彷徨する旅のアーカイブ

旅先や日常で出会った「非日常」の記録

秋田青森ひとり旅2022【秋田・増田観光編】②

湯沢市横堀駅から電車に乗って5駅、横手市の十文字駅へ。

なにやら重厚な雰囲気の待合室

「釣りキチ三平」の作者の出身地だそうです

まずは駅から歩いて数分のところにある本日のお宿で荷物を預かってもらいます。これで身軽に動けるよ〜!!

自転車をレンタルして再び出発!!!

宿で貸し出している1日500円のレンタサイクル。ありがたや

移動してる途中出会ったお髭をたくわえたジェントルマン・キャット(film)

普通の民家の上になぜかヴィーナス(film)

CONTENTS

増田町観光

20分ほど自転車を走らせ到着したのは、商人の街として栄え、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている増田町。

増田町の街並み

増田町の建物の特徴は、間口が狭く奥へと長いうなぎの寝床的構造であること。あとは「内蔵」の存在です。

内蔵とは

横手市のサイトより抜粋。

主屋の背後に土蔵を建て、これを鞘(サヤ)となる上屋建物で覆い、主屋に接続させています。この土蔵は、増田においては「内蔵(ウチグラ)」と呼ばれ、外からはその存在すらも知りうることができない建物であり、雪国独特の特徴を持っています。

荷物を収蔵する空間としてだけではなく、家族の居室や、冠婚葬祭に利用された例もあり、とてもプライベートな空間として使用されているようです。現在ではその多くの建物が内蔵を公開していて見学することができます(要予約な建物もアリ)。

公開家屋一覧

旧村田薬舗

時間が限られているため、前もって目星をつけていた建物を見学。・・・するつもりが、ついふらふらと足を踏み入れてしまったのは旧村田薬舗。平成15年まで営業していた増田最古の薬舗です。

昔の医療系が大好物なことはもちろんわたしのファンなら知ってるよね!(そんなもんいねぇ)

月光仮面や、のらくろもいました

ラヂウムの文字にきゅん!(film)

古い食器類なども売られています(荷物になるのにまんまと買った)

昔使用されていた調剤室も見ることができます。

薬品のラベルには阿片やコカインの文字!きゅんきゅん!!

奥へと続く「内蔵」へは、数百円ほどの入館料が必要。せっかくなので見学することにしました。

蛇腹の扉

まずは薬を保管する倉庫として使用されていたという2階へ。

古いガラス窓と秤

蝶々の形をした取手と毒物の組み合わせたまらぬ
レトロな薬のパッケージデザイン。かわゆす!

下へと降りて、奥へと奥へと進んでいきます。お店の方が丁寧に建物や展示物について解説してくれました。

象のタオルやお猿の鏡の昭和っぷりがツボ

旧石田理吉家

お次は一番のお目当ての旧石田理吉家へ。

この外観からしてもう最高〜!!!ご飯何杯でもいけちゃうよっ

木造3階建ての建物にときめかない人間っているの?

主屋は昭和12年に建てられていて、この地域ではとても珍しい木造3回建。この頃石田家では金星(かねぼし)の銘柄で知られる石理酒造が営まれていたとのこと。奥には明治14年に建てられた2階建ての内蔵が続いています。

建物の解説はこちらを読んでね!とぶんなげる

往時の旧石理家の嫁入りの様子ですって!建物に「金星」の文字が(解説より拝借)

こちらの石田理吉家の建物が大大大好きすぎた!

長時間滞在しすぎて増田観光はここで終わってしまったよ・・・笑。スタッフのおじいさんが詳しく説明してくれてたのもよかった!フィーリングが合ったのかとてもたのしかったです笑

主屋・1階

では、まずは主屋を見ていきましょう。

美しい細工の数々にうっとり・・・

黒柿(クロガキ)もあちこちで使用されていました。柿の木には黒色の縞模様や濃淡があることが稀にあって、そうした材を黒柿と言って、古来から珍重されているんだって。

黒柿はじめて知りました
主屋・2階

2階が一番好きだった!!!

階段の手すりデザインはもちろんチェック

2間続きになっていて、1部屋は和室。こちらにも黒柿が使われていました。

木材の曲線大好き

もう1部屋は洋室。調度品はどこかアラビアンナイト的でエキゾチック!

なんて素敵な洋室なのだ

なんと襖の持ち手の位置も、洋室と和室で違っているのです!洋室の方が上の位置で、和室は座って開けるからもっと低い。

廊下の手すりも和洋でデザインが変わっているという徹底ぶり!作り手のこだわりがすごい〜!!!

真ん中を境に使用している材料がかわってる

なんとあのレオナール・フジタ(藤田嗣治)も滞在したこともあるとのことでした。

廊下の一角にあった洗面所も素敵
主屋・3階

3階は和室の大広間。外から気持ちのいい光がさしていました。4本の主柱は、1階から3階まで継ぎのない一本の木が使われているとのこと。すごーい!!!

増田町では100年近く前から商人たちが商売繁盛と健康を願い、9月のお祭の日に花火を奉納したらしく、こちらのお宅では表側の窓からは花火を、反対の窓からは中秋の名月を見ていたそうです。なんて雅なの・・・?素敵すぎてくらくらしてしちゃう・・・・・

こちらからは花火

こちらからは中秋の名月

きっとお酒を飲みながら、同時に花火と中秋の名月を愉しんでたんだろうなぁー。最高に贅沢な時間。お呼ばれしたい人生だった・・・。

3階から見た庭園
内蔵

主屋だけでも胸いっぱいなのに、内蔵もとても見応えがあっておもしろかった!

主屋から見た内蔵

扉の蛇腹の数で時代がわかるらしい

内蔵から主屋側をのぞむ

こちらのマトリョーシカ的コケシも、もともとこちらの家にあったもの。

かわいい!&モダンでオシャレ!

壁に等間隔で並べられた木材。建物を支えるためではなく、装飾として木をふんだんに使用しているんだよ・・・?(富豪か!富豪なのか!!)

木材によるストライプ模様の壁面

2階へと登っていきます。

入口を閉めることができる構造

泥棒防止?と思ったら鼠防止とのことでした。

なんとカモシカちゃんも・・・!!!

破魔矢につけられてる草鞋は棟梁のもので、建物が完成した証拠で「もう自分が来る必要はない」という意味(諸説あり。棟上げ式の時に降りてきた神様が帰っていかず守ってもらえるよう草履を切ったとの説も)。矢の方向は鬼門とのことでした。おもしろーい!!

他にもたくさん見どころがありました。

おトイレも素敵!

もう大大大満足!!!

他にも見学したい建物があったのに、時間がぜんぜん足りず・・・涙。街の散策もちっともできなかったよー。

時間は16時半。いつのまにき陽も少しずつ傾き始めていました。

光がどことなく飴色

増田町への未練を断ち切り、次なる目的地を目指して出発!!

そう、いよいよここからが本日のメインイベントですっ!!!

釣りキチ三瓶のマンホール

【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3、SIGMA dp3 quattro、iPhone SE2 film:KONICA AUTOREX

秋田青森ひとり旅2022③につづく▶︎▶︎▶︎