彷徨する旅のアーカイブ

旅先や日常で出会った「非日常」の記録

①秋田・青森ひとり旅2024-2025【湯沢・再訪のカシマサマ編】

ついにこの日がやってきた。

2024年12月28日。旅のはじまりはゆるゆるのんびりと。お昼ごはんを作って、お風呂に入って身を清め、準備はすべて整った!何ヶ月も前から準備を進めていた旅がついに始まるのです・・・!!

CONTENTS

出発の時

まず向かったのは福岡空港。年末ということもあり、たくさんの人でひしめき合っていました。

うれしそうに飛行場を眺める男の子

陽が沈んだ頃に飛行機は空へ。

夕暮れの飛行場

飛行機が飛び立つ頃には日も暮れ、下界には街の明かりや車のライトが行き交う光の動脈。雲を抜けると現れたのは雲の上の美しい夕暮れでした。

窓側が羨ましい

羽田空港に着く頃にはすっかり夜。夜行バスの乗り場である新宿へと向かいます。ほぼ初めてのがっつり東北の雪旅。数ヶ月前から入念に準備を進めてきました。何を隠そう私はモンベルのメリノウール信者。モンベルのインナー着てたらなんとかなる!精神のもと、全身メリノウール(一番ハイスペック)でキメていました。その上に薄いウールのタートルネック、薄めのセーターを重ね着。今回のために新調した雪旅用のコートをまとって防寒バッチリ!と思ったら・・・

あれはレインボーブリッジですか!?(おのぼりさん)

暑い!暑すぎる・・・!!!

どうやらやりすぎてしまったようです・・・。 この日の東京の気温7℃。室内や電車の中はもちろん暖房がきいてるし汗がだくだく。コートや重ね着していたセーターまで脱ぐことに・・・。でもこれ以上は脱げないよ!脱いだら全身メリノウールのモジモジくんみたいになっちゃうよ!!(昭和)

バスタ新宿〜夜行バスで東北へGO!〜

毎度のことながら東京迷宮にしっかりと迷いながらやっとのことでバスタ新宿へと到着。こわい、都会こわいよ ・・・。

たくさんの人、人、人・・・!!!

予定よりも早めに着いたはよいけれど、人の多さに酔いそうになったので下の階で待つことにします。

椅子に座っていると、またひとり、またひとりと去っていく。みなさまどこにゆくのかしら。帰省なのか、旅なのか・・・。楽しもうね!

そしてついにわたしの番。キラキラ号で!いってきます!!

目が覚めると、雪

わたくし、ふかふかのお布団じゃないと眠れないの!無理なの!!というわけで、夜行バスで絶望的に眠れないまま・・・朝の7時前。ついに秋田県の横手駅へと到着です。

外に出ると昨日までいた世界とはガラリと変わっていました。

360度真っ白な世界・・・!!!

夜行バスで横手駅を訪れるのは今回で2度目で約2年半前のGW。同じ場所なのに、その時とはまったく違う景色が目の前に広がっていたのです。

2022年GWの旅の様子はこちらから▼▼▼

雪だ!雪だ雪だ!!

寝不足であることをすっかり忘れ、降り積もる真っ白な雪に飛び込んでしまいました。

ずぼ!ずぼ!

横手駅〜十文字駅〜岩崎

昨晩新宿で買い込んでいたおむすびで腹ごしらえ。

ゆかりごはんは正義

ホームでは色んな柄の足跡がペタペタ。かわいいね!

今回の旅は、わたしにしては珍しく「再訪」もテーマ。まずは電車で10分ほどの十文字駅へと向かいます。

十文字駅

この看板もなつかしい

マンホールにも乙女チックな「さくらんぼと白鳥」

前回の旅でも泊まった十文字駅近くのCAMOSHIBAへ。

お久しぶりです

荷物を預け、身軽になって散策開始です。

何者かの足跡発見!

歩いていてビックリしたのが道路に噴水のように水が放射されていたこと。湯気が出てたから最初お湯かと思ったけれどお水らしい。寒くて湯気が出ちゃうんだね!こんな風に雪が積もらないように雪国では工夫されているんだなぁ・・・。GWの旅では見ることができなかった光景にワクワク。

足元見ないで写真撮ってたら足が濡れちゃいましたね・・・気をつけようね・・・

雪が年に数回降るか降らないかの九州に住んでる自分には見るものすべてが新鮮で!雪が降り積もる木々や、街灯の灯りの美しさに心を奪われます。

見ているだけで温まる灯り

駅前から路線バスを待っている間も雪が降るし屋根もない。そもそもほんとにバスが来るのだろうか。初めての年末の雪旅に不安がよぎります・・。

待っている間に除雪車がやってきた!初めて見るその姿にもテンションあがるくらい雪旅初心者です

心配してたバスがやってきてホッとひと安心。

ローカルバスの椅子のモケットや整理券のデザインもうまみポイント

10分ほど揺られて下車したのは岩崎。

雪の道をざくざく踏みしめながら歩くのも新鮮でそれだけで楽しい!

雪が降っていてもいつも元気な飛び出し坊や。

雪景色には眩しい赤

いい感じのおまんじゅう屋さん発見!

岩崎まんじゅう

すーーーーっごく気になって入りたかったけど、交通手段が限られている地域では散策も時間との戦い。時間があったら後で寄ろうとひとまず通り過ぎることに・・・。

氷柱にもトキメキ

マップアプリを頼りに歩いていると、あたりが真っ白過ぎてどっちにいったら目的地に辿り着けるのかちっともわからない・・・。雪かきしている男性に道を教えてもらうも、記憶力皆無のわたくし。どうやら教えてもらった道ではなくショートカットして除雪されていない道なき道をゆく!ずぼっ、ずぼっ。雪は履いてるスノーブーツよりも上の位置で足は雪まみれ・・・。でも!もう止められないんだ!!!

やっと参道と思われる道に出ました。やってきたのは岩崎八幡神社。雪対策なのか、灯籠や狛犬もブルーシートにくるまっています。

狛犬さまのお顔みたかったな

まずは本殿でお参りして、さらに左奥へと向かいます。わたしよりも少し前に歩いた人の足跡が残ってる。道なき道をゆくのは怖いし大変だけど、足跡があるのはありがたい!

この足跡をたどればよいのだ

再訪、岩崎のカシマサマ

お久しぶりです・・・。また、あなた様に会いにきました。

こちらも雪の重さに耐えさせるためなのか、屋根の真ん中に棒が一本立っていました

2度目ましてのカシマサマ。カシマサマ(人形道祖神)とはなんぞ・・・?という方は、前回のブログを参照していただくとして・・・。

そのたくましいそのお姿は変わらず(ちなみにこの方は女神さま)。雪化粧でその体の繊細な模様がより際立って美しい・・・。前お会いした時とはまた違った印象を受けました。

こんな繊細な装飾だったのか

岩崎のカシマサマへの「再訪」。初夏のお姿とはまた違う雪のお姿を拝みたかったのだ。前回は新緑と夕暮れのカシマサマ、今回は雪の森のカシマサマ。またお会いできて嬉しい・・・。

(上)2024年12月29日 (下)2022年5月3日
今回もセルフタイマーで自撮り。同じポーズで撮れてご満悦である

・・・と、しみじみしてる場合ではございません!急げ急げ、電車一本逃すだけで大惨事なのだ・・・!!!

建物内にいらっしゃるカシマサマにもちょっとだけご挨拶

自分がつけた足跡を再び踏みしめて戻ります

雪はぜんぜん降り止まず、どんどん積もっていきます。そしてこんなに降ってるのにみんな雪かきしてる・・・!いや、「降ってるから雪かきしてる」が正しいのか・・・。

一分一秒を争うくらい時間がない。駅まではここから20分以上歩かねばならぬのです・・・(雪道だからもっとかかるかも!)。もちろんさっきのまんじゅう屋さんにも行けず。素敵な古い建物もちらほらとあったのでゆっくり散策したかった・・・。また次回のお楽しみにしたいと思います。

急げ急げ!と思いつつも、写真を撮りたいシーンがあちこちに現れて欲求を抑えられない・・・!!

雪と柿。好きなシチュエーションということに気付いた

急いでいたらすってんころりん!おめでとうございます。雪国初すべりでございます。

ボゼ、雪に埋もれるの図

下湯沢駅に着いた!実は今の時点で時間はまだ10時にもなってません。朝が早いとこんなにも時間があるのね!まだまだ今日という一日を楽しめます。

カッチカチに凍りついた電車がホームにやってきます。

ドアが開いても雪の壁がそそり立っていて、それを足でかち割って入るという貴重な体験をさせていただきました(はしたなくてごめんなさい)。

再訪、御返事のカシマサマ

お次に降り立ったのは横堀駅。

ますます雪は絶好調!

御返事のカシマサマに会いに行くぞ!マップアプリで徒歩35分って出てるけどめげないぞ!!

歩く、歩く、歩く、歩く・・・・

前回もおそらく歩いた道。記憶のある街並みや看板を懐かしみながら歩き進めると、こんな道歩いたっけ・・・??というような真っ白な道が現れ、ひたすらまっすぐ歩き進める(ホワイトアウト状態)。まるで遭難しているような気分だよ・・・

めっちゃ吹雪!吹雪いてる!!まっしろな世界をひとり、あるく

再び人里が現れました。(あ、この感じ、きっともうすぐだわ・・・)そう思うと、ついに彼の方の姿が・・・

受難に耐えているかのような神々しきお姿

嗚呼、わたしの大好きな御返事のカシマサマ。前回の旅で一番最初にお会いした時のインパクトがものすごくて・・・!毎年作り替えられるため、わたしがお会いしたカシマサマとはお顔も違う。今年のカシマサマはキリッとしていて、お侍のような・・・もしくは歌舞伎の見得をきっている姿を彷彿とさせます。

左目にまるで雪の涙を浮かべているお姿が憂いがあってかっこよく見えました

大事な部分は雪で埋もれていて拝むことができず無念・・・

こんな吹雪の中のカシマサマは今じゃないと撮ることができない!歩いてここまでたどりつくのはほんと大変だけどきてよかったー。通り過ぎる車の中からちょっと半笑い気味に見られるのはちょっと恥ずかしかったけれど・・・(被害妄想でしょうか)。

だがしかし、この雪の中を再び歩いて戻らねばならぬのですぞ・・・!!!

再訪、珈琲焙煎工房バルーガ

暖をとりにまっさに向かったのは、前回もカシマサマ帰りに訪れて大好きだったバルーガさん。体中に積もった雪を払いながら中へ。岩崎のカシマサマの時からもうスノーブーツには雪が入り込みびじょびしょ。これは盲点でございました。旅はまだ始まったばかり。臭く・・・ならないことを願う・・・。

雪国のバンガローみたいな暖かい雰囲気

人見知りなもので自分から前に来たことがあることをどのタイミングで伝えようかなーと迷いながらランチをいただきます。

パン!美味しい!!ウィンナーも!美味しい!!!(美味しさをカタコトでしか表現できない)想像以上に美味しくてびっくりしてしまいました。

珈琲ゼリーは見た目も可愛らしい

食事も終わる頃に店員さんに話しかけられ、「今でしょ・・!!!」とばかりに数年前に人形道祖神を見に来てお店にも寄らせてもらったことを伝えると覚えてくれて再訪を喜んでもらえてわたしも嬉しいーーー!!

ちょうどわたしが今回泊まる宿の近くにあるという十文字駅近くの珈琲屋さんがお客さまとしていらっしゃって、カシマサマや南部藩について等、色々と興味深い話を聞かせていただいたことも良い思い出。次はこちらのお店にも伺いたいな。

お話していたらあっという間にタイムリミット。まだ2度めの訪問ですが常連認定されたので、また必ずや訪れたいと思います。ありがとうございました!!

大雪の中でお見送り。ありがたや!

ちなみに前にも珈琲豆買って帰ったんだけどとっても美味しかったんだよね。浅煎りはないとのことだったので、今回も酸味があってフルーティーなものを選んでいただきました。旅から戻ってきて飲んだらまさにわたし好みの味で嬉し。大切に飲みたいと思います。

はじめまして、道の駅のカシマサマ

電車に乗る前に、あと1箇所行きたいところがあるのです。急げ急げ!雪の中をかけぬけます。「道の駅おがち」の近くにあるというカシマサマ。前回その存在をうっかり見逃してしまったのです。

でも、やっぱり雪で!思うように場所がわからない・・・!!行ったり来たりしながらやっと発見・・・!!!

なんとなくシルエットが見える!

でも!でもでも!!周りに雪がバリケードのように降り積もっていてこれ以上近づけないっ。どうやってあそこまで行けるのかわからないーーーーー!!!!!目の前にあるのにどうやっても食べることができない人参を追いかけている馬の気分・・・。せめて脛まで隠すくらいのロングブーツだったら道なき道をズボズボ歩いて行けたのだけど、今回のわたしの装備では無理でした。雪、おそるべし。今回の雪旅でたくさん学べるような気がしています・・・。遠くから眺めるだけで道の駅のカシマサマとの初対面は終了。大人しく駅へと向かいましょう。

こちらでも岩崎と同じくあちこちで雪かきをしていました。うーん、ほんと大変だ・・・。

ピーンと触覚みたいで可愛いなぁと思ってたワイパー。寝かせたままだと凍ってしまうらしい。なるほど!

旅のはじまりは「再訪」がメインのカシマサマ巡り。初夏の姿とはぜんぜん違うそのお姿を拝むことができて感無量。次は毎年7月中旬に御返事のカシマサマを作り替えるお祭りの時に行きたいな。3度目の訪問を楽しみにしたいと思います。

駅でも雪かき。ご苦労さまです!

②秋田・青森ひとり旅2024-2025へつづく▼▼▼