昨日は箱根で土砂降られたりもしたけれど、比較的お天気に恵まれていました。最後の最後に梅雨の野郎に捕まってしまうとは・・・(そーなんです、もう11月も終わりだというのにこれは今年の7月の旅なんです・・・)。バスでゆらゆら鎌倉観光に向かいましょう。
CONTENS
杉本寺
降ったり止んだりの雨の中、バスに揺られてまず最初に向かったのは杉本寺。
長い階段を登ると迫力満点の仁王像が待ち構えていました。
仁王さまズの先には苔むした階段が続いていて、ここを登り切ると正面に本堂があるのですが立入禁止。きっと危ないからでしょう。
ガタガタしてるし雨だと苔でつるっと滑って転げ落ちてしまいそう。でもでもとっても魅力的で登りたくてウズウズ!昔から残ってる階段なんだろうなぁー。仕方ないのでぐるーっとまわり道して本堂へ。
本堂内は撮影禁止で写真はありませんが、天井の護摩焚きで煤けた無数の千社札が迫力があってドキドキしました。
絵心経(えしんぎょう)
本堂ではとっても面白い「絵心経」という絵で描かれた般若心経を購入。お寺めぐりをする方には結構知られているものなのかしら?わたしは今回の旅で初めて知りました。
江戸時代に文盲の人のために作られたもので、今では放送禁止用語の「盲(めくら)心経」とも呼ばれています。この絵心経には「田山版」と「盛岡版」の2種類あり(厳密には他にもあるらしい)、元禄年間の田山村(現在の岩手県八幡平市)で、庄屋の書き役を務めていた善八によって描かれた前者の「田山版」が起源で、その後盛岡に広がっていったとされています。
初めて全国に紹介されたのは、江戸時代後期の医者である橘南渓によって書かれた『東遊記』。おそらく田山版と思われます。
わたしが入手したものと比べて見るとシンプルで素朴な印象。どうやらわたしのは盛岡版で、より遊び心がプラスされてデザイン的にも完成されている!現在は田山版は途絶えて盛岡版しか伝わっていないそうなのですが、それはやっぱり盛岡版の方がより楽しくて人気だったからなんだろうなぁーと思います。
さて、我が家は浄土真宗なのですが、どうやら般若心境は唱えないらしい。「なむあみだぶつ〜」しか知らないもの。んなわけで、般若心経(正式名称は「摩訶般若波羅蜜多心経」)は馴染みがなくてちっともわかりません。
ちなみに一番最初に書かれている 「摩訶般若波羅蜜多心経」の絵心経は次の通り。 令和の時代に合わせて作ったらまったく違うものができるんだろうなぁー。
他にもいろんな絵柄があるので、盛岡版から気になる絵柄をピックアップ。まずは猿。読み方は鳴き声の「ぎゃ」。絵柄も読み方も可愛くて最高!!!
しかもぜんぶ顔が全部違う〜!!!
日本にも江戸時代以前(16世紀)にはすでに活版印刷は伝わっていましたが浸透しておらず、版画や写しが一般的。同じ読み方でも全部微妙に絵柄が違うのだ!嗚呼、なんて味わい深い・・・。
その他にもこんな可愛らしいものがイロイロイロ。
絵心経(盲心経)の他にも盲暦などといったものもあるらしく奥が深い・・・。いつか実物を見てみたいものです。
報国寺
お次に向かったのは 「竹の寺」として有名な報国寺。入園料を払って竹の庭へと参ります。
遠目に洞窟が見えてドキドキ(近くには行けない)。昔の修行場なのだろうか?と思ったら、「やぐら」と呼ばれるお墓なのだそう。足利一族が眠っているそうです。
最初に訪れたお寺さんではまだ時間も早かったためか人も少なかったのですが、報国寺ではたくさんの外国人観光客で賑わっていました。
バスに乗って再び街中へと戻ります。降りるバス停を間違えて脳がフリーズ・・・。すべてのやる気を失わせる雨、雨、雨・・・。鎌倉といえば鶴岡八幡宮。大河ドラマの鎌倉殿はわたしも楽しんで見てました!が、その鶴岡八幡宮に行く気すら失われるのであった・・・。
とりあえずお土産を買いにうろうろ。
江ノ電に乗って・・・
無事お土産も購入し、今度は江ノ電に乗って移動します。晴れてたら江ノ島にも行ってみたかったなぁー。
長谷駅に降り立って鎌倉散策開始。
浮(ブイ)
事前情報で今日はお休みということはわかっていたんだけど、奇跡が起きないかなぁと真っ先に向かってみるも、やっぱりお休みでした。
船モチーフ。きっと好きな喫茶店だ。
いつか、いつか。
シラス丼を食す
あちこちで幟や張り紙で見かけて知ったのだけど、鎌倉はシラスが有名なのね?そうなのね??思考停止モードだったのでとりあえずもうどこでもいいから近くのお店へ。生シラスならどこも同じじゃろいと。外国人観光客に混じってどんぶりかっこむ。
ふつう・・・でした ・・・・・。
鎌倉大仏を見に行こう!
鎌倉といえば、鎌倉大仏ですか???
実物拝みにいくかぁーっと向かうも・・・
人ごみ!無理!!団体客にくらくらして中に入らずUターン・・・。
インバンド!インバウンド鎌倉ぁーーー!!!
を感じた鎌倉旅でした(まだ終わってない)。観光地が無理な体になってしまったかも・・・。ぐったり。
ていうか、鎌倉大仏もう見たし(飴で)。可愛い可愛い可愛いーーーー!!!!!
鎌倉建築めぐり
王道の観光地巡りはやめにして、建築巡りへと繰り出します。
柴崎牛乳本店
明治22年創業の柴崎牛乳本店。当時は牧場も経営して製造販売もしていたようですが、現在は明治牛乳の販売代理店をしているようです。建物自体は昭和12年に建て替えられたもの。アールデコな意匠の門構えがとっても可愛らしい!
意を決して中に入ってみるも買えないと言われたので、宅配や卸ししかしてないのかなぁ・・・?
旧加賀谷邸
牛乳屋さんからも近い旧加賀谷邸へ。お休みということはわかってたんだけど、やっぱり休みでしたね!この日は平日の月曜日。他にも色々と見学したい洋館はあったのですが、ことごとくお休みです・・・。
旧諸戸邸
そして!わたしの性癖にギュンギュン刺さりまくったのがこちらの建物!!!
ペパーミントの色合い、バルコニーの手すりの装飾・・・好きすぎる。このお家に住みたい!!広大な敷地にドドーンと建っている建物よりも、このくらいの規模のこじんまりとした洋館が大好きなのです。でも悲しいかなボロボロ・・・。素晴らしい建物なのにもったいない。
建築様式については以下ページに詳しかったです。
内部もまた大変クラシックな意匠をとどめており、階段の親柱や手すり子、 天井コーニスの刳形や垂れ飾り、天井の中心飾りやコーニスの漆喰装飾、 各室で文様を変えるフローリングなどがそうであり、これらもまた明治でしかありえない造形である。(上記の鎌倉市HPより抜粋)
あぁ!中も見てみたいよーーーー。ぜひ修復して公開してほしいです。
旅館 對僊閣(たいせんかく)
こちらは泊まりたかった旅館。明治末期創業の對僊閣。現在の建物は昭和初期に建てられたもののようです。コロナを機に休業してたそうですが、今はどうなのかしら・・・。今回はホテルニューカマクラに泊まったので電話しなかったのですが、次回鎌倉近辺を旅する時はぜひ泊まってみたいです。
長谷寺
旅館からすぐ近くの長谷寺へ。ここも人がいっぱい!外国人観光客いっぱい!!(ぴえぇぇーーーーん)本堂の金ピカ大仏さまを拝んですぐに出ました・・・。
かきがら稲荷大明神〜かきがら絵馬
広大な敷地内の一角にあるかきがら(牡蠣殻)の絵馬がめずらしかった。 なんで牡蠣殻・・・?と思ったら、ご本尊の長谷観音は、海を漂泊していた時に体に付着した「かきがら」のお導きでこの地に降臨したと伝えられているそうです。
お狐さんのお顔がとても可愛くて好き!こっち方面特有なの?たまたまなのか、今回の旅ではわたし好みのお狐さまにたくさん出会えて幸せでした。
弁天窟
同じく長谷寺の敷地内にある弁天窟へ。江戸時代から「出世弁財天」の名で世に知られていたそうです。洞窟を利用したお寺さん大好き。
廃棄米で作られたというミニ弁天さまが!
こちらの弁天さまは金運と仕事運にご利益があるそうですが、わたしは技芸上達にあやかりたいなぁ〜。宜しくお願いいたします!
そろそろアイスコーヒーが飲みたいね!ほっとひといきつくためにカフェへ。メロンのかき氷とアイスコーヒー飲んで鎌倉フィニッシュ。
そして、再びどしゃ降り・・・。ホームから見えるホテルニューカマクラに別れを告げるのでありました。
おわりに
今年は「人との縁を大事にしよう」。そんな思いを頭の隅に置いて行動していましたが、すでに11月も終わろうとしています。思い返せば、例年よりも初めましての人と交流できた1年になったのではないかなぁ。まだブログに書いていない旅ストックを今年中に放出できぬまま2025年を迎えてしまいそうですね・・・。ひとまず7月の旅を書き終えることができて良かったです(次は伊豆方面をみっちり攻めてみたいな)。このような遅筆ブログを最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!
さて、今年も残すところ約1ヶ月。今はちょっと色々とお休み中なのですが、年末年始は東北を旅する予定。ひとまずそれを楽しみに今はのんびり過ごそうと思います。
(完)
参考文献・サイト
絵心経・般若絵心経-絵で読む般若心経-盛岡系舞田屋版絵文字・判じ絵の解読【みんなの知識 ちょっと便利帳】
岩手県で300年も愛用されてきた「南部めくらもの」 - その1