彷徨する旅のアーカイブ

旅先や日常で出会った「非日常」の記録

秋田青森ひとり旅2022【青森・金木町の鬼コ・前編】⑧

朝からマタギのご主人とのランデヴーをたのしみ(違う)、秋田内陸縦貫鉄道の比立内駅に送り届けてもらいます。感謝感激!ありがとうございました!!

CONTENTS

秋田から青森へ

秋田内陸縦貫鉄道

さっそく比立内駅から鷹ノ巣行きの電車に乗り込みます。

再び電車の旅が始まるよ!

秋田内陸縦貫鉄道の車窓からの風景は自然であふれてました

終点の鷹ノ巣駅で下車。秋田内陸縦貫鉄道とはここでお別れです。

秋田内陸縦貫鉄道からJRへ

JR

お隣のJRに乗り換え、ついに青森県の弘前駅に到着!!

さぁ、弘前観光するわよ・・・!!!

とはならず、マッハでロッカーに荷物を投げ入れ向かった先は券売機。2日間指定区間乗り放題の津軽フリーパス(2,100円)をゲット!このチケットを使ってあちこち出没しちゃうぞ〜!!

思ひ出の切符

再びJRに乗り込み、いざ出発!!!

弘前に入ってから車窓からの風景ががらっとかわります。

ガラス越しに撮ると青みがかってより爽やかに撮れました

白い花が咲くりんご畑と雪が残る岩木山がとても爽やかで印象的!なんて瑞々しくて美しい風景なのだ・・・!!!秋田では山に囲まれていたので、遮るものがない広々とした景色にすがすがしさを感じました(それぞれのよさがある)。

きっと弘前に住んでいる人にとっては当たり前の風景なんだろうなぁ。観光客以外のほとんどの人は外を見ずに携帯をいじっています(わたしも住んでいたらそうなると思う)。

みんな気づいて!ここじゃないと見られない特別な風景なんだよーーーっ!!

なんてことを思いながら風景に夢中になっていると、あっという間にJR五所川原駅に到着。

JR五所川原駅

津軽鉄道

今度は津軽鉄道に乗り換えます。

おーい、きみは一体どこまでいくんだーい!?

そんな声が聞こえてきそうですが、出発まで待ち時間が40分ほどあったので、せっかくだから少し辺りをお散歩することに。

津軽鉄道の建物や改札が渋くてとてもよかった

周辺の建物もなかなかわたし好みでいい味出してる!!

ほねつぎたまらん

昔ながらの美容院(film)

駅前には広めのバスの待合所がありました。うどん屋さんやおやき屋さんも入っていてとてもいい感じ!!

あんこが苦手じゃなかったらおやき食べたかったな

散策もほどほどにして、津軽鉄道の「走れメロス号」に乗り込みます。

沿線沿いに太宰治の生家(斜陽館、時間があれば行きたかった!)があることにちなんでつけられた名前らしい。

(film)

なんとこちらの電車には添乗員のお姉さんが!沿線沿いの見どころのアナウンスを聞きながら電車はのんびり進んでいきます。

五所川原市金木町

そして正午過ぎ。やっと!やーーーっと着いたのが五所川原市金木町の嘉瀬駅。

やだ最高に可愛い!!!

今朝、松橋旅館を出発してから約5時間経っていました。駅に着いたはいいけれど、実はさらにここから歩くんだよね・・・(遠い目)。

最初の2日間はセーターやウルトラライトダウンを羽織るほど寒かったのに、3日目の今日はまるで真夏のような晴天!!照りつける太陽がじりじりと肌を焦がしていきます(異常気象か!?)。

 

とっても綺麗だけど、奇妙な花壇を通り過ぎ・・・

黄×紫は最強の組み合わせ

田んぼが広がる道路を30分ほど進んでいくと・・・

歩いてる人なんていやしない

ひっそりとした集落にたどり着きました。

もしかしたらここはユートピアかもしれない(film)

どんどん奥に進んでいくと・・・

2本のツノ!!!

おっ!にぃぃぃーーーーーーー!!!!!

古津軽の鬼コ

念願の津軽の鬼コとの初対面です!!実は今回の旅のはじまりは「鬼に会いたい」。そんな気持ちからでした。鳥居に鬼がいるのはこちらの神社だけではありません。津軽には「鬼コ」の愛称で地元の人々に愛される鬼が、岩木川沿いに点在する神社の鳥居を支えています。その数はぜんぶで40ほど確認されているそうです。「鬼コ」の起源は確かではないものの、少なくとも明治頃からは存在しており、天災や疫病が集落に入り込まないように人々を守っているとのことでした。

わたしが鬼コの存在を知ったのは、2017年3月放送の「日曜美術館」。俳優の井浦新さんが全国各地の異形を巡る旅をする番組でした。

それ以来ずっっっっっと津軽の鬼コに会いたいと願っていたのです。

同番組内では大分の求菩提山の烏天狗像も紹介されていて、その姿にも一目惚れ。気づいたら一昨年、登山経験もないの求菩提山登山してたのはよい思い出です笑

津軽の鬼コは、街の中心地から離れたひっそりとした神社にいることが多く、どうやら青森出身の人でもあまり知られてないみたい。旅の初日にドミトリーのBARで一緒になった女の子は弘前出身だったけれど、初めて知ったと驚いていました。

今回旅する前に調べてみたところ、数年前から古津軽観光PRとして鬼コを押していて「鬼コカード」なるものまで配布しており、どうやら少しずつ認知度が上がっているようです。

「津軽の鬼コめぐりMAP」(ありがたい!)を参考にしながら、公共の交通機関、レンタサイクル、徒歩でまわれる鬼コを厳選。Googleマップにマッピングして下準備しました(正直、車じゃないと厳しいところばかり・・・涙)。

立野神社

そして一番最初に訪れたのがこちらの立野神社。

モノクロで撮りたかったんだ(film)

カッと見開いた目!

牙を剥いた口!!

にょっきっと天に向かってのびるツノ・・・!!!

(film)

足を踏ん張ってぐっと肩で鳥居を支えるポーズもかっこいい〜!!

そして背中には・・・

(film)

龍の刺青ーーーーーーっっっ!!!

でででん!!

前からも後ろからもパワーがみなぎってるよ・・・!!!

ゆるいカーブを描く細い田舎道を進んだ先に現れる鳥居の姿も雰囲気があってとても好きでした。

(film)

修復前と修復後

日曜美術館で鬼コの存在を知ってから、下記の雑誌を中古で購入していました。

『隔月間あおもり草子 鳥居の鬼っこ』(2000年発行)

それに掲載されている加藤慶司さん(郷土史研究家)による写真と見比べてみると面白いことが・・・!

写真の角度が違うからわかりにくいけど同じ鬼コ(左は雑誌より)

なんと!以前は赤一色だったのね〜!!背中にも刺青はなかったのかな?でも、赤く塗られる以前はもしかしたら現在の姿だったのかも??当初の姿に近づけて修復したのか、それともまったく新しい姿に塗り直したのか。個人的に修復の工程がとても気になります(誰か調べて教えてー)。

出会い

鬼コの鳥居をくぐり、さらに奥へと進みます。

(film)

獅子もわたし好みのファニーフェイスで可愛かった

拝殿でお参りしていると、どこからかひとりの青年がひょこっと現れました。お互い不思議な面持ちで「こんにちは・・・」とあいさつを交わします。すると青年は鬼の鳥居がある方向へと歩いて行くではありませんか!

も、もしかして・・・!??

ある予感を抱きながら距離をとりつつ後をついていきます。

頭上の木を撮りつつカモフラージュしながら近づく作戦。何気に鳥も写ってる

やはり!鬼コの写真を撮っている・・・!!

勇気を振り絞って話しかけてみると(ほんとは大の人見知り)、なんと弘前から鬼コを撮りにきたという!!やっぱり同志だったのねー!!!去年くらいから各地の鬼コを撮り初め、最後にこの辺りの鬼コを撮りにきたとのことでした。

お師匠さまぁーーーーーっっっ(心の声)

どうやら青年はこの後わたしもいく予定にしてる神社2つと、車でしか行けないので除外していた神社1つの鬼コを見にいくらしい。

こ、こここここれはもしや連れて行ってもらえるチャンス・・・!??

と、ソワソワしたけど、残念ながら予定が合わず同行は叶いませんでした(図々しいな)。

でも!いつもはお得意の「セルフタイマーで自撮り」なところ、写真を撮ってもらえたよ!!!

青森なのでりんごにしてみた

実は当初の旅の計画では、こちらの地域に行く予定はありませんでした。なぜなら秋田から弘前までも遠いのに、それよりもさらに遠く離れた場所にあるから。それが旅立つ前に久しぶりに井浦新さんの番組を見返して立野神社の鬼コの映像を見たら、どうしても会いたくなってしまって!!かなり迷ったけど旅の数日前に急遽計画を変更。結果、本当に行ってよかった!この日、この時間、同じタイミングでこの場所で出会えたのはほんと奇跡。よい出会いに感謝です・・・!!!

【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3、SIGMA dp3 quattro、iPhone SE2 film:KONICA AUTOREX

秋田青森ひとり旅2022⑨につづく▶︎▶︎▶︎