがたまらない

「わたし今、肉食べてる!」

って感じのハンバーグでとても美味しかったです。

盛岡の夜を歩く

地元に愛される洋食屋さんでお腹を満たし外に出ると、雨は止み、あたりは少しずつ暗くなってきていました。お散歩しながらホテルに戻ることにします。ユキノヤ近くの通りにも古い建物がいくつかあって嬉しくなりました。

素晴らしい建物と手描き看板

大智田中地蔵尊

そして突然現れたのは真っ赤な布で顔が覆い隠された巨大なお地蔵さま・・・!!!

お顔の中はどうなってるの???

その不思議な姿に胸をわしずかみ・・・(ドキドキドキ)。なんで赤い布でお顔が覆われているの?

1694(元禄7)年に建立されたもので、盛岡市指定有形文化財に指定されているらしい。そんなに古いお地蔵さまだったとは。とても綺麗だったので比較的あたらしいものなのかと思っていました。それだけ地元の人たちに大切にされてきたということなのでしょうね。

で、赤い布で顔か隠されている理由は??解説板にも理由が書いていないよ???

地蔵

き、気になる!!!そんなわけで、後日調べてみたらどれをみてもこんな風に顔を赤い布で隠してる写真は見当たらない・・・。

も、もしかして・・・

単に風で煽られて奇跡的に美しく布がかぶさってただけ・・・!??(ずっこけた)

そりゃ解説版に書いてないはずだぁー。あのときの感動を返して・・・。でも、勘違いだったとしても、あの時みた光景はとてもとても幻想的で美しかったです。

実際のお顔をみたい方はこちらからどうぞ。

なかなか見れないレアな姿を見れたと思うことにしよう

夕暮れのお散歩を楽しみながらホテル近くまでたどり着くと、すでにあたりは真っ暗になっていました。

橋を渡るとすぐに駅近のホテル。川沿いにはお店が連なっていました

遠野から盛岡まで雨に振り回された1日でしたが、なかなか楽しい1日だったなぁ。しみじみと思い返します。

ホテルにて

ホテルに戻ってからはコインランドリー戦争の始まりです(他の宿泊客との争奪戦!)。戦いに打ち勝ち、すべての準備を終えたのは23時前。そして明日は5時起き・・・!!!(白目)早々に就寝です。

ところで、東京から遠野、盛岡までの移動中、実はずっと台風情報と睨めっこ。台風の進路に合わせて飛行機や新幹線、宿の変更やキャンセルしたり、1日早く帰る予定まで組んでいました。でもなんだか進路がずれてる・・・??最初の計画のままで大丈夫そう・・・???(日頃のおこない????)

どうやら台風の心配もなくなったことだし

いよいよ明日から旅の本番です!!!(実はメインはこれからなのよ)

【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3、SIGMA dp3 quattro、iPhone SE2

⑥台風危機一髪!岩手お盆ひとり旅2023 へとつづく▼▼▼