旅の執着地点は鎌倉。
本日宿泊するお宿へ・・・。
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ホテルニューカマクラ
駅からとことこ歩いて数分・・・(なのに方向音痴だから迷ってしまったよね!!!)
Hotel New Kamakuraでございます!
今回宿泊するのはもちろん戦前に「山縣(やまがた)ホテル」として営業していたという大正13(1924)年に建てられた本館。
駐車場にある小さな小屋?で受付を済ませ、本館へと案内していただきます。まだ若そうな青年でしたがとっても親切でした。電話で予約する時に対応してくれたおばさまも親しみやすくてとっても感じがよかった。そんなスタッフたちが働くホテルはとても柔らかくて居心地のいい空気が流れていました。
大正時代に「山縣ホテル」として営業を開始する以前、この敷地内には料亭・貸別荘の「平野屋」がありました。避暑に訪れた芥川龍之介と歌人の岡本かの子の出会いの場所としても知られています。
平野屋は大正12(1923)年の関東大震災で倒壊。その翌年に誕生したのが鎌倉初の洋風ホテル「山縣ホテル」でした。現オーナー一族が買い取ったのが昭和の初めで、戦後は米軍に接収されたり、松竹映画関係者の宿、社員寮、カフェとして営業した時期もあったそうな。
本館1階「松の間」
様々な変遷を辿り現在に至るホテルニューカマクラ。1階には、よりクラシックな雰囲気を感じられて人気という部屋「御成」や、寄木細工風の床が美しい共用スペースの「松の間」等があります。
当時の雰囲気を保ちつつ改修している印象。本館には部屋にトイレや浴室がなくて共用なので、それはちょっと・・・という方は新築の別館に泊まることをおすすめします。別館も侮るなかれ。戦前の大地震で倒壊した平野屋の茶室にあったという唐傘が照明に使用されているそうです。気になる〜! お値段はクラシックなしつらえとは対照的に、比較的お手頃価格。部屋等によって価格帯が違っているので、公式サイトでご確認を。
本館2階
では早速わたしが泊まるお部屋のある2階へと向かいましょう。
ちなみに宿泊客のチェックイン前なら他のお部屋も見学することができます。そんなゆるさもありがたや〜(1階の御成はすでに宿泊者がいて見学できなかったのが残念!この日はたまたまなのか、宿泊客は私の他は外国の方ばかりでした)。
そしてこちらがわたしのお部屋。2階角部屋の「雪の下」です。部屋のプレートを照らす照明も素敵〜。
鎌倉の夜
さぁて、真っ暗になる前に鎌倉の街へと繰り出しましょう。どうしても行きたい場所が1箇所あったので、そこを目指しててくてく歩きます。
夕闇の中で見る六地蔵にドキドキしたり・・・
THE BANK
威風堂々としたTHE BANKへ・・・!!!その名の通り、元々は1927(昭和2)年に鎌倉銀行・由比ガ浜出張所として建てられた建物で、現在はバーとして営業しています。
堅牢な灰色の外観と、窓からこぼれおちる橙色の暖かな光。その灯りに誘われるように中へ・・・。
1階・Bar
暗い!とても暗い・・・!!!けどまたそれがいい・・・。
なんてムード溢れる大人の空間なのでしょう。心は万年ヒヨッコのわたしは内心ぷるぷる・・・。
パッションフルーツを使ったお酒と燻製チーズのおつまみ。お通しのドライフルーツ、ナッツも美味しかった!!カウンターではお店のスタッフが常連さんとお話しして、ほっといてくれるのが私にはよかったかも?ゆっくりこの空間を味わうことができました。
2階・THE BLANK(イベントスペース)
普段は公開されていないというイベントスペースの2階を見てみたくて、購入するつもりもないのに(ひどい)器展のやっている2階へ・・・。失礼ながら初めて知った吉田直嗣さんの器。パッションフルーツのお酒にも吉田さんの作品が使用されていました。
目の前に広がる白と黒の世界。買うつもりなかったんだけど・・・お店の人がとても感じが良くて、ひとつ気になったカップがあったので購入してしまいました。旅マジック!「初めての吉田さんですか?」と言われたのが面白かったです。
吉田さんは白磁のお師匠さんのもとで修行していて、ほとんどの人は白磁の道へ進むらしいのだけれど、吉田さんは独自の作品を作っているのだって。黒は鉄釉とのこと。たぶん、白磁だけだったら私は惹かれていなかった。鉄釉、好き。
いただいた冊子の吉田さんのエッセイも良かった。ネットで見つけたインタビューも面白かったので載せておきます。
苦しいものからは逃げてもいい。明確に感じる嫌なことや違和感を“選ばない”ことで、自分だけの「好き」の輪郭がはっきりする。それはうつわのかたちにも、わたしたちの生き方にも当てはまる。(上記の記事より抜粋)
心に正直になるべく余計なものを削ぎ落として、シンプルに「好き」を極めていきたいものですね・・・。
ちなみに購入したカップはコーヒーやワインを飲むのにめちゃくた愛用しています。縁が欠けやすいから気をつけるように言われてたのに、愛用しすぎてうっかり欠けちゃったので、金継ぎで直したいな・・・。金継ぎ映えると思う。
さて、2階の写真も撮らせてもらったんだけど、商品はネットにアップするのはNGだったので、雰囲気のある柱時計だけ載せておきます。
外に出る頃にはすっかり暗くなり、THE BANKのうしろには月が昇っていました。
再びホテルニューカマクラへ
夜はライトアップされていて雰囲気マシマシ・・・!
夜ごはんはTHE BANKのおつまみだけ・・・じゃもちろん我慢できない!箱根のピコットで買ってきた潰れたパン・・・いただきます・・・・・。(潰れても!惜しかったよ!!)
翌朝、窓を開けると雨が降っていました。
旅の最終日。どしゃ降りの鎌倉観光へ出かけましょう。
参考文献・サイト
大正ロマンの香り漂う老舗、「ホテルニューカマクラ」ってどんなところ? - [はまれぽ.com] 横浜 川崎 湘南 神奈川県の地域情報サイト
「鎌倉にこんな穴場が!」大正ロマン感がすごい、4,000円台~のホテルは女子一人旅にぴったり
旧鎌倉銀行ビルに復活、伝説のバー THE BANK(前編) | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]
地元の住人が受け継ぐバー、憧れの「ころあい」 THE BANK(後編) | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]
⑨初夏の神奈川・静岡ひとり旅2024(完結)へつづく▼▼▼