彷徨する旅のアーカイブ

旅先や日常で出会った「非日常」の記録

秋田青森ひとり旅2022【秋田・湯沢の人形道祖神(後編)】③

完全に陽が暮れる前に訪れたい場所がありました。

山桜がちらほらと

長い長い砂利道をGoogleマップに案内されて、とんでもなく体力を消耗。ママチャリで走る砂利道ってこんなにツラいのね・・・。

気合いだー!!!

目的地まであともう一息!というところで、道に迷ってぜんぜん辿り着けなーーーい!!

このままでは日が暮れてしまうよーーー!!!

と、焦っていたら地元のおばちゃん発見。道を教えてもらって自転車ダッシュ!したにも関わらずまた道を間違いそうになって「違うわよー!そこを曲がるのよーーー」と、遠くからさっきのおばちゃんが教えてくれました笑。ありがとうやでぇ〜

ついに案内板を発見!

CONTETNS

湯沢市岩崎のカシマサマ

末広町のカシマサマ

やっとのことで目的地の千年公園へ到着!

こちらには人形道祖神界のスーパースターがいらっしゃるのです!!!

自転車を停め、期待に胸をふくらませながら敷地内にある八幡神社へと向かいます。

尻尾のぐるぐるがかわいい狛犬ちゃん

まずは神社にお参りです。

拝殿には躍動感のある波と日の丸の扇子の彫刻が〜!

拝殿横の道をさらに進んでいくと、木々の間から鳥居と拝殿が見えてきました。

水神社と書かれていました

ここであってるのかしら・・・?ちょっぴり不安に思いながら、さらに拝殿横の道を進んでいくと・・・

お!

おぉ!!

抜群の存・在・感!!!

ワンダフル〜〜〜!!!!!

なんという力強いお姿。カシマサマを見上げると、背後にはどっしりとした木が天に向かって伸びています。木々がそよぐ音、小鳥の囀り、夕陽でますます黄金色に輝くカシマサマ・・・。なんという穏やかで美しい空間。

光と影のカシマサマ

夕陽とカシマサマを撮りたいなぁとぼんやり思いながら訪れたのだけど、まさかこんなにドンピシャな光景と出会えるとは・・・。とても美人に撮れた気がするよ・・・!!!(実はこちらは女神のカシマサマ)

解説板

末広町のカシマサマは明治時代にこの場所に移設され、現在でも末広町の人々によって祀られています。毎年4月に衣替えが行われ、今年は4月17日に作り替えられたばかり。(解説板では年に2回となっているけど1回になったらしい)ピッチピチの麗しいお姿なのでございます!!!

ふさふさの藁に隠れたお顔を覗いてみると・・・

ほ、ほんとに女神さまなの・・・?

厳しいお顔をした木彫りの仮面がとりつけられていて、悪いものをパーン!!!と一瞬で跳ね除けてくれそうな迫力です。

そしてなんと!カシマサマは昭和61年にアメリカのワシントンでも製作、保存されているらしい!まさか海を渡っているとは〜!!!

「岩崎郷土伝承かるた」というのがあるのね

“アメリカで「おおワンダフル」鹿島様”

このフレーズはそこからきてるのね〜。言葉のセンスとリズムが秀逸すぎて大好きです笑

栄町のカシマサマ

同じ敷地内には小屋があり、そちらには栄町の鹿島さまがひっそりと祀られていました(ちょっと、いやだいぶ窮屈そう)。こちらは男神のカシマサマで、2年に1度作り替えるとのこと。男神さまは女性が、女神さまは男性が作り替えるというからおもしろい!(詳しくは小松和彦著『村を守る不思議な神様』を読んでみてね!

こちらは男神

どんどん陽が暮れてきたので、そろそろこの場をあとにすることに。

黄金色に染まる街

陽が完全に沈む前に、あと一箇所行きたいところがあったのです。自転車を駐車してる場所へと戻り、神社を振り返ると、真っ赤な夕陽がますます美しく輝いていました。きっと今の方がもっと美しいカシマサマが撮れるだろうなぁ・・・。などという思いがふと頭をよぎるも、その誘惑を必死で振り払います。急がないと夜がそこまで迫っているよ・・・!!

緑町のカシマサマ

最後の最後に訪れたのは、同じ岩崎集落内に鎮座しておられる緑町のカシマサマ。

あちこちふさふさで毛深いのがかわいい!

えぇ、とてもご立派です!!!(いろんな意味で)

こちらも綺麗に作り直されたばかり。

辺りには藁のかたまりが

まるで木が背中から生えてるよう

大好物の線香花火の最後のような夕陽

太陽が完全に沈み、夕闇が辺りを包みはじめたところでエンド。夜行バスで早朝に秋田へ到着してからフルで駆け抜けた長い長い一日が、ついに終わりを迎えようとしています・・・。

午前中にお会いしてきたカシマサマは、どこかほんわかしてとても身近な存在に思えたけれど、岩崎にいらっしゃる三体のカシマサマはみんな屈強で威厳のあるお姿をしておりました。お次はどんな姿の人形道祖神に会えるかしら・・・?

【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3、SIGMA dp3 quattro

秋田青森ひとり旅2022④へとつづく▼▼▼