彷徨する旅のアーカイブ

旅先や日常で出会った「非日常」の記録

⑪竹田キリシタンを巡る旅【謎の宝庫!竹田キリシタン資料館】

バスに揺られている間、もう眠たくて眠たくて眠たくて・・・。朝も昼もパン1個食べただけ。どうやら運動量に対してエネルギーが足りていなかったもよう。舟を漕いでいたらあっという間に城下町に戻ってきてました。時計をみると15時過ぎ。いよいよ竹田旅も終わりに近づいております。

コミュニティバスに乗ることが多い今日この頃

ほんとはこのまま竹田キリシタン資料館へと向かうつもりだったのですが、きっとこのままでは眠たすぎて何見ても頭に入ってこないよ・・・。まずは珈琲でも飲んでシャキッ!とさせることにします。

CONTENT

nageia coffee(ナギアコーヒー)

豊後竹田駅からも近い場所にあるnageia coffeeさん。なにやらとってもオシャンだよ・・・!竹田市出身というまだお若い店主が切り盛りしていました。数年前から同じ城下町内のお店で営業してて、今年の3月にこちらに移転オープンしたようです。

ピアノが置いてあったので尋ねてみると、なんと奥様が音楽家でちょうど明日この場所でコンサートがあるとのことでした

メインは珈琲豆の販売ですが、ちょっとしたカフェも併設。わたしは旅先で珈琲豆を買って帰るのが大好きなのだ!こちらでは浅煎り・中入り・深煎りの3種類の豆が用意されていました。パッケージもキューブ型でとっても可愛い〜。プレゼントにもよさそうです。

どれにしようかなー

浅煎りと中煎りを試飲させてもらうことに。

これまたオシャンな試飲グラスだなこのやろう

どれも美味しい!!!

いつもは浅煎りを買うことが多いのですが、今回は中煎りがとてもお好みだったのでお持ち帰り〜。

翌日早速飲んでみたらやっぱりとても美味しくてすぐなくなってしまいました。また竹田を訪れた際には必ずここで珈琲豆を買って帰ろうと思います!ちなみにネットショップでも購入できるので気になる方はぜひ。

パッケージがとっても扱いやすくて気に入ってしまった

嬉しいことに珈琲豆を購入すると、好きなドリンクを1杯無料でいただくことができます。珈琲の他にもいちごスカッシュも!(自家製シロップで季節によって変わるらしい)

メニュー

珈琲で脳内をバチーーーッと覚醒させるつもりだったけど、「自家製」という言葉に弱いわたくし・・・。いちごスカッシュの炭酸で目をシュワシュワっと覚ますことに。

いちごスカッシュ

めちゃくちゃ生き返ったーーー!!!

疲れ切っていた体が糖分でみるみるうちに元気に。シロップに漬け込んだ果肉が入っているのも嬉しかったです。

竹田キリシタン資料館

HPが全回復したところで、珈琲屋さんからもすぐ近くの竹田キリシタン資料館へと向かいます。もう帰るまで何の予定もないから閉館までたっぷり見てやるぞー!

・・・・・!?!??

大パニック・・・!!!

えーっと、えーっと、ついさっき珈琲屋さんに向かう途中に前を通った時はちゃんと開いてたよね・・・?え、なんで?なんで???

もう今日は営業しないってこと・・・!?!??

よーく見てみると、一番下に緊急連絡先が書かれています。超急ぎ!急ぎです!!焦りながらその番号にかけてみます。

電話に出た方に必死に事情を伝えると、なんと資料館を開けてくれることになりました!ありがたやーーーー!!!なんでも資料館にいた方が急用で締めることになったらしい。わざわざ他の方に出てきてもらうの申し訳ないと思いつつ、もう今夜帰らなければならなかったので本当に助かりました。

サンチャゴの鐘(銅鐘)

ほどなくして先ほど電話で対応してくださった救世主が現れます。資料館を開けてもらい中に入ると真っ先に目に飛び込んできたのが、通路の中央にドンッと鎮座するサンチャゴの鐘・・・!!!

サンチャゴの鐘

あれ?サンチャゴの鐘って、今朝「竹田市歴史文化館・由学館」で見てきたやつじゃない・・・??そう思った方はちゃんとわたしのブログを読んでくれてる人愛してるーーー!!!

そう、こちらにあるのはレプリカ。そもそもサンチャゴの鐘とは何なのか。まずはそこからだ・・・!

サンチャゴの鐘の謎

サンチャゴの鐘の表面には「十字架」と「HOSPTAL SANTIAGO」、製造年である「1612」の文字が浮き彫りにされています。長崎にあったイエスズ会の「サンチャゴ病院附属教会」のものと考えられていて、「銅鐘」の名で国の重要文化財にも指定。

江戸時代に日本で作られたとされる貴重なキリシタンベル

1612年といえば、江戸幕府による「禁教令」が始まった年。キリシタンへの弾圧が強まる中、長崎にあったたくさんの教会は次々に壊され、サンチャゴ病院も1620(元和9)年に失われました。

その後、サンチャゴの鐘はどういう経緯をたどってか、1871(明治4)年に岡城を取り壊す際、不浄蔵(禁教下でキリシタンから押収したキリシタン遺物を収納した土蔵)で発見されたといいます。諸説あるものの誰がどのように保管してきたのか、手がかりとなる記録は一切残されていないそうです・・・。

そもそも禁教下にわざわざ長崎から大分へ重い鐘をなぜ運んだのか?押収して収蔵するだけなら長崎に置いておくこともできただろうし、溶かして別のものに作り変えることもできたはず(実際に長崎ではキリシタンベルをお寺の鐘に作り替えられた例もあるそうです)。

謎!謎すぎるーーー!!!

この鐘に一体どんなドラマが隠されているのか・・・。答えの出ない数々の妄想が脳内でエンドレスに繰り広げられます。

複製の製作

レプリカは2012年に竹田市によって製作。レプリカとはいえ、成分や重さは本物とまったく同じ。その音色も再現されており、実際に鳴らすこともできます。たのしい!!!

相変わらず・・・気合いの入っていない動画の撮り方だけど、その音色を聞いてみて・・・。


www.youtube.com

実はこの動画は2回目の鐘の音。最初に鳴らした時にものっすごい大きな音がしてめちゃビビったので、ちょい控えめになってしまいました。

教会の鐘は祈りを捧げる時刻の合図として鳴らされるため、街中に響き渡るほどの大きな音がしないと意味がないのです。禁教になる前の長崎では、あちこちでこのような鐘の音が鳴り響いていたんだろうなぁ。

聖ヤコブ石像

「聖ヤコブ石像」(個人蔵)のレプリカも展示されています。なんとこの谷の真上にあるのが岡城の西の丸。この聖ヤコブ像はそこから落とされたと推測されています。

かわいいおじちゃん

所有者が少年だった昭和36年当時、キャッチボール中に逸れたボールを探しに行くと、自宅裏の谷にひっかかっている頭部を発見。親の代から御神体として「聖ヤコブ石像」を長年大事に管理してきたそうです(そういう話大好き)。

「聖ヤコブ」はキリストの十二使徒の中の一人で、スペイン語、ポルトガル語で「サンティアゴ」または「サンチャゴ」とも発音されます。その名から「サンチャゴの鐘」と共に長崎から持ち込まれたものではないかとも言われています。

その隣には「INRI石碑」のレプリカもありました。

キリがないのであとは自分で調べてくれぇーーーい!!

山の神

そしてさらにそのお隣には・・・山の神・・・!!!!!

この方たちに会いにきたのですよーーーー!!!

鳥の姿をした左の男神は三つ目、右の女神は一つ目。まるで妖怪のような異形の姿をした2体の石像。日本八大布教地であったかつて「朽網」と呼ばれた現竹田市直入町に残る山の神です。

キリシタンへの思いが強まったのは今年の初めではありますが、行き先を竹田にしたのは数年前にこの「山の神」の存在を知ったからでした。

「なぜキリシタン資料館に山の神の像が?」とは、1話目からずっと今回の旅行記を読んできた方ならもう思わないことでしょう。

女神、男神共に、胸の前で両腕をXに交差しています。X型は「聖アンデレ十字」と言われ、あの誰もが一度は見たことがあるであろうザビエルの肖像画も手をXに交差して描かれています。

『聖フランシスコ・ザビエル像』神戸市立博物館所蔵(Wikipediaより)

隠れキリシタンが「X」を十字に見立てて信仰した話が多く、目の「○」はマリアを意味するとも言われることから、この山の神を隠れキリシタンの信仰に使ったのではないかと伝えられています。直入にはこの他にも同じ形をした山の神が数体残っているのですって!見てみたいーーー!!

でも・・・でも・・・この山の神像もレプリカ・・・。うぅ、てっきりオリジナルが展示されていると思ってたよーーー!楽しみしていたのでちょっと残念でした。

驚異と怪異

ところで、旅から帰ってきてから約1ヶ月後、福岡市博物館で行われていた「驚異と怪異」展を見に行ってきました。(2023年3月11日〜5月14日まで開催)

youtu.be

今まであちこち巡回している展示ですが、福岡では九州限定の展示もあってめっっっちゃくちゃ面白かった!その展示の中には竹田の「山の神」の姿も・・・!!

女神のみ

解説にはやはり「キリシタン」の「キ」の字も書かれていませんでした

キャプションを見てみると・・・

え?これも複製・・・???

竹田で会ったあの子と感動の再会・・・!?と思いきや、わたしが竹田に行った時にはすでに会期が始まっていたし、大分県立歴史格物館蔵となっている。うーん、いったい何体レプリカが存在しているのか。気になります。

まぁ、レプリカだとしても精巧につくるには技術がいるし、わざと古く見せるように加工されたりもして面白いんだよね。レプリカや修復も奥が深い世界で興味津々です。

レプリカ勢揃いの図(竹田キリシタン資料館)

展示の仕方で複製でもオリジナルに見えたりする(福岡市博物館)

いつかオリジナルを拝める日がくることを願います!

宣教師の衣服

自分の中で目玉だった山の神や聖ヤコブ像はレプリカでしたが、実は展示されているもの中でも一番胸がキュン!としたのは宣教師の煌びやかな衣服でした。おそらく相当古いと思われる。身分の高い人に会う時の晴れ着的な衣装で、金糸がふんだんに使われていてなんて美しいの?着物の生地のようにも見えました。

イエズス会福岡修道院 泉類治(ルイス・フォンテス)神父より寄贈されたものとのこと

羊や心臓のたっぷりとした刺繍もとっても見事で大大大興奮・・・!!!

羊はキリスト

心臓もたまらんぞーーーーー

もっとこの衣装について聞けばよかったな。やっぱりその場でパッと言葉が思いつかなくて、後で色々聞きたいことが浮かんでしまうのであった・・・。

キリシタン遺物

この他にもたくさんキリシタン遺物が展示されているのですが、ひとつひとつ説明すると膨大な量になってしまうよ!そんなわけで、ぜひ実際に竹田を訪れ資料館に見にきてください。

ミステリアス!竹田キリシタン

資料館を開けてくださった方と話していると、なんと!今回の旅で大いに参考にさせていただいた『ミステリアス!竹田キリシタン』(発行:竹田市)を著したご本人様であることが発覚!!!

さて、2冊あるのはなぜでしょう・・・?

待たせてしまったお詫び(そんな必要全然ないのに!)として、なんともう一冊いただいちゃったよ!!実はその時、持ってると言えなかったわたし・・・。言ったらもらえないかもと思って・・・なんて醜い心なのだ・・・・。

新品で購入できるところが見つからず、中古で購入したから綺麗なものがほしかったのだよーーー。帰ってきてから気づいたんだけど、紙の厚さも表紙の一部デザインも違っていて、わたしが持っていたものよりさらに1テーマ分ページが増えていました。もらってよかったー!!!

新品を購入できるのかはまたもや突然すぎて聞き忘れたので、欲しい方は問い合わせてみるのもアリかと思います。

最後に

ほんとは初日にこの場所に訪れて、色々と情報を得てからあちこち巡るつもりでした。でも、宿のご夫婦からキリシタンにまつわる情報を聞いた瞬間、心のままに予定を変更!そのおかげで雨に濡れた三日月岩も見れたし、スリル満点なキリシタン墓のある遊歩道を歩くことができたので後悔はありません。

そんなこんなでもうそろそろ閉館時間。この後は宿に荷物を取りに行って帰る予定でいたのですが、なんとすぐ近くにキリシタン関係の場所があるというではありませんか!最後の最後にそこを訪れ、旅を〆ることといたしましょう・・・。

■参考書籍・サイト

『ミステリアス!竹田キリシタン』(発行:竹田市)

MISTERIO|TAKETA キリシタン 謎 PROJECT

サンチャゴの鐘 - Wikipedia

ナガジン!|特集:発見!長崎の歩き方 「宗教を越えて鳴り響く“長崎の鐘”」

広報竹田

【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3、SIGMA dp3 quattro、iPhone SE2

⑫竹田キリシタンを巡る旅【最終回】へとつづく▶︎▶︎▶︎