毎年、年末年始は実家に帰るのが恒例だったのですが、2017年の年末はトシドンに会いに行くことを決意しました。
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トシドンとは
鹿児島の甑島で大晦日の夜に行われる伝統行事で、2009年にはユネスコの無形文化遺産に指定され、さらに2018年には秋田県のナマハゲ等を含めた「来訪神:仮面・仮装の神々」として拡張登録されています。
(以下、リーフレットより抜粋)
トシドンの行事がいつ頃どのようにして行われるようになったのか、その起源についての詳細な記録はありませんが、古くから下甑の各地域で受け継がれてきました。現在、手打港、手打麓、手打本町、片野浦、瀬々野浦、青瀬に保存会があります。
トシドンは天上界にいて子供たちのことを見守りながら、大晦日になると「首切れ馬」に乗って、従者を従えて子供のいる家々を訪れ、その年の子供の素行や行儀に対し、悪戯をしないよういましめたり、さとしたりします。
見学までの流れ
2017年の8月、まず最初に薩摩川内市教育委員会にメールで問い合わせしてみました。早速返信があり、甑島のトシドン保存会に確認したところ、11月中旬に状況や対応を協議するので、11月下旬に保存会へ直接連絡して見学したい旨を伝えてくださいとのことでした。連絡先を教えていただいたので、11月下旬にドキドキしながら連絡。詳しい流れはすっかり忘れてしまったのですが、その時はまだ見学できる地区が決まっておらず。12月25日に保存会から連絡があり、31日のトシドンは麓保存会で見学することが決まりました。
いざ、甑島へ
一日目
甑島は上甑島、中甑島、下甑島の三つから構成されています。12月30日、いちき串木野市の串木野新港からまずは上甑へフェリーニューこしきに乗って向かいます。
上甑島へ到着!とてもいい天気〜。
そして、猫、猫、猫。
上甑でまずは一泊。民宿で海の幸を食します。
二日目
翌朝。雨が降っていました。
上甑島から、トシドンが行われる下甑島へと高速船で向かいます。こちらの船は、ななつ星等の水戸岡鋭治さんのデザインです。
下甑島へと到着!!
滝を見に行きました。
宿泊する宿に向かうと…
今までの人生で見た事のない大きさの蛙が…!!!
ぶらぶらと島歩き。
そしてこちらでも猫、猫、猫。
大晦日の夜
夜になり、待ち合わせの場所へと向かいます。わたし以外にも数人見学者がいて、女性ひとりの参加者や、今回見学する麓地区のトシドンの後に別の地区も見に行くというツワモノもおりました(どうやってそんな方法を!)。
まずはみんなと一緒にトシドンの歴史や、見学時の注意点等の説明を聞きます。トシドンは来訪神なので、子どもたちとのやりとりは神聖なもの。そのため明かりは豆電球、フラッシュの撮影はNGという決まりもありました。実はトシドン保存会の方たちは見学の受け入れに前向きではなく、ユネスコに登録されたこともあり仕方なく…という感じでした。本当に歓迎されていない雰囲気だったので、見学できるありがたみが増し増し。 (菓子折りもあまり喜ばれなかった笑)※別に感じが悪いとかじゃなくて、むしろ好感が持てました(何目線)。
準備万端のトシドン様たち!!!
トシドンさまの後ろについて、月明かりの夜道を歩いて民家へと向かいます。
約束通り、軒先からやりとりを覗き込みます。トシドン様の前には直立した子供が不安そうに立っていて、色々と問答が繰り広げられます。とってもたのしかったー!!小さい子供はトラウマものだろうなぁ〜。
貴重な体験ができました。見学が終わり、空を見上げると綺麗な月が。そして交尾している蛙…笑
おわりに
とても印象深い甑島での大晦日になりました。トシドンというなかなか見れない伝統行事を見ることができ、さらに年末年始に旅をするという喜び。できれば毎年こんな風に知らない土地の風習を強く感じることのできる場所へ旅をしたいです。
秋田のナマハゲも、地区によって仮面が違うので、いつか好きな仮面の地区に見学しに行きたい。硫黄島のメンドンや、悪石島のボゼも。会いに行きたいなぁ〜。
【使用カメラ】デジタル:OLYMPUS +ズームレンズ(もう手放してしまったので記憶が曖昧…)、iPhone
あ、甑島は、深海のエビ(タカエビ)を何層にも重ねた海老フライが激うまなので食べた方が良いですよ!!!トシドンの時はもちろん年末だったので営業しておりませんでした…。また食べたいなぁー。