熊本県玉名市から始まった旅の記録も今回でいよいよ最終回。求菩提山登山の様子をどうぞおたのしみください。
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中宮
獅子の口に別れを告げて、背の高い木々が連なる山道をひとり、木漏れ日を浴びながら歩いてきます。
鳥居と狛犬、中宮へと向かう石の階段が見えてきました。
階段を登り進めていくと、中宮のあるひらけた空間に着きます。
こちらで毎年3月にお田植祭があり、多くの人で賑わうそうです。宿のご主人も毎年行っていると話していました(2021年はコロナでどうだったのかなぁ…)。また開催される時期に行ってみたいです。
ここには鬼が祀られた鬼神社もあります。はるか昔、猛覚魔卜仙という人が求菩提山を開き、この山に連なる犬ヶ岳の八鬼を退治して甕に封じたそうです。
鬼の石段
その鬼神社の横を抜けると上宮(頂上)までを結ぶ850段ほどの急な石段があり、鬼が一夜で作ったという伝説から「鬼の石段」と呼ばれています。
ここに来るまではぜんぜん楽勝!って思ってたんだけど、階段登ってる途中でぜーぜーと息切れが…。写真ではなかなか伝わらないけどとんでもなく急なんだよ〜!!
狭い階段に座って休憩しつつ頂上へ向かうのでした。普段なんの運動もしてないからきつかったー!!!
上宮
ついに上宮(頂上)が見えてきた…!!
ここではお昼ご飯を食べてる人もいて、なんだかほっとする空間でした。座ると動くのが億劫になる気がしたので、休憩せず先に進むことに。
上宮の右側を進んでいくと一気に荒れた道に…!!ゴツゴツとした大きな石があちこちにあって、なんだかドキドキしたよ。
わたし、今からこの道をひとりで歩いていくの…??
一気に不安になるのであった。
上宮横から裏手にかけて、求菩提山のご神体である磐座(巨石群)があったらしいのですが、私は拝むことなく通り過ぎてしまいました…。
五窟巡り
上宮からは、山伏たちが修行するために篭ったという窟を巡る「五窟巡り」ルートから帰ります。
こんな荒くれた道をタッタッターっと軽快に走っておりてく二人組の男性に追い越され信じられなくて白目になる。(トレランしてる人たちの前世はきっと山伏に違いない…)それ以降、下山するまで誰にも会うことはありませんでした。何事もなくてよかったー!
普賢窟には、国宝の「銅板法華経」が納められていたといわれ、その岩の割れ目に耳を澄ますと聞こえる「ゴォー」という音は「梵音」と言い伝えられているとのこと。(後で知った。聞きたかった!)
五窟巡りコースを抜けて、行きと同じ道にたどり着きほっと一安心。ほんとは五窟のあとに修行者の禊場に出るルートで帰るつもりが詳細MAPなくしてルートがわからないし、YAMAPにも載ってなかったのであきらめた…。遭難はこわいもんね!
11時頃に入山して、下山したのは14時過ぎ。約3時間ほどの登山でした。わたしは写真を撮りながらだいぶゆっくりしたので、普通に登山する分には約2時間ほどのコースかと思われます。他にも過酷なルートがあるみたい。登山される方は修験道の歴史に思いを馳せながらぜひ歩いてみてほしいです。
そんなこんなで初めてのひとり登山を無事終えて、ほっと一安心するのでありました。
山里へ
さて、ゆっくりのんびり休憩したいぞー!と思っても、登山口から飲食店がある場所まで歩いてさらに40分ほどかかるというね…!!
実はお昼は登山しながらカロリーメイト食べただけ…。ふらふらでランチできる店を探すも、気づけばすでに4時前。ランチ営業時間外だし、コロナの影響で予約しないと入れない店がほとんど。せめてカフェだけでも…と、ダメ元で山帰来さんへ行ってみます。
すると!なんと!1人分だけ蕎麦が残ってるという奇跡…っ。生き返ったー!!!
帰りのバスを待つ間うろうろしてたら、すっと横に車が止まりドキドキしていると、「お疲れ様でした〜」との女性の声が。なんと求菩提資料館で井浦さんの話や登山ルートなどを色々教えてくれた方でした!「おかげさまで無事登れました〜!」とご報告。旅の最後にそのやりとりがとてもうれしくて楽しかった〜!!
最終のバスに乗り込み宇島駅へ。荷物を置かせてもらっていた宿にお別れの挨拶をし、無事帰路についたのでありました。
おわりに
2泊3日の玉名→中津→求菩提の旅は、モダン建築、城下町、修験道(登山)というそれぞれジャンルのちがう盛りだくさんの三日間で、とっても楽しかったです。ひとりだと止める人や、気を使う人もいないので無茶なスケジュールをぶっこんでしまいがち。欲張りだから、いろんなことを一度にたくさん体験したくなるんだー。お金と時間がたくさんあったら、もっとゆっくり旅できるんだろうけどね。
さぁて、次はどこへゆこうか。
【使用カメラ】film:OLYMPUS PEN FT、digital:FUJIFILM X-T3