おそらく誰もが一度は神社等で目にしたことがある絵馬。ひょんなとこから絵馬の奥深き世界に足を踏み入れてしまいました。とある絵馬に描かれた絵に一目惚れしたと言ってよいかもしれません。今回その絵馬を求め、3箇所のお堂を巡って参りました。
※今回はフィルム写真はなし。おいおい追加するかもです。
ある日、博多駅からJRで一駅の吉塚へ行く機会がありました。用事をすませ帰ろうすると、吉塚地蔵尊と書かれてた小さなお堂が目に止まります。
奥に見えるアーケードは、2020年12月にリトルアジアに生まれ変わった吉塚商店街。
何気なく中に入ってみると…
なんじゃこの愛くるしい絵馬は〜〜〜!!!
同じ絵柄でもお顔がぜんぜん違う。もしやすべて手描きなのでは…?下書きの鉛筆の跡まで残っててたまらーーーん!!!
個人情報だだ漏れなので、名前と生年月日の一部を隠しております。
それぞれの絵馬には、手を合わせ静かに目をとじ祈る老若男女が描かれ、その横には「健康祈願」や「学業向上祈願」などと言った祈願内容が書かれています。昭和感あふれる絵柄の絵馬の右上に書かれたR(令和)の文字のミスマッチ感!現在進行形で奉納されていることがわかります。
なんとこちらの絵馬にはマスクが…!しっかり今に合わせてアップデートされているではありませんか…!!「疫病退散」の他にも「コロナ終息祈願」と書かれた絵馬もあったけど、マスクしてるのはこの1枚だけでした。
なんとも味のあるこれらの絵馬に興味津々だったのですが、無人のお堂で誰に聞くこともできずこの日は帰宅。ネットで調べてみたところ、まずたどり着いたのが珍寺大道場というサイトのお願い絵馬のページ。後で知ったのですが『奉納百景』という本等を執筆されている小嶋独観さんのサイトでした(早速本を購入。まだぜんぜん読めてないけど写真を見てるだけで面白い!)。そこで別のお堂でも同じ絵柄の絵馬が奉納されていることを知ります。
さらに調べていくと、福岡市博物館で平成15年に「福岡願掛重宝記」という展示があり、そのアーカイブのページで製作者についての記述を発見!!!
以下抜粋
現代の小絵馬師
これまで紹介してきたうち、こぶれき地蔵や縁切り地蔵には、同じ人が描いた絵馬が掲げられています。ほかにも博多区千代4丁目の崇福寺(そうふくじ)にある旭地蔵や博多区吉塚1丁目の吉塚地蔵にも同様の絵馬が数多く奉納されています。この絵馬を製作しているのが早良区重留の池田タカノ(大正6年生)さんです。絵馬を描いて42年のキャリアを持つ池田さんですが、きっかけは、いつもお参りしていた旭地蔵門前の絵馬屋さんからの勧めだったといいます。お父さんが副業で絵馬師をしていて、本人も絵が好きだった池田さんは、以来、年間千枚以上の絵馬を作り続けてきました。
大正生まれのタカノさん…!??
今もご存命だったら104歳。いや、さすがにもう描いてないよね…。ということは跡継ぎの方が?そういえば、珍寺大道場で紹介されてる絵馬と、今の絵馬とではタッチが若干違うような…?知りたい!知りたい!!!興味がむくむくむくとわいてきます。
そして、
わたしも絵馬を奉納してもらいたい…!!!
その気持ちが大きくふくらみ、いてもたってもいられず、翌日再び吉塚地蔵尊へ行くことを決意。そしてその前に、同じ地区に似たような小絵馬があるというので、そこにも行ってみることにしました。
仕事のお昼休みを抜け出し、まずダッシュで向かったのは、珍寺大道場や福岡市博物館アーカイブでも紹介されていた飛来神社。
今は絵馬の奉納はされていないのでしょうね。色あせて塗料もはげはげの小絵馬から、大ぶりの絵馬(一番古いもので大正時代)までありました。放置された小絵馬はだいぶ時代を感じます。
白背景の絵馬は耽美系…!?少女漫画に影響受けてるような。サラリーマンのなまっちろさよ。
蛭子さんの漫画に出てきそうなおっさん…
女性の下半身が描かれた絵馬は、婦人病治癒祈願とのこと。最初見たときちょっと怖かった。
わたしでも分かるものだと、義経と弁慶や桃太郎などがありました。
大正9年に奉納された絵馬が一番かっこ良かった!
なかなか渋い神社で面白かったのですが、一番見たかった木で作ったという手形足形は見つけることができず…しょぼん…。
時間がないので急いで吉塚地蔵へ絵馬の奉納をお願いしに行きます。普段は無人のお堂なので、お賽銭箱に名前と生年月日と祈願内容を書いて500円と一緒に納めると、毎月お地蔵さまの縁日である24日に本人に変わって祈祷して奉納してもらえるというシステム。
24日が待ち遠しくてなりません…!!
vol.2へとつづく▶▶▶