彷徨する旅のアーカイブ

旅先や日常で出会った「非日常」の記録

03.南九州・十五夜ひとり旅2023【豊玉姫と知覧武家屋敷編】最終回

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知覧といえば特攻隊を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?今回泊まったお宿も知覧特攻平和会館の近く。知覧は実家が比較的近くということもあり、今まで何度か訪れたことがあったので、今回は知覧武家屋敷方面に行ってみることにしました。

宿泊したのは「さくら館」のドミトリー

椅子のモケットが可愛かった

チェックアウトして、まずは朝食を食べに近くのカフェへと向かいます。

大通りの脇には庭園風の一角がありました

朝食

ホテルから歩いて数分のオシャンなカフェGRIGHTS COFFEE ROASTERYに到着。

知覧にこんなお店があるとは

肉肉しいパテのハンバーガーがめちゃくちゃ美味しそう!でも、朝っぱらから重いかな・・・?なんて柄にもなく思って、ちょっと控えめにハムとバジルトマトのサンドを選びます。

なんだかメニューの写真と違ってボリューム少ないかな・・・??なんて思ったけれど、実際に食べてみるとサラダも見た目より食べ応えがあるし、バジルトマトやポテトも美味しい!ほどよく胃袋が満たされました。イチオシっぽいボリューム満点のバーガーもいつか食べてみたいなー。

知覧を歩く

昨晩の十五夜ソラヨイでだいぶ満たされていたので、正直今日はおまけみたいなもの。時間に追われることなくのんびり。でも、ちょっとのんびりしすぎでは・・・?いよいよ太陽も絶好調にギラギラ。日差しが恐ろしいけど、重い腰を上げて炎天下をうろつくことにいたしましょう。

すぐ近くには知覧特攻平和会館。道路沿いには、特攻隊の青年たちの像が刻まれた灯籠がずらっと並んでいました。

そういえば昔、霊感バシバシの友達に背後霊に特攻隊のイケメンがついてると言われたことあるなぁ。その後訪れた特攻平和会館で、わたしの地元出身の特攻隊の青年写真を見つけ「もしかしてこの人かな?」なーんて思ったことを、ぼんやり思い出しながらてくてくてく・・・

普通は歩くような距離ではない・・・でもバスを使うのめんどい・・・というような道をいつものごとく歩いていると、あちこちでたわわに実った稲穂がゆらゆら輝いていました。

気になる看板

胸いっぱいになりながら、朱色の橋を通り抜け・・・

稲を干してる光景にもキュンキュンキュン!

さらに胸ときめく光景が現れます。

まるで神様の通るための道を残しているかのよう

「豊玉姫神社神饌田」と書かれています。実はこの先に豊玉姫神社があるのです。でも、神饌田って一体なぁに・・・???

神饌とは、御饌(みけ)とも言って、お祭りなどで神様に献上するお食事のことです。神様にお食事を差し上げておもてなしをして、そのお下がりを参列した人たちでいただく行為・「神人共食(しんじんきょうしょく)」が、日本の祭りの特徴であるとも言われています。

神饌について | 神社本庁より

なるほどー!この田んぼで豊玉姫神社にお供えするお米を作っているのですね。ときめきー!!ちなみに「神饌」は「しんせん」と読むらしい。むずい。

豊玉姫神社

では、さっそくこの先にある豊玉姫神社へと向かってみましょう。

豊玉姫神社

どうやら知覧には豊玉姫に縁のある場所が多く存在しているらしく、実は昨日訪れた浮辺の田の神さぁのすぐ近くにも豊玉姫が化粧を直したと言われる場所がありました(場所がはっきりわからなくて写真は撮らなかったね・・・)。

開聞神大綿津見神の娘であった豊玉姫と玉依姫は、それぞれ領地を治めることとなり、姉の豊玉姫には川辺を、妹の玉依姫には知覧を与えられ、二人の神は連れ立って衣の都(今の頴娃・川辺の辺)をお立ちになりました。途中、一泊した折に、賢い玉依姫は川辺が田畑に富み米の豊かな地であることを知り、姉の豊玉姫よりも早く出発なされ、川辺の地に赴きます。姉の豊玉姫はやむなく知覧に赴き、上都の城山の下に宮居を定めます。

鹿児島西ロータリークラブより

ひどい!もともと妹の玉依姫が知覧を治めるはずだったのに、姉が治めるはずの川辺(地名)の方が豊かな場所であることを知って、姉に断りもなく勝手にそっちに向かっただなんて・・・。妹って生き物はいつの時代も自分勝手なのですね・・・(えぇ、わたしも末っ子ですよ)。

さて、神社にはお宮参りの家族や、鮮やかな着物を身にまとった七五三の女の子の姿もあってとても賑やかでした。

イノシシ注意の看板!?

毎度おなじみの木鼻ウォッチも忘れてはいけません。え、めちゃくちゃ可愛いーーーー!

木鼻と七五三の女の子
わたしの好物のファニーフェイス系

薩摩の水からくり

神社の敷地内には国の無形民俗文化財にも指定されている「水車からくり」もありました。

水からくり やかた

豊玉姫神社では毎年7月9日~10日に、江戸時代に始まったとされる国の無形民俗文化財「薩摩の水からくり」の上演が行われています。全国でも鹿児島県薩摩半島南部の万之瀬川流域にのみ伝わる民俗芸能で、水車を動力として動く人形が繰り広げる芝居は、豊玉姫神社の六月灯にのみ上演され、毎年異なる演目で上演される知覧地域の“夏の風物詩”となっています。(中略)毎年演目が変わるため、知覧水車からくり保存会の皆さんにより、演じる人形作りや背景、仕掛けづくりなどの作業を約2か月間にわたり行い7月の初演に備えます。

鹿児島西ロータリークラブより

毎年演目が変わるようで、今年7月の六月灯で演じられたのは「かぐや姫」。その時のものと思われるカラクリがそのまま展示されていました。ちょうど昨晩、美しい満月と十五夜行事を見たばかり。なんてタイムリーなのだ!シンクロっぷりに嬉しくなります(単純)。

これが水車で動くのか〜。みてみたいな

縁結び夫婦銀杏

からくりやかた前には、島津家15代当主貴久が植えたという夫婦のイチョウの木が仲良く並んでいました。縁結び、子授け、夫婦円満、家庭円満のご利益があるそうです。

もちろん縁結びのご利益に期待!!!

島津貴久といえば、フランシスコ・ザビエルに日本で初めてキリスト教布教の許可を与えた人物ですね!今年その場所を訪れたばかりでした。まさかこんなところで再び貴久さんの面影に会うことになるとは・・・。興味のあるものって、不思議と繋がっていくから面白い。

詳しくは以下のブログをどうぞ▼▼▼

①キリシタンを巡る旅2023・鹿児島【伊集院編】 - 彷徨する旅のアーカイブ

神社を後にして武家屋敷を目指します。昨日から歩き通しなので、とっくの昔に足は悲鳴をあげているよ!さらに暑くて滝のような汗を流しながら根性で歩く・・・歩くぞ・・・。

道中、名もなき小さな神域を見かけたり・・・

何が祀られているのだろう

植物に侵食された車に心奪われたり・・・

紫の朝顔(昼顔?)が咲いていた

カマキリたちも・・・!!!

シルエットカマキリ。
よくよく考えたら壁を逆さで歩くのすごいな

カマキリ全盛期なのか散策している間に3匹の知覧カマキリ(そんな品種があるわけではない)と出会いました。こわい・・・けど見かけたらつい撮ってしまうカマキリ・・・

知覧武家屋敷

ついにTHE 武家屋敷通り!といったような風情のある石垣の通りが現れます。

やっとついたー!

江戸時代、薩摩藩は領地を外城と呼ばれる102の地区に分け、地頭や領主の屋敷である御仮屋を中心に麓と呼ばれる武家集落を作り、鹿児島に武士団を結集させることなく分散して統治にあたらせました。知覧もその一つです。
「知覧麓の武家屋敷群は、薩摩の麓の典型的な作例の一つで、折れ曲がった本馬場通りに沿って連なる石垣と生垣からなる景観にも優れ、我が国にとってその価値は高い。」として、昭和56年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。また、同時に地区内の7つの庭園が「優れた意匠で構成されており、その手法は琉球等庭園と相通じるものがあり、庭園文化の伝播を知る上でも貴重な存在である。」として国の名勝に指定されました。

知覧武家屋敷庭園 有限責任事業組合(公式ホームページ)より

知覧には何度か来たことはあるものの、こうやってぶらぶらするのは実は初めてのような気がします。

沖縄や鹿児島でよく見かける魔除けの「石敢当」もありました。

三叉路の突き当たり

三叉路の突き当たりに建てられているこの石塔は、屋敷内に魔物が入ってくるのを防ぐ「石敢当」というものです。中国発祥の考え方で、江戸時代に琉球(現在の沖縄)を経て伝わりました。丁字路や三叉路に設置されます。南九州市では麓(武家屋敷群)や海運業が盛んだった海岸地域に多く確認されています。

解説板より

石に「石敢當」と書かれているものしか見たことがなかったので、何も書かれていないタイプがあるのを初めて知りました。ボコってヘコんでいるけど、魔物がぶつかって砕け散ったからなのかしら?それなら相当な数が衝突したか、大物がぶつかったと思われます・・・。

どんな魔物がぶつかった跡なのか。ごくり。

武家屋敷が連なる道をひたすら歩く、歩く・・・

とあるお屋敷の門では存在感ありすぎるカッパ様が誘惑しておりました。

カッパのお皿の上にはお賽銭。どこでもお賽銭したくなるのが日本人なのだ

田の神さぁもいらっしゃった。

今日はほんとに暑いですね〜

時折見かける色々な植物がキラキラキラしてました。

青空に映える

人が写っていない写真ばかりですが、この時間帯はツアー客の団体や、お年を召した観光客などがたくさん歩いていました。若干人の多さに「ううう」となったのですが、少し路地に入ると誰もいなくて、美しく整ってないけどこっちの方が落ち着いてて好きだな・・・なんて思いながら、さらにてくてくてく。

合歓の花も咲いていた

竹林を抜けると視界が開け、黄金の稲穂が現れました。

眩しい

豊玉姫陵

稲穂の波の中央あたりにぽつんと見えている鳥居。ここには先ほど訪れた神社に祀られていた豊玉姫のお墓があります。

360度稲穂・・・!!!

なんて素敵な場所で眠っているのでしょうか・・・。

雑草がボーボーですが、どのくらいの頻度で手入れされているのかな?この雰囲気も好きではあるのですが、定期的にお手入れしてもらえたらなぁという気持ちで、お賽銭箱に小銭をちゃりん。

とても素敵なお墓で大好きでした

今の時期はあちこちで曼珠沙華の姿が見られますね。ここにも咲いていたのですが、観光客が踏んだのか、まだ咲いているのに茎からポキっと折れている曼珠沙華もありました・・・。わたしもよそ見しがちでお粗相をしないとも限らないのですが、できるだけ注意を払って参拝したいものですね。自戒を込めて・・・。

再び竹林を抜けて来た道を戻ります

お昼ごはんとスイーツ

お昼の時間もとっくにすぎて13時半過ぎ。そろそろ遅いお昼ごはんを食べましょう。わたしのブログではおなじみのそば茶屋吹上庵へ!

あちこちにお店があるのがありがたい

いつもならあったかい肉うどんを食べるのですが、今日は暑くて暑くて・・・。熱々の食べ物を体内に入れることなどできません・・・!冷たくてネバネバなおうどんをいただくことにしました。

奥の小皿にちらっと写っているのは、毎回食べ過ぎてしまう大根のお漬物(食べ放題)

刻まれた甘いお揚げがアクセントになって美味しかったー!!!けど何気に量がいっぱいで、おうどんだけでもうすでにお腹がパンパンに。お稲荷と巻き寿司食べ切れる自信ない・・・でも残すのはイヤ!と無理やり口の中に運んでみると、意外や意外、美味しくてするする胃袋に吸い込まれていきました。しかしすでに腹十分超えの胃袋。もうこれ以上は入らないよ・・・!!

それなのになぜかその足ですぐ近くの紅茶専門のカフェ薩摩英国館に行ってしまうのが強欲魔神。だって、だって、スイーツも食べたいじゃない???大昔に見たテレビで、甘いものを食べる時は不思議なことに胃袋の容量が空くという映像を見たことがありました。それを信じて、いざゆかん!!!

敷地内にはロンドンバスもあって、英国側から見た薩摩の幕末史を紹介する歴史資料館になっています。カフェ利用の方は無料で見学可能(わたしは時間がなくて中に入れず)

最初紅茶とスコーンをいただくつもりが、つい浮気して紅茶パフェとグリーングリーンティーを。だって知覧だから!緑茶飲まなきゃ・・・!!パフェで紅茶も楽しめるし一石二鳥です。そして胃袋は無事スイーツのために容量を拡大してくれたようで、難なく平らげることができました。

グリーンティーがミントでとっても爽やか。普段はあんまり緑茶飲まないのですが、夏に飲むアイスグリーンティーはとっても好き

え?スコーンお持ち帰りできるんですか??・・・もちろん全種お持ち帰りで!!!

スコーン大好きなのです

そろそろタイムリミット。再び灼熱地獄と化している外に出て、鹿児島市内に戻るため、武家屋敷の通りを抜けてバス停に歩いて向かうことにします。

武家屋敷と白昼夢

ちょうど最高潮の炎天下っぷりな時間帯。再び武家屋敷の通りに足を踏み入れると、午前中にはあんなに観光客がいたのにひとっこひとりいません。

豊玉姫神社跡の石碑を発見。最初はこの場所にあったのですね

さっき歩いた道をまた歩くのはもったいないな・・・表の武家屋敷が連なる通りを離れ一歩細い路地に入り込むと、廃墟の建物もあって一気に荒れ果てた雰囲気に・・・。観光地の光と影・・・といったようなものを感じました。

大きな蜂がブンブン飛んできて怖かった・・・

メイン通りに戻ってきました。雰囲気のある石垣の道は太陽の強烈な光に照らされ、真っ白に飛んだ世界が目の前に広がっています。人が誰もいない世界に迷い込んでしまったのかな・・・?

整備されたとても美しい通りなのに、人の気配をまったく感じないという・・・。その対比がちょっと怖くて、まるで白昼夢でも見ているかのような不思議な感覚になりました。

武家屋敷の通りを抜けると、現代の街並みが広がります。かわいい猫ちゃんを見かけてほっ。迷い込んでいた世界から戻って来たような気分です・・・。

そんなに睨まないでおくれよ・・・

え?肝心の庭園見てないじゃんって???(知覧武家屋敷は庭園が有名なのです)そーなんです、実はわたしが庭園を楽しむという域にまだ達していなくて・・・(未熟者でございます)。老後の楽しみにしたいと思います、はい。

鹿児島市へ

あ、足が限界・・・もう無理・・・。というところで、バス停に到着。無事鹿児島市内へ向かうバスに乗り込むことができたのでした。さよなら、知覧。中福良の十五夜ソラヨイを見に行く時にまた行くからね。

車窓から大好きだった豊玉姫のお墓も眺めることができてとても嬉しかった

骨董店の眠り猫

夕方、日の落ちる頃に鹿児島中央駅へと無事到着します。

バスの車窓から。観覧車のある場所が鹿児島中央駅

新幹線の時間まで少し時間があったので、久しぶりに近くの骨董店に行ってみることにしました。が、お休み・・・。ここ数年何度か行こうと試みてもタイミングが悪いのかいつもお休みで行けた試しがない・・・。

駅横のアーケード商店街にある「小鳥遊(たかなし)骨董店」

ガッカリしたけど・・・ショーウィンドウに・・・・・

ね、ねねねね猫ちゃーーーん!??

!????

最初リアルな置物なのかと思ったら・・・ホンモノ・・・!!???ここが定位置なのか、気持ちよさそうにすやすや眠っておりました。

ソール・ライターの猫バージョンみたいな写真撮れた

旅の最後に花を添えてくれた可愛らしい眠り猫ちゃん。ちょっとしたサプライズでした。

帰りの新幹線では駅で買った黒豚サンドで舌堤

これにて1泊2日の十五夜ひとり旅はおわり。

目を瞑ると思い出すのはあちこちで見かけた黄金の稲穂と美しい満月、そしてソラヨイの子どもたち・・・。秋の実りへの感謝を強く感じる旅でした。とても短かったけど、そうとは思えないほど満ち足りた気分で帰路に着くのでありました。

テイクアウトしたスコーンも美味しくいただきました

最後に

2023年最後の日に、この最後の文章を書いています。今年は今まで使っていたFUJIFILM X-T3からSONY α7IIIにステップアップし、新たなカメラ生活をスタートさせた年でした。そしてそのカメラを手に初めて撮影に挑んだのが、今回の十五夜ひとり旅。カメラが届いたのは旅のたった2日前。しかもレンズは未購入で、アダプターを使って手持ちのオールドレンズで撮影することに。使い慣れないカメラにマニュアルでのピント合わせで夜の撮影・・・。しかも今年で最後という貴重な十五夜行事の撮影とあって失敗は許されません(無謀すぎるぜ)。

結果はISO感度上げすぎてざらっざら、ざらっざらな写真を量産してしまったわけです・・・。でも、この時撮った写真はざらざらだけど好きなものも多く、オールドレンズでの撮影も難しかったけどとっても楽しかった!!この時の撮影体験が今後のカメラ生活の原点になるような気がしています。

盛大に失敗したぶれぶれ写真だけど、なんだかとっても好きな十五夜ソラヨイの写真で2023年最後のブログを〆たいと思います(5人でのソラヨイだったけどもっと多く見えるね笑)。

ブレたって、いいじゃない?

さて、今年も趣味丸出しの偏ったブログを読んでいただきありがとうございました。2024年もあちこち旅して、大好きな写真をたくさん撮っていきたいと思います。来年もどうぞよろしくお願いいたします!みなさまにとっても素敵な一年になりますように・・・。

【使用カメラ】digital:SONY α7III、iPhone SE2 lens:Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 mmj、Flektogon Carl Zeiss Jena 35mm F2.8

02.南九州・十五夜ひとり旅2023【最後の十五夜ソラヨイ・浮辺編】

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南薩摩の十五夜行事

旧暦8月の十五夜、南九州では綱引きや相撲をする風習があります。国の重要無形民俗文化財にも指定されている「南薩摩の十五夜行事」。実はわたしも小さい頃、十五夜の日に校庭や道路で綱引きした記憶がうっすらと残っています(今でもやってるのかな?)。

父の話によると、綱引きの綱は大人たちが山からとってきた茅(かや)で手作りしていたようです(子供の頃の記憶というのもあるんだろうけど、とても太くて長かった!)。父が子どもの頃にはその茅とりも子どもたちが行う行事のひとつで、山でとった茅を頭に被り「えいえいおー まだまだおー」(掛け声みたいなもの?)と歌いながら帰っていたとか。「茅引き」という十五夜行事のひとつであるその習俗は、わたしが子供の頃にはすでに失われていました。残念・・・。

十五夜ソラヨイ

「南薩摩の十五夜行事」の中で、特に古い形を残しているといわれるのが南九州市知覧町の「十五夜ソラヨイ」。十五夜に綱引きや相撲を行う地域は多いですが、ソラヨイが行われているのはこの地域だけ。言葉だけ聞くと一体どんな行事なの!?と、不思議に思うかもしれません。ソラヨイとは、子どもたちが藁等で作られた装束に身を包み、歌い踊る行事のこと。

黎明館で展示されていた十五夜ソラヨイの装束(撮影可)。これは中福良集落のものかな?

かつては知覧町内の20以上の集落で行われていたそうですが、2023年時点ではわずか4箇所ほど。なおかつ見学できるような地区は「中福良(なかふくら)」と「浮辺(うけべ)」2集落だけのようです。よくメディアで紹介されているのは前者。わたしのソラヨイのイメージも中福良だったのでそちらに行く気満々だったのですが、各集落ごと装束や行事の内容が多少異なっているので本当なら全集落見学したい・・・!けど体はひとつしかありません・・・。ひとまず中福良と浮辺の両方に問い合わせてみることにしました。

浮辺と中福良

最初に電話が繋がったのは浮辺集落。今年参加する子どもはたったの5人。しかもなんと!少子化により浮辺のソラヨイは今年で最後というではありませんか・・・!!!これは一大事です・・・。

旅立ちの数日前にやっと連絡がついた中福良集落。こちらも今年は5人ほどで行うとのこと。去年の写真をネットで見た時は大人数だったのになぜ〜!?と、不思議に思って尋ねてみると、去年は今はもう退職した校長先生がとても熱心だったようです。今年はその校長先生もいないし、子供たちに無理に参加させるのはちょっと・・・ということらしい。ソラヨイの後に行われる綱引きも今年は行わないという・・・。さらに、浮辺では子供たちがやりたいと言ってるからそちらに行ってはどうかと勧められました。うーん、とても素晴らしい行事なのに地域の人たちがそう思っていないように感じてなんだか悲しくなりました。そして、過疎化の進む地域では、強い意志で残そうとする熱量のある人がいないと存続させることは難しいのだと痛感・・・。

もういっそのこと両方行っちゃろか!・・・なんて思ったりもしたけれど、隣り合う集落とはいっても徒歩では移動するだけで30分以上かかります。それにわたしは最初から最後まで見届けたい気持ちが強い人間。消極的に感じた中福良のソラヨイの存続も心配ではありますが、今年で最後というのが決定している浮辺一本で臨むことを決意したのでした。

浮辺公民館

十五夜ソラヨイが始まるのは夜空に月が登ってから。19時頃とは聞いていたけれど、もちろん準備する様子も見たい!余裕をもって17時半頃には公民館に到着です。ほんとはもっと早く着いてる予定が寄り道しすぎたよね・・・。

すると公民館前の広場にはすでにたくさんの人、人、人・・・!それもカメラ&三脚を持った年齢層の高いカメラマンたちの姿が・・・!!小さな集落でひっそりと行われていると思っていたのでちょっとビックリ。

(出遅れた・・・!!!)

ちょっと焦りながら敷地内に足を踏み入れるや否や、背後から唐突に声をかけられます。

天吹(てんぷく)お爺ちゃん、現る

「どこから来たの?」

振り向くと小柄で人のよさそうなお爺ちゃんの姿がありました。福岡から来たことや、遠いバス停から歩いてきたことを伝えると驚いたようです。

お爺ちゃんは20代の頃に浮辺小学校で先生をしていたことがあって、還暦を迎えた当時の教え子が今回のソラヨイを仕切っているそうです(すごい!時の流れ〜!!)。他の教え子たちはみんな浮辺を出て行き、他の地域で家庭を作り生活しているので浮辺では子供が増えず、ついに小学校は今年の3月に閉校。十五夜ソラヨイも今回で最後に・・・。

実はお爺ちゃん、江戸期に薩摩藩で武士の嗜みとして受け継がれてきた「天吹」という竹笛の奏者。以前から十五夜行事が始まる前に演奏していて、今回もそのために来たようです。浮辺小学校の校歌も演奏もするから、さっきまで閉校した学校の校庭で練習していたとのことでした。きっと練習しながらいろんな思いが去来したことでしょう・・・。

天吹を吹いてみせてくれるお爺さん

公民館の中へ

ひとまずお爺ちゃんと別れ、公民館の中へと入ります。玄関には十五夜のお供えと、子どもたちが被るヨイヨイ笠と呼ばれるトンガリ帽が・・・!!!

わくわく!

左の部屋に入ると、ステージ上に生成りの長い布がずらりと並んでいます。これはもしや・・・?近くにいる人をひっ捕まえて尋ねてみると、やっぱり廻し(まわし)!

子どもたちはこの廻しを締めて十五夜行事を行います。お尻の形とかでずれ落ちたりして廻しが使えない子もいるそうなのですが(その場合は晒しを巻く)、今回はみんな大丈夫だろうとのこと。準備してるところみれるかなー??

ソラヨイ箱もあったよ

いつの間にか陽が落ちて、外は優しい光に包まれていました。

もうすぐ夜

天吹お爺ちゃん、再び

ひとまず外にでて、今度は広場で行われている準備をすかさずチェック!まずは一番最初に目に入った石像をパシャリ。

十五夜にお供えするお花といえばススキ

撮り終わって何気なく振り向くと、背後にさっきの天吹お爺ちゃんがいてビクゥゥゥ・・・!(撮り終わるのを待っててくれたんだろうな笑)

どうやらわたしの帰りの足を心配してくれていたようです。宿まで1時間以上歩いて行くか、捕まえられるか不安なタクシーの2択であることを伝えると!なんと!!お祭りおっかけカメラマンの老夫婦をご紹介いただき、車で送り届けてもらえることにーーーーー!!!

天吹おじいちゃん・・・!!!ありがとうだよぉぉぉ!!!!!

いつもなぜか旅先で親切なおじさまに助けられて生きているわたくし。おじさまだけにわかるフェロンが出てるのかしら・・・(若い子にとは言わないから、せめて同世代にも伝わるフェロモンほしい)

仲人してくれた後は、天吹について色々と教えてくれるおじいちゃん。表に4つ、裏に1つの穴しかないのにドレミファソラシドをはじめ、半音も吹くことができるらしい。この天吹は自分でそこらへんの竹から作ったんだって。す、すごい・・・!

今日はソロではなく2人で演奏。いつの間にかもう一人の天吹お爺さんが現れ(このお爺さんもヒッピーっぽい雰囲気でなんだかおもしろかった笑)、本番に向けて練習がはじまります。

天吹お爺ちゃんズ

その隙をついてサササとその場を離れるわたくし・・・(おい)。いや、だって!十五夜の準備をしているところも見たいんだもん!そのために来たんだもん!!ごめんねお爺ちゃん・・・本番でちゃんと聴かせてもらうからね・・・!!!

準備

相撲が行われる土俵周りでは着々と準備が進んでいました。四隅にお酒と塩を撒き、中央の榊と御幣がささった砂山にも塩を撒いて清めています(この砂山にはどんな意味があるんだろう?)。

もうすでにトキメキが止まらない!

手作り感満載の軍配

いつの間にか土俵前には、公民館の玄関に置かれていたお供物も運ばれていました。

秋の実り

「あけび」も久しぶりに見たなぁ

広場にはすでに綱引き用の長い綱も用意されて準備万端です。今はもう茅や藁を使った手作りのものではなく、既製品の綱が使われているんだね。ちょっとさみしい・・・。

手作りの綱を見たかったなぁ

いつの間にか空が真っ赤に燃えていました。

なんて美しい空

なにやら予感がしたので公民館へ戻ってみると、ちょうど子供たちの準備が始まっているところでした(あやうく見逃すとこだった!)。

廻し巻き巻きタイム

先ほど土俵を清めていた見るからに相撲が強そうなお爺さんが、匠の技で素っ裸の子どもたちにくるくる廻しを巻いていきます。

おちゃらけながら巻かれる男の子

いっちょあがり!!!

おじさまもきっと同じように子供の頃に同じ経験をしたんだろうなぁ・・・。

2人目に突入

最初に公民館に入った時にはひとつしかなかったヨイヨイ笠が、いつの間にか人数分揃っていました。カラフルな紙で作られた花や、七夕飾りのような網状の飾りがぶら下がり、とても華やかで可愛らしい。

腰に巻く藁のハカマも

公民館内では廻しを締め終わった男の子たちと、女の子が無邪気に暴れまわっています。性別関係なく遊んでるこの感じ、なんだかとても懐かしい。わたしにもこんな時代があったなーと、思わずニコニコ・・・。

いつでもテンションマックス!

天吹演奏会

19時前。あっという間に外は真っ暗・・・!公民館を出ると、すでに天吹の演奏が始まっていました。

あぁ!天吹おじいちゃん、遅れてごめんなさい!真ん前の特等席で、しっかり演奏を聴かせていただきます・・・!!!

天吹セッション中

ふと視線を感じて後ろを振り向くと、驚くほどに赤々とした満月が山の上から顔を出していました。なんて神々しい・・・。息を呑むような美しさです。今まで何度も見たことがあるのに、毎回初めて見るかのように心を掴まれてしまうのだから、月の威力凄まじい・・・。

でも・・・撮れない!撮れなぁぁぁーーーーーい!!!

万年カメラ初心者のわたくし。月の撮り方がちっともわからず・・・。美しさがちっとも伝わらないぶれっぶれな写真を量産するのであった・・・。

ほんとに、とてもとても美しかったんだよ?

この時ほんっとに悔しくて悔しくて!帰ってから撮り方調べて、ちゃんと月の写真を撮れるようになったから偉い(自分でほめる)。ちょうどこのブログを書いていた夜は満月でした。ソラヨイで見た時の月を彷彿とさせる真っ赤で美しい月だったので、代わりに載せておきますね・・・。

2023年12月27日、今年最後の満月です

月を撮るのは早々に諦めて、天吹の演奏を聴くことに集中します。月明かりがあるとはいえ、人の顔が判別つかないくらいの薄暗い場所。それなのに、演奏が終わるとスタスタわたしの方へ一直線に向かってくる天吹お爺ちゃん・・・!やっぱりフェロモン・・・なのか・・・??そのお陰でちゃんとお別れの挨拶をすることができて嬉しかった。わたしも人に親切でありたい。そう思わせてくれる素敵なお爺ちゃんでした。本当にありがとうございました!!

浮辺の十五夜ソラヨイ

触れ回りの歌

十五夜行事の始まりは子どもたちの歌から。土俵に一列に並び、大きな声を張り上げます。

「コンニャデント コムッガライッバ テマゴッチョ ホーイホイ」

真ん中の男の子がいつも元気っぱいだった!

何言ってるのかちっともわからない・・・!!

これは「触れ回りの歌」と言って、「今夜出てこないと 小麦藁束を一把 松明を5丁 ホーイホイ(今夜綱引きに来ないと、罰として麦藁や松明を出させるぞ)」という意味らしい。蕎麦や松明だなんて、時代を感じさせる歌詞だねぇ〜。

綱引き

歌が終わると、綱引きの綱へ向かって一斉に走り出します。

わ、わざとブレた写真撮ったんだからな・・・?(涙目)

大人 VS 子どもたち(地域の人たちみんな)で綱引きスタート!!!

暗くて暗くて暗くてね・・・。こんな写真しか撮れず

まず最初はお母さん数人とたくさんの子どもたちで綱を引き合ってあっという間に子どもの勝ち!2回目はお父さんたちも加わって(進行の人が大人気ない感じでやってくださいと言っていた笑)、がんばる子どもたちと接戦の末大人チームが勝利。最後は子どもの綱に大人も参加して子どもたちの大勝利!!!という流れでした。自分が子供の頃の十五夜綱引きもこんな感じだった気がするー!記憶が呼び戻されて、とっても懐かしくなりました。

綱引きの後に歌われた「綱引き前の唄」

ここでちょっとしたハプニング。なんと進行のおじさまが流れを間違ってしまったようです笑。本来は綱引きの前にやるはずだった「綱引き前の歌」を、子どもたちが歌います。

「ハッガッノジュゴ ヤンツーナエートエート ハッガッゴ

ジュンツーナエートエート ゴヤンゴヤンゴヤン」

八月の十五夜の綱へと綱へと(集まってよ)(豊作の)占いが始まるよ

純(清められた)十五夜の綱へと綱へと(集まってよ) ごやんごやんごやん

元気いっぱいに歌う子どもたち

この歌がめちゃくちゃ可愛かった!!!歌詞からわかるように、綱引きはもともと豊作を占うためのものだったのですね。最後の「ゴヤンゴヤンゴヤン」は「呪文のようなもの」らしい。とっても不思議な言葉の響きとリズム!思わず周りからも笑い声がこぼれるほどの愛くるしさでした。

子どもたちは来訪神?

綱引きが終わると、一旦子どもたちはその場から引き上げて再び公民館へ。

その間に綱は大人たちが片付けます

子どもたちはヨイヨイ笠を被り、一番の年長さんは藁袴も身につけて、神様へと姿を変えていきます・・・。

神さまと女の子の交流

そう、この子どもたちの衣装は、山から降りてきた神様の姿をあらわしているとされています。

このようにして薩摩、大隅両半島の先のカヤを主材料として十五夜綱を作る広い地域では、古くは部落の子供組が八月一日から山上で集団の精進生活を過ごして神となり、カヤを被って顔や体をかくした神の扮装をして山を下り、部落の広場で人々に豊作を約束し部落を祝福する儀礼を行うものであったと考えることができる。

小野重朗 著『十五夜綱引の研究』より

山から茅をとって降りてくる子どもたちは神様になって戻ってくるのですね。冒頭で話したように、わたしの父親も子供の頃に山に茅を取りに行き、茅を被って帰ってきていたといいます。もしかしたらこのソラヨイ行事も、はるか遠い昔、わたしの地元でも行われていたのかもしれません。

さて、どうやら準備が整ったようです。いよいよ待ちに待ったソラヨイが始まります。

準備完了

ソラヨイ

神に扮した子どもたち。満月の夜に、凛とした歌声が響き渡ります。

「ソーレワヨイ ヨーイヨーイヨイ ヨイヤショ シリーッ シリーッ

ソラヨイ ソラヨイ ソラヨイヨイヨイ」

一列になり、膝に手を置いて腰を左右にくねくね振ったり手を叩いたり、頭の横で手をくるくる回したりと、不思議な歌に合わせたユニークな動きで土俵に向かって進んでいきます。

まるで相撲の四股を踏んでいるような姿

「ソラヨイ」。なんだかとっても心地のよい言葉の響き。「それは良い」という意味で、秋の収穫を祝い、豊作を祈る言葉といわれています。なるほど聞いてて気持ちのいいはずだー。

南九州一帯で八月一日をタノモンセツというのは頼みの節句の意味で、この日は人々が神に作物の豊かな稔りなどを頼む日なのであろう。その人々の頼みに答えて、神になった子供たちが神の扮装をしてソラヨイ、ヨイ、ヨイと作物のできのヨイことを教え約束しているのであろう。(中略)ソラヨイ、ソラヨイと地を踏むのは土地または土地霊に対する儀礼で、土地をふみ鎮めふみ固めて、作物のよくできる豊かな土地に対する意味をもった行動なのであろう。

小野重朗 著『十五夜綱引の研究』より 

頭上には浩々と輝くまんまるお月様。その月明かりに照らされて、ぼんやりと浮かび上がる子どもたち。現世と常世、人と神、すべての境界が曖昧になる感覚・・・。

幻想的な光景

「ソラヨイ ソラヨイ ソラヨイヨイヨイ」

「それは良い、それは良い」と、ことほぎの言葉を繰り返しながら、大地を踏み締め、一歩一歩進んでいきます。

もののけじみたポーズの男の子

土俵に到着

土俵の周りをぐるっとしてから土俵に上がり輪を描き、再び歌と踊りが繰り返されます。

「サーヨイヤショ シリーッ シリーッ

ソラヨイ ソラヨイ ソラヨイヨイヨイ ソラヨイ ソラヨイ ソラヨイヨイヨイ」

おもしろいのが4回繰り返す内の3回目だけ、言葉を発さずに「無言」で踊るところ。「黙い(だまい)」といい、その意味ははっきりしておらず「神様が通るとき」と言われているそうです。おもしろいー!小学生の頃、教室で同級生たちが各々談笑している時に突然会話が止まり教室中がシンッてなる瞬間が時々あって、そういう時「天使が通った」とかなんとか言ってたことを思い出しました。

そして、今度は2人1組で向かい合って同じ歌と踊りを繰り返します。

全力で歌う元気いっぱいの男の子

後ろで輝いているのは照明ではなく満月

土俵での歌と踊りが終わり、再び一列になって公民館へと戻っていきます。

ソーラヨイ ソーラヨイ ソーラヨイヨイヨイ

公民館でゴール!!!

まだまだ見ていたかったソラヨイが終わってしまいました・・・。子どもたちは衣装を脱ぎ、再び土俵へと戻っていきます。

相撲

十五夜行事ラストを飾るのが相撲です。

相撲の歴史

相撲の起源は定かではありませんが、神話の世界まで遡ることができるといいます。奈良時代になると七夕の時期に天皇や貴族たちの前で相撲が執り行われるようになり、平安時代には五穀豊穣、天下泰平を記念する神事として宮中の年中行事にもなっていきます。それは、日本各地でその年の農作物の収穫を占う儀式として相撲が盛んに行われていたことに由来するそうです。

▼以下サイトより簡単にまとめさせていただきました。

ソラヨイには、相撲の四股を踏む(大地に潜む邪気を払っている)動作と似ている部分が見られますが、ソラヨイの方が相撲の原型であるという説もあるようです。

ソラヨイが十五夜角力の前に行われることなど、ソラヨイと角力との深いつながりを思わせる。ではソラヨイは角力の四股をふむ行事を真似て踊り化して始まった行事だろうか。私はむしろその逆だろうと思う。ソラヨイの方が角力の四股踏みなど角力儀礼の原型になるもので、それがこの地方に残っていて、日本の角力文化の原初の形がこのソラヨイに見られるもののように思う。※「角力」とは「相撲」のこと

小野重朗 著『十五夜綱引の研究』より 

ところで、相撲は今では女子にも大人気の競技だよね。わたしはね・・・相撲に限らずスポーツにはまっっっったく興味ないのだよ!オリンピックの時も常に平常心で日々生活している非国民・・・。そんなわたくしなので、相撲の土俵が開催場所ごとにその都度新しいもの作っているということをこの度生まれて初めて知りました。浮辺では15時くらいから土俵作りをするって聞いていたけど、土俵を一から作ったのかな?見学したかったけど時間が足りなかったんだよーーー。

土俵開き(土俵祭)

相撲を始める前に、まずは子供たちが土俵の中央の御幣が刺さった砂山を崩し始めます。ずーっと気になってたけど、この砂山は一体何なの・・・???

楽しそう!

この、子供たちが砂山を崩す行為。相撲の競技前に行われるという「土俵開き」、「土俵祭」と言われるもののようです。

安全と興行の成功、さらには国家の安泰、五穀豊穣を祈願し、神さまを土俵に降ろすための儀式。日本相撲協会の土俵祭では、御幣の刺さった砂山を崩す・・・というものではありませんが、検索すると各地域の行事で奉納される相撲の土俵で、同じように御幣と砂山が盛られた写真をいくつかみることができました。きっと知らないだけで、相撲の世界ではポピュラーなものなのでしょう。

その砂山を崩して、いよいよ相撲が始まります。

「はっけよーーーい」

にらんでにらんで〜

「のこった!!!」

のこった!

のこったのこった!!

勝負あり・・・!!!

負けて悔しがってるのも可愛い

さぁーて、お次の試合。まずは塩を撒いて・・・

この子が一番相撲が似合う姿してた

えいやー!!!

やっぱり強い!

男の子たちの対戦が終わると、お次は女の子のファイトタイム。これがめちゃくちゃ盛り上がった!負けん気の強い女の子たちのパワー!ぜんぜん勝負がつかないの。男の子たちよりもたくましい・・・!!!

尻にしかれる男の子たちの未来が見える

一通り対戦が終わり、最後は土俵で一列になってみんなでお辞儀。浮辺最後の十五夜ソラヨイがこの日終わりを迎えたのでした。

「100年後にまた行われているかもしれません」

結びの言葉を噛み締めます。またいつの日か復活する日がくるといいな。そう願わずにはおられない素晴らしい十五夜行事でした。

終わらない十五夜

「終わり」の挨拶はあったものの、子どもたちの夜はまだまだ終わりません・・・!どうやら相撲をしたくてうずうずしているご様子。

「はっけよーーーい!」

いつも元気いっぱいの男の子が行司役

「のこった!!!」

大人1人 VS 子供2人でした笑

その様子が泣きたくなるほどに美しくて・・・ずっと眺めていたかった・・・。

終わらない最後の十五夜

けれどわたしは置いてけぼりにされると歩くかタクるかの2択しかないのです!大人しく帰りましょうね・・・。地元の人たちを残し、この場を後にします。あぁ、名残惜しい・・・。

車でピューン!

親切なご夫婦に宿まで無事送り届けてもらい、ほっと一安心。移動中に鹿児島のお祭りおっかけご年配カメラマン事情も聞けて大変興味深かったです。奥様はわたしが大好きな市来の七夕踊りに子供の頃行ったことがあるそうで、そんな話も聞けて嬉しかった。本当にありがとうございました!!

最後に

わたしの地元ではソラヨイはなかったけれど、十五夜に綱引きをしていました。父親が子供の頃に茅を被って山から帰ってきたという話からも、元々は広範囲でソラヨイ行事が行われていたと考えられます。遠い遠いはるか昔、わたしの祖先は山の神に扮して豊作を祈り、月と大地に感謝して歌い踊っていたのかな・・・?そんな想像をしていると、浮辺の十五夜ソラヨイがとても身近なものに思えてくる。今年で最後になってしまったけれど、その瞬間に立ち会うことができてよかった!2023年の十五夜は、より特別な思い出として記憶に刻まれたのでした。

我が家に伝わる月の子守唄

昔から受け継がれてきたものが失われてしまうことはとても悲しい。せめて記録に残したい、そんな思いが芽生えてきます。今回の十五夜行事とは関係ないのだけれど、母親が受け継いできた子守唄があって、わたしもその歌を聞いて(小さい頃は一緒に歌って)育ちました。歌詞は月に関するもの。わたしには子供がいないので、きっとこの歌も何十年後には消えてしまう運命・・・。それならせめて、このブログにだけでも残したいと思います。

お月さまは偉いな

お星様と兄弟で

三日月になったり

まんまるになったり

 

お月さまは偉いな

いつも年を取らないで

春夏秋冬

にっぽん中を照らす

とても素朴な子守唄。1番と2番があって、実はメロディーはすでにうろ覚え・・・(もしかしたら歌詞も1番と2番で一部入れ替わってるかもしれません)。母親がまだ元気なうちに、この子守唄についてもっと聞いておきたいなぁ。

さて、最後は十五夜ソラヨイとは関係のない話になってしまいましたが、わたしは大満足です!浮辺のソラヨイは今年で終わりだけれど、まだソラヨイを行っている集落はあります。次目指すのはもちろん中福良のソラヨイ!子どもたちがいる限り、ずっと続いてくれますように・・・。

役目を終えた浮辺のヨイヨイ笠

■参考サイト

浮辺自治会 ・・・とっっっても良いサイトだった!浮辺のソラヨイの歌詞等はこちらから引用させていただきました。昔のソラヨイの動画も色々アップされてておもしろそう!(わたしもまだちゃんと見れていない)。浮辺のソラヨイについてもっと詳しく知りたい方はぜひ。

十五夜ソラヨイ(浮辺) - 鹿児島祭りの森

【使用カメラ】digital:SONY α7III 、SIGMA dp3 quattro、iPhone SE2 lens:Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 mmj、Flektogon Carl Zeiss Jena 35mm F2.8

03南九州・十五夜ひとり旅2023【最終回】につづく▼▼▼

01.南九州・十五夜ひとり旅2023【隠れ念仏と田の神さぁ編】

旧暦8月15日は中秋の名月。わたしは十五夜という呼び方の方がしっくりくるかなぁ。子供の頃、実家では縁側に母親が作ったぼた餅や、焼酎瓶にススキが飾られていたことを覚えています(小豆ぎらいだから食べれないけど・・・)。

なぜ急にそんな話をしたのかって?それは今回の旅の目的が十五夜行事を見るためだったから。今年、2023年の十五夜は9月29日でした。「旅」と呼ぶには短すぎる、ちょっとそこまで・・・な、十五夜ひとり旅。どうぞ最後までご覧くださいませ。

CONTENTS

博多から鹿児島へ

新幹線で博多駅から鹿児島中央駅へ。車があればそこからひとっ飛びではありますが、毎度のことながら公共交通機関と己を足を酷使する旅でございます。

鹿児島中央駅にぷかぷかくらげが浮かんでいたよ

指宿枕崎線に乗り換え、海と薩摩富士を眺めながら鈍行でのんびりと向かいます。

着いた!

大ピンチ!油油油まつり

到着したのは南九州市の頴娃(えい)町にある西頴娃駅。

鹿児島人以外で頴娃を「えい」と読める人はどれだけいるだろうか?

しかしまだまだ目的地には着きません。乗り換えのバスの時間まで1時間ほど。ちょうどお昼時だったので、近くのからあげ屋さんでお弁当を仕入れることにします。

唐揚げ屋さん前の駐車場には麗しい美猫さまが

からあげ村長。嫌いじゃないぜ、そのセンス

揚げたてのお弁当を受け取り、本日の昼食会場へ・・・(バス停です)。

最高のランチタイムの始まりだぜ・・・!!!

(目の前が学校だったので、不審者に思われやしないかドキドキ)

揚げたての唐揚げは美味いに決まってるだろ?特に塩が!美味すぎた!!(塩と醤油味の2種類から選べました)なかなかボリューミーで食べてる途中でもうお腹いっぱい・・・。欲望のままについ砂ずりの唐揚げまで頼んでしまったのがあかんかった。油油油まつり!これでもかってくらい油が胃に重くのしかかってきます(大量の油が受け付けない年頃なのじゃよ・・・)

やばい・・・バスがもう来てしまう・・・!急いでかっこむ・・・けど無理!!

もうバスきちゃった!!!

ぶつかってきそうなくらいスレスレで止まって死ぬかと思った

砂ずりの唐揚げを半分だけ残し、とりあえずバスの中へ・・・。なんでいつもこんなバタバタ・・・優雅に旅できないものかね・・・。

これから向かうのは知覧特攻平和会館やお茶の名産地としても有名な知覧町。車窓からは不思議な形の山や、茶畑が延々と広がっていました。地元が近いわたしにとっては、茶畑はどこか懐かしさを感じる風景です。

茶畑には大きな扇風機がワンセットだよね(霜を防ぐためにあるんだって)

ところで今回乗ったバスが曲者でした。見た目はちゃんとしたバスなのに、停車するバス停のアナウンスが小さい・・・。それだけならまだしも放送されない時すらあって「え?え?」ってなりながら突き進んでいくのです・・・!!これはうっかりしてたら降りたいとこで降りれないや!つ!!慌てて地図アプリを片手に通り過ぎていくバス停をチェックしながら渾身の「ピンポーーーーーン!!!」。なんとか無事下車することができました・・・(めちゃ焦ったわ)。

「東門」で下車。運転の荒いおじいちゃん、さよならだよ(安全運転してね)

数日前に秋分の日を迎え、暦の上ではすでに秋。バス停の周囲には彼岸花が咲き、秋の気配を感じるものの、まだまだ昼間は厳しい残暑が続いていました。

黄色の彼岸花に蝶が戯れていた

つまり、このままでは先ほど食べきれなかった砂ずりが腐ってしまう・・・!そう、わたしが今真っ先にしなければならないのは、この砂ずりを一気することなのだ・・・!!!!!(美しい彼岸花を前になんて情緒のない・・・)

腹10分を超えた胃袋に無理やり押し込み(味は美味しいんだよ・・・食べきれないのに欲張ったわたしがいけないんだよ・・・)何度も気持ち悪くなりながらなんとかフィニッシュ!!!最後まで美味しくいただけなくて、揚げたての唐揚げに申し訳ないことをしてしまったな・・・。

知覧町をぶらぶら散策

さて、夜から始まる十五夜行事まではまだ時間があります。知覧観光するために少し早めにやってきたのでした。知覧といえば知覧特攻平和会館や武家屋敷が有名ですが、今回十五夜行事が行われる地区からは微妙に遠い・・・。どうにか歩いて周れる範囲で観光することにします。

まだまだ厳しい残暑の中、汗をだらだら流しながら歩いていると、秋の訪れを感じる様々な色の彼岸花があちこちで出迎えてくれました。

昔は赤しかなかったよね?いつからこんなにたくさんの種類が彼岸花を見られるようになったのだろう

田の神さぁ巡り

歩いて周れる場所といっても、周りにあるのは田んぼや田んぼや田んぼくらいしかないので、観光できるところは実はあんまりなかったり。でも、田んぼがあるなら田の神さぁがいらっしゃる!!!(「たのかんさぁ」と読みます。かわいいでしょ?)というわけで、田の神さぁ巡りをすることにいたしましょう。

田の神さぁってなぁに?

これまでのブログの中でもたまぁーに出没していると思われる田の神さぁ。ちゃんと詳しく書いたことはなかったかもしれません。

田の神は、冬は山の神となり、春は里におりて田の神となって田を守り、豊作をもたらすと信じられています。「田の神」信仰は、全国的な民俗行事として古来から農村に浸透していますが、「田の神」を石に刻み(田の神石像)豊作を祈願する風習は、18世紀初めに始まる薩摩藩独特の文化です。「田の神石像」ができたころは、霧島の噴火・天災などが原因で、農家にとって大変きびしい時代でした。(中略)農家は霧島の噴火をやめさせ、稲作の豊作を願うために「よりどころの像」を作るようになったといわれています。

田の神さぁってなぁに? – 宮崎県 えびの市観光協会 より抜粋

今年のGWに訪れてた鹿児島市の黎明館の民俗コーナーにも、さまざまな形をした田の神さぁが展示されていました。

田の神の分布と類型の図

田の神は、稲を育てる水田を守り豊作をもたらす神として、水田の畔や水田を見渡せる小高い場所、あるいは井堰や溜池などの水の取り入れ口、家の床の間などに祀られている。石像だけでなく、自然石や木像、陶器の像も存在する。その形は頭にはシキを被り、手にはメシグとスリコギを持っているのが、最も代表的な形である。また、後ろ側から見ると全体が陽根の形をしているというのも一般的である。(後略)

出典 小野重朗『田の神サア百体』(黎明館の展示より)

えーっと、上記のマゼンダ色に注目ですよ。後ろ姿が「陽根(つまりは男根)」の形をしている・・・!?え、今の今まで知らなかったよぉーーーーー!!!でも、前に撮った写真を見返してみると、ちゃんと後ろ姿も撮っておりましたね。えらい、わたし。

言われてみれば、確かにそう見えなくもない・・・
【後編】真夏の田園ラプソディ!市来の七夕踊に掲載の田の神さぁ(いちき串木野市)

瀬世の田の神

そして、今回バス停から歩いてすぐに出会った知覧の第一田の神さぁ!周囲は鮮やかな稲穂の海。とても美しかったです。

やっぱりちゃんと後ろ姿撮ってた。えらい。

周囲の田んぼではお爺ちゃんとまだ若いお孫さんが一緒に稲刈りをしていて、なんとも微笑ましかった。

パラソルおじいちゃん

その様子を見守る田の神さぁ

次なる田の神さぁを目指す前に、わたしには行きたいところがありました。実はとっても気になっていた場所。そこを目指して歩く歩く歩く。

どこまで歩けばいいんだい?

ときおり現れる案内看板を辿っていきます

暑いし汗だらだらだし、それよりも何よりも歩きすぎてすでに足が痛い・・・痛いよ・・・!!!

いつも歩きながら出会う植物に癒されています

ついに目的地近くの休憩所に到着。近くには民家しかないので、徒歩の身としてはトイレがあるのがとてもありがたかったです(もよおしたら野でするしかないからな・・・)。

立山のかくれがま(立山かくれ念仏洞)

これから行く場所についての解説もありました。以下解説板より抜粋。

南九州に一向宗が伝わったのは、室町時代とされています。江戸時代一貫して一向宗(真宗・浄土真宗)を禁止していたのは、薩摩藩と熊本県人吉市を中心とした相良藩の二藩だけでした。信者達は「南無阿弥陀仏」と、唱えることで自分の祈りの心を表していました。この「南無阿弥陀仏」を唱えることを「念仏」といいます。信者達が禁止されているにも関わらず、隠れて念仏を唱えていたので「隠れ念仏」と呼ばれています。

ここ「立山のかくれがま」もそんな「隠れ念仏」の史跡の一つです。「がま」とは鹿児島弁で山の傾斜などに掘った横穴のことで、立山の「がま」は目立たないよう竹山の中に掘ってあります。入り口は狭く、大人一人かがんでようやく入れるほどです。中は広く掘られ、入り口から北へ六メートル進み、そこから左へ四メートル程あり大人が立って歩け、空気抜きの孔もあったと伝えられています。また、「がま」のそばに椿が植えてあるのは、当時花を供えると役人に見つかってしまうかもしれないので、それと分からないように植えたということです。ただし、現在の椿は当時からのものが枯れてしまったので、新たに植えかえたものです。(後略)

そう、目指していたのは薩摩藩から一向宗を禁止されたにも関わらず隠れて念仏を唱えていたという立山のかくれがま。

公園を通り過ぎ、さらに歩いていくと、ついにそれが現れました。

竹林に囲まれた空間

左すみに小さな大人が屈んで入れるくらいの小さな穴が見えます。どうやらここが入口らしい・・・。こ、こわい・・・・・

センサーが反応して灯りが突然点灯してビクゥゥゥ!!!

ここを通るとセンサーが反応するようです。知らなかったから吃驚した

扉を開けて、ドキドキしながら中に入ります。

ドキドキドキ・・・

階段を降りて左に曲がるとすぐにぽっかりと空いた空間に出ました。右に顔を向けるとさらに小さな穴に仏像が納められています。この小さな洞穴で信者たちは念仏を唱えていたのですね・・・。

仏像の前にはお賽銭

わたしも手を合わせて「南無阿弥陀仏・・・南無阿弥陀仏・・・・・」。
唱えてからすぐ「怖い!怖いよ!!!」となってすぐに離脱・・・!!!

外の明かりが見えてホッ

こ、ここここわかったーーーーー。

お化けが怖いというよりも、誰かがやってきてこの薄暗くて狭い空間に閉じ込められたらどうしようかと。ここに来ることを誰にも言ってないから神隠しに合ってもわかりゃしませんぜ・・・。

日の光に安堵しながら穴の横にある祭壇に目を向けると、整備された当時の発掘の様子や内部の実測図の解説が掲示されていました。

立山はかごんま弁では「たっちゃま」と発音するんだね。かわいい

言葉だけは知っていて、その歴史についてはよく知らなかった隠れ念仏。宗教は違えどキリシタン弾圧と同じ宗教弾圧。敷地内には禁教下の日本のキリシタンを連想させる椿も植えられていて、単なる偶然ではあるけれど不思議とシンクロする部分があり、今年ずっとキリシタンを追いかけていた身としてはどうしてもふたつを重ねずにはおられないのでした。

敷地内に植えられている椿の葉と、かくれがま
(休憩所の解説の通り、現在植えられているのは当時のものではなく新たに植え替えられたもの)

秋の実りと田の神さぁ

ちょっぴり怖い思いをしたところで、田の神さぁ巡り再開です!!

また歩く・・・歩くぞ・・・・・

やっぱり秋

もこもこしたおもしろい植物もいた

旧道っぽい道を歩かされ・・・。

こっちであってるの・・・?Googleマップさん・・・いっつもスパルタだよね?

そして、やっぱり秋

あ、猫ちゃん!!!

塗木の田の神

そして、草ぼーぼーの場所でひっそりと佇む田の神さぁ。こちらのお方は1748年に作られたもので、右手に鍬(くわ)、左手に宝珠をを持ち、背中にはツト(藁などで作られた食べ物を入れる容器)を背負っている姿をしています。

塗木の田の神

近くからはビュンビュン車の走る音がするのに、と、通れない・・・!!という道に案内され、Uターンする場面も・・・。

Googleマップ先生、この道通れませんよね・・・?

果たして今夜、十五夜行事を見に行くことができるのだろうか。ここをいつ脱出できるのか分からず、ちょっと不安になってきました・・・。

人里へと辿り着くためにひたすら歩く

人気のない道を歩き続け、なんとか木々に囲まれた道を脱出・・・!!

ほっとしたーーーーー!ところに猫ちゃん・・・!!!(遠い)

そしてここからまだまだ歩き続け・・・

黄金色の稲穂

浮辺の田の神

いよいよ足が限界・・・自分的にたのしい風景もぜんぜんない・・・それを見つける余裕すらない・・・・・・

そんな苦しみの中でついに・・・

ラスト田の神さぁ発見・・・!!!

沈みゆく太陽に照らされる田の神さぁ

今夜、十五夜行事を見にいくのはこちらの田の神さぁがいらっしゃる浮辺地区。十五夜は秋の実りに感謝する行事でもあります。田の神さぁ巡りを締めくくるのに相応しいお方といえるのではないでしょうか。この辺には他にも田の神さぁがいらっしゃるのですが、我が足で巡るにはここまでが限界でした・・・。

ちょうど陽が暮れ出して、飴色の光が稲穂を照らしてキラキラと輝いていました。

秋の実り

収穫に感謝し、豊穣を願う十五夜行事に向けて、自然と気持ちがどんどん高まってきました。それが目的だったわけではないけれど、これから見にいく十五夜行事の意味を深く感じるためにも田の神さぁ巡りをしてよかったなぁとしみじみ思うのでした。

飴色の道を歩く

さて、今回訪れる浮辺の十五夜行事は、夜空に月が浮かんでからスタート。暗くなるにはまだちょっと早いけれど、そろそろその行事が行われる場所へと向かいましょう。準備する様子も見たいもんね!

落ちる陽は濃くなり、影が長く伸び始めます

十五夜行事の会場である浮辺公民館に向かって歩いていると、同じ方向に歩いていく親子やご年配の人たち姿がちらほら・・・。どうやら目的地は同じようです。その人たちに続いて公民館に到着すると、すでのたくさんの人たちで賑わっていました。待ちに待った十五夜が、いよいよ始まろうとしています。

【使用カメラ】digital:SONY α7III、iPhone SE2 lens:Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 mmj、Flektogon Carl Zeiss Jena 35mm F2.8

02南九州・十五夜ひとり旅2023につづく▼▼▼

【前編】真夏の田園ラプソディ!市来の七夕踊

鹿児島県いちき串木野市の大里地区で400年以上も続く「市来の七夕踊」。巨大な張り子の動物たちが暴れ回り、美しい装飾の花笠を揺らしながら踊る太鼓踊り、琉球王行列や大名行列等、総勢数百人規模でおこなわれる賑やかな真夏のお祭りです。

張り子の虎

CONTENTS

はじめに

わたしと七夕踊の最初の出会いは、お祭りを写した白黒写真からでした。巨大な張り子の虎が暴れ回る様子が写されていて「なんだこのお祭りは・・・!!」と、衝撃を受けたのが始まり。実際にその虎に会ってみたい・・・そんな思いが募り、初めて訪れたのが今から10年前(!)の2013年夏でした。

場所もよく分からず、車を止める場所にも手間取りながら、ようやく近くと思われる場所に到着すると、田園の隅にはカメラを構えポジションを確保しているおじおばさまがいました。

未来のわたし

もしかして何かがこっちにやってくる・・・???

・・・!!!

!!!!!

目の前に現れたのは巨大な鹿・・・!!

夏の日差しを浴びて青々と輝く田園に囲まれた一本道を張り子の鹿が練り歩くそのシュールで牧歌的な光景に一瞬で心を奪われます。この後にもさまざまな素晴らしい光景がわたしの前に現れ、夏の猛烈な暑さと共に鮮烈にわたしの心に刻まれたのでした。

この体験がとんでもなく楽しすぎて「毎年ぜったい行くぞ!!」そう強く思ったはずなのに・・・1年、2年とあっという間に時は過ぎ、次に訪れたのはなんと6年後の2019年でした。

そしてこの年に重大な事実を知ることになります。

「来年の2020年で市来の七夕踊りは休止」

高齢化や過疎化により今までの規模で行うことが難しくなったことが理由。もちろんわたしは大ショック!!!大大大好きな七夕踊が見れなくなる日がくるなんて・・・。これまで何度もチャンスがあったのに行かなかったことを激しく後悔しました。「休止」という言葉にわずかながら希望を持たずにはおられません・・・。

「ラスト奉納の来年は必ず行くぞ!!!」(今度は本気だ!)そう心に誓ったのに、ご存知の通りコロナ・パンデミック襲来・・・。もちろん七夕踊の最後の奉納も延期を余儀なくされ(このままフェードアウトしないかヒヤヒヤしてた)、実際に開催されたのは疫病との共存を模索し始めた2022年のことでした。

前編では2013年と2019年に訪れたコロナ禍前の完全版「市来の七夕踊」の写真をもとに、お祭りの由来や構成等を紹介。後編は去年奉納された最後の七夕踊を旅行記として綴りたいと思います。

今年からは完全な形で見ることができないお祭りではありますが、ブログを読んでまるで七夕踊を実際に体験したかのように感じてもらえると嬉しいです。

市来の七夕踊の由来

市来の七夕踊の歴史は、豊富秀吉の時代まで遡ります。秀吉の朝鮮出兵の際に大活躍した島津兵たち。当時島津藩の直轄地であった市来ではその活躍をことのほか喜び、当時の人々は思い思いに趣向を凝らした郷土色豊かな踊りを創案。祝賀会場で踊ったのがその始まりと言われています。

青空を泳ぐのぼり旗ときらきら煌めく七夕飾りが眩しい

その様子が島津藩主の耳に入り大変喜ばれ、以来この踊りに島津家の家紋である丸十の使用が許されます。現在でも七夕踊で使用される道具や衣装等に丸十を見ることができます(上の写真ののぼり旗にもあるね!)。

その後、金鐘寺の住職と地頭の床濤到住(とこなみとうじゅう)の2人が協力して田んぼの開拓を行い、1684(天和4)年に完成。その祝賀会の余興として大々的に踊られ、以来豊作祈願や神への感謝を込めて毎年踊り続けられ現在に至っています。

堀之内庭(朝)

お盆前の一番暑い時期に朝から晩まで集落のあちこちで奉納される七夕踊。一番最初に奉納されるのは「堀之内庭」と呼ばれる場所で、敷地内には開田者のひとりである地頭の床濤到住の碑があります。

床濤到住の碑

碑を囲む煉瓦にも島津家紋の丸十

七夕踊の日は毎年旧暦の7月7日でしたが、時代の移り変わりと共に1972(昭和47)年からは8月7日に近い日曜日に開催。七夕の日の踊りとはいえ、到住の霊を慰めるために行なわれるとの伝承や、張り子たちも動物の精霊を示すものと考えられ、亡き霊を供養する盆行事の前祭りの性格もうかがわれるそうです。

堀之内庭の片隅で出番を待つ張り子の動物たち

8時30分頃。堀之内庭で最初の太鼓踊りが奉納されます。

踊り手さんたちを団扇で仰ぐのも昔から変わらない光景

見た目も動きも派手な虎の張り子をはじめとする賑やかな動物たちに目を奪われがちですが(わたしのことですね・・・)、七夕踊の主役はこの太鼓踊り。その姿を実際に目にして大好きになりました。

ここでの奉納を終えると皆様ぞろぞろと移動し始めます。

とんがり帽は琉球王行列

窓が切り取る田園が美しい

ある民家では日の丸旗が掲げられていました

なぜか泣きたくなる風景

鶴岡八幡宮(金鐘寺)

後をついていくと、堀之内庭から歩いて数分の場所にある鶴岡八幡宮(金鐘寺)へと辿り着きます。

ぞろぞろぞろ

ごつごつした味のある階段の先には小さな空間が広がっていました。

中央には七夕踊の提灯。このようなこじんまりとした地元の神社が大好きです

神社の片隅では、太鼓踊りの人たちが被る美しい花笠がまるで風鈴のようにゆらゆら揺れています。

美しい

金の丸十や、籠目(魔除けの意味だろうか?)、ぐるっと周りを囲う日の丸旗、太陽や山等の様々なシンボルも気になります。わたしはこの花笠がとっても美しくて大好き・・・!!!

色とりどりの色紙で華やかに彩られた花笠

いつもは人気がなくひっそりとしているであろう神社に続々と人が集まってきました。

子供たちはカメラマンたちにとって最高の被写体

そうこうしていると琉球王行列をはじめとする行列物が円を描きながらぐるぐる踊り始めます。これには中心で踊る太鼓踊りを守り、見物人などをあまり近寄せないように整備する意味があるそうです。

琉球王行列。ラッパの音がなんだかおまぬけで可愛くて大好きなんだよー

太鼓踊り

みんなが見守る中、輪の中心で太鼓踊りが始まりました。

鹿児島は太鼓踊りの宝庫と言われていて、中には戦での武士を鼓舞するかのような躍動感のある踊りも多く見られますが、七夕踊の太鼓踊りは哀調ただよう踊り。それは念仏踊りの流れを組んでいるからだそうです。

木漏れ日が地面に模様をつくる

大里地区に生まれた男性は必ず生涯に一度はヤッサ(役者)と呼ばれる太鼓踊りを務めないといけない決まりがあるらしい。ヤッサの中でも一番踊りと歌のうまい人が「一番ドン」(踊り全体のリーダー)で、その補佐的な役割をするのが「二番ドン」。これらに選ばれるのが最も名誉なことなのだとか。

改めてよーく花笠を見てみると、一番上の丸十部分の片側に「頭」と書かれているものがありました。おそらくこれを被っている人が「一番ドン」。

見れば見るほど美しい花笠

他の花笠も丸十の色が金や銀だったり、中が赤に塗られていたりと微妙にデザインが異なっていることに気付きます。それぞれ意味があるのだろうか?気になる・・・。

ちょっと待って。右の花笠、通常では松や山、鳥居等が描かれてる絵の部分がアニメのイラストなんですけど・・・!(伝統的な絵じゃなくてもいいんだ!?)

一番ドンにはソロパートもあります。カッコいい!!!こりゃ憧れちゃうね〜。

2013年の一番ドン

2019年の一番ドン

太鼓踊りに花を添えるカネウチの子供たちの花笠も魅力的。大人たちにはない色とりどりの紙の飾りがひらひらとたなびき、その愛らしさに磨きをかけています。

暑い中がんばってる!

張り子の動物たちにを目的に訪れた七夕踊でしたが、実際に太鼓踊りを目にして大好きになってしまいました。特に神社の境内で見る太鼓踊りが好き。

風にゆれる花笠の飾りと色とりどりな境内の七夕飾り

門前河原

神社での奉納が終わります。地元の人でなければここで路頭に迷うこと必至!車でなければちょっとした距離を歩くことになります。

早くあの場所に飛んでいきたい!!!

次の踊り場である門前河原に到着した頃には、すでに虎や牛たちの張り子は大暴れ!琉球王行列や大名行列等も勢揃いして大賑わいです。午前中、ここで最初のクライマックスを迎えます。

飛んでいきたいぃぃぃ!!!

行列の構成

ツクイモン(作り物)

七夕踊を一層賑やかなものにしているのが「ツクイモン(作り物)」と呼ばれる巨大な動物の張り子たち。鹿、虎、牛、鶴の4種類あり、それぞれ作る部落が決まっています。

・鹿

まず行列の先頭を切るのはシャープなお顔立ちの鹿。わたしがファースト七夕踊にコンタクトした時に一番最初に見た動物ですね!張り子の中に入って操る人たちの他に鹿捕りの狩人が数人いて、暴れる動物たちと愉快な寸劇が繰り広げられます。

鹿捕りピンチ・・・!!!

・虎

次に続くのが、わたしが七夕踊に行きたいと思うきっかけとなった虎。

「虎がくっどーーーーー!!!」

この叫び声と共に繰り広げられる七夕踊の目玉のひとつともいえる野外劇。秀吉の朝鮮の役での虎狩りがモチーフになっています。虎の姿もとっても凶暴で愛くるしいのですが、この虎と虎捕りおっちゃんとのやりとりが最高に楽しいのです・・・!!!

虎と槍一本で戦います

もう・・・っっっ最高に大好きです!!!

桶に入った焼酎をぐびぐび飲みながら演じるのがこれまたいいんだよね。

左で焼酎飲んでる虎撮りのおっちゃん

なんとこのおっちゃん、驚くことに18歳の時から約60年もの間ずっと虎捕りをしてたんだって・・・!!

若者の誰よりも動きまわる虎捕りのおっちゃん

おっちゃんの生き甲斐ともいえる虎捕りをもう演じることができないだなんて・・・。代わりにわたしが泣いちゃうよ・・・。

・牛

虎の後には目がくりくり可愛らしいお牛が続きます。

動きもとってもユーモラス!牛使(うしつけ)の合図で、巨大な牛はお尻をぐいっと空高く跳ね上げます(すごい!!)。これを「牛が飛ぶ」という言うそうです。素敵!!!

持ち上げているところを後ろから

先ほどの堀之内庭にはちびっこ牛使いもいました!かわいい〜。

2019年撮影

・鶴

ツクイモンの最後は鶴。こちらは暴れん坊の虎や牛などとは違い(鹿もちょっとおとなしい印象)、喧騒などどこ吹く風とっいったようにのんびりゆるやかに動きます。他の張り子は数人で動かしていましたが、こちらはひとり。鶴の前には餌撒きがいて、稲の籾殻をこんもり盛った桶を肩で天秤のように支え、周囲に巻きながら鶴を誘導します。

餌の籾殻

足の動きが面白い

こちらにも可愛いちびっこ鶴がいました!!

2013年撮影

4体の動物の張り子たちがじゃらじゃら体にまとっている茶色の植物は、山から採ってきて天日干ししたガラメ(山ブドウ)。例えようのない香ばしい薫りがするそうですが、わたしは嗅ぎそびれてしまいました・・・。

こちらはお尻ふりふり鶴のガラメ

これら愉快なツクイモンの後に、琉球王行列(琉球王が島津義弘の戦勝を祝って貢物を持って薩摩を訪れたことに由来)や、大名行列、薙刀行列が続きます。薙刀行列は太鼓打ちのヤッサ(役者)の前と後ろにつき、その露払い、後払いの役をするそうです。

払い山

午前中に1度目のフィナーレを迎え昼食を挟んだ後、16時頃から「払い山」と呼ばれる踊り場で奉納が行われます。

払い山

ぽんかんの看板の下にも色褪せた虎いた!

開始時刻前、払い山へと向かう田園に囲まれた道を歩いていると、おじさまたちが大きな牛の体の影に身を隠し休んでいました。

わたしもお牛の体に守られたい…

時間が近づくにつれ、人々や動物たちが集まってきます。

胸が苦しくなるほど美しい日本の原風景を垣間見る

この田園風景から再びお祭りがスタート!

鹿と鹿捕り

めちゃ愛くるしい密生した鼻毛

虎の写真が他より多くてすんません・・・好きがあふれてシャッターが止まらなかったんだ

牛が飛んだ!!!

稲穂をくわえた優雅な鶴

行列も続きます

田園にかこまれた道を抜け、舞台は払い山の踊り場へ。

大名行列の馬簾振り(バリンフリ)。おいちゃんが持つ傘の骨みたいな道具(見えにくい・・・)をピョーンと飛ばしてもうひとりが受けとるのですが、操るのが最も難しいらしい。

だんだん夏の夕方のやわらかくて少しせつない飴色の光に・・・

ツクイモンや行列がすべて揃うのはこの踊り場が最後。まるで大団円といったような雰囲気に包まれます。

円の中心には太鼓踊り

払い山での奉納が終わり、ツクイモンの動物たちも次々にトラックに積まれ運ばれていきます。役目を終えた子たちはどうなるのかしら・・・。

まさしくドナドナ

堀之内庭(夜)

2013年時は払い山での奉納後に帰宅したのですが、2019年のわたしは最初から最後までみっちり七夕踊を満喫するつもりで臨んでいたのだ・・・!!!

そして、夜

日も沈み、真っ暗になった19時頃に再び堀之内庭へ。

長い1日が終わろうとしています

2019年の七夕踊、最後の奉納が始まりました。

夜になるとよりお盆の前祭りの雰囲気をより感じます

朝から晩まで駆け抜けた市来の七夕踊はこれで終わり。田んぼを開田した床濤到住の碑があるこの場所で始まり、再び同じ場所で終わるのですね。いかにここが大切な場所で、太鼓踊りがこのお祭りの要であることがわかります。

ぼっちゃん、遅くまでご苦労さまでした!

最後に

コロナ禍前のなんの縛りのない賑やかで最高に楽しい七夕踊。2019年に訪れた時点では、これが最後の七夕踊(完全版)になるとは思ってもみませんでした。2020年、世界的なコロナ蔓延により休止前の最後の七夕踊は延期に。2019年の奉納から3年後の2022年、規模を縮小し最後の七夕踊が行われました。

わたしが民俗芸能巡りに目覚めるきっかけとなった思い入れのある特別なお祭り。次回はその最後の七夕踊の様子を旅行記として綴りたいと思います。最後まで読んでいただけると嬉しいです。

■参考文献・サイト

・『市来町郷土史』(市来町郷土史編集委員会 編)

・『速報七夕踊』(七夕踊保存会 発行)

・七夕踊で偶然出会ったおじさまにもらった資料(新聞記事の切り抜き等)

市来の七夕踊 文化遺産オンライン

【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T10、オールドレンズ、iPhone、film:LOMO LC-A

真夏の田園ラプソディ!市来の七夕踊【後編】につづく▼▼▼

2019年秋・八代ひとり旅③【日奈久温泉・後編】

日奈久温泉2日目の朝。前日の雲ひとつない快晴とはうってかわって雨!!さらにカミナリ・・・!!!ちゃんと折り畳み傘は用意していたけれど・・・残念。そんなわけで、この日も雨宿りがてら温泉めぐりすることにしました。

CONTENTS

温泉めぐり〜湯口コレクション〜

あたらし屋旅館(ライオンの湯口)

土砂降りの中、まずは出来たての朝ちくわをぺろり。

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1本買おうとしたら、傷もんだからあげるって!やさしいーーー!!

腹ごしらえした後は、前日人が多くて断られた“あたらし屋旅館”さんへ。午前中でしかも雨だから誰も入ってないだろうと期待してたら先客が・・・。写真を撮りたかったのでのぼせそうになりながら頑張って長時間入ったよ!外では雷がピカピカゴロゴロ。そんな時に温泉入ってるのが、なんだか台風の日の夜みたいでワクワク楽しかった!

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こちらの温泉には王道のイケメンライオンの湯口がいらっしゃいます。

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熱すぎずぬるすぎずちょうどいい塩梅の湯加減。先客のおばさまはクセのない温泉と表現されていました。日奈久の温泉は自家源泉のところ以外、調整された共同源泉を使ってるから、どこの温泉も同じお湯を使ってるんだって。

温泉からあがって外のベンチに座りながら雨の日奈久を眺めつつ昼ちくわ。

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ちくわの中にはポテサラが入っていてボリューミー!

旅館  幸ヶ丘

最後に入った温泉は“旅館  幸ヶ丘”。こちらが2回目の日奈久温泉で一番思い出に残る場所だった・・・!!!

「旅館」と名前についているけど、こちらは泊まれない旅館。以前は旅館もしていたのですが、現在は立ち寄り湯だけで営業しています。ご主人曰く、「泊まらせたくない旅館」(めんどくさいから)とのこと笑 

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立派な玄関

玄関置いてある呼び鈴を鳴らすとご主人が出てきて対応してくれます。階段を登った先に待合室や休憩所、男湯と女湯、家族湯が。

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右に行くと待合室、左に行くと温泉

わたしがこちらの立ち寄り湯に行きたいと思った理由は「熊の湯口」があるからでした。(日奈久温泉のHP載っているのを見た)

女湯

どの浴室にあるんだろー?と、ドキドキしながら女湯に入ってみると・・・。

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何のときめきも感じないよ…

とても普通のお風呂場でしょぼーん・・・。湯船につかりながらどうやって熊の湯口がある浴室を見せてもらえるか考えてました。

すると、ご主人がとてもサービス精神旺盛で話し好きな方で、お願いせずとも熊の湯口のある家族湯だけでなく、男湯や客室まで案内してくれるという!(ラッキーなことにちょうど土砂降りで私しかお客がいなかった)

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濡れた緑も鮮やかで美しく、雨の音もとても心地よかった・・・
家族湯(熊の湯口)

それではまずはお待ちかねの熊の湯口をどうぞ!

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くま!くま!くまーーーーーー!!!!!!

あぁぁぁ、なんてかわいいのだ!!!

しかもにっこり・・・にっこり笑ってるよ?

男湯(坊やの湯口)

熊の湯口だけでも最高なのに、男湯もとってもとっても最高だった!白を基調とした作りでローマな柱もあって異国風。とてつもなき開放感!なんて素敵なの?

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なんで女湯はあんなに狭くて地味なんだ…

鯛?鯉?をかかえた坊やの湯口ぃ〜!!!

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なんてかわいい坊や

お湯がエメラルドグリーンなのにも胸ときめくね。そうそう、こちらの温泉は共同源泉ではなく、自家源泉掛け流し!なのでぜんぜん今まで入ってきた日奈久温泉の泉質と違った!もちろん熱いし硫黄の匂いもするし、他のところよりもぬるぬる。なんて野生的!そんなところふくめて全部大好き!!!な温泉でした。熱いお湯に入れない人間なんだけど、こちらの温泉は「好き」の気持ちが勝つので我慢できる笑

客室

そしてなーんと客室も見せてもらうことができました!

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家族湯の真ん前にある扉を開けると・・・(部屋の中から撮影)

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ここにも馬!三味線があるのもグッとくる

泊まりたいよーーーー!!!いつか旅館業復活してほしいと強く思うのでした。

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特徴のある床

なんと裏の山も持ち物(!)で、そこから切ってきた木材を使って建物を作ったりもしてて、床は桜の木とのことでした(他にもたくさん説明してもらったのに記憶力が…)

色々と興奮したけどやっぱり熊の湯口が大好きすぎて、女湯にすでに入っていたにも関わらず、家族湯でもひとっぷろ浴びさせてもらうことに。もうわたし専用の湯船ってことでよくない?ってくらいmyサイズの小さな湯船でとてつもなく居心地よかった・・・。

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サービスショットやで

外に出る頃には、午前中の雨が嘘のような青空が広がっていて、夢のようなたのしい時間を過ごしたことと相まって、まるで狐(熊?)に摘まれた気分になったのでした。

橙 dai-dai(ランチ)

幸ヶ丘さんに大大大満足して、あとは朝からちくわしか食べてないお腹を満たすのみ!ちょっと遅めのお昼ごはんを食べに、昨日訪れた松の湯さんのお隣にある橙 dai-daiへ。チキン南蛮食べたけど美味しかったよー!(写真撮ったのに誤って消してしまった…)

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青空なのわかるでしょ?

鏡屋旅館(Cafe百年通り)

食後のスイーツを求めて明治20年創業(日奈久でも2番目くらいに古い旅館とのこと)の“鏡屋旅館”に併設されている“Cafe百年通り”へ。

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昭和初期の鏡屋旅館(お店に貼られていたチラシより)

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現在の鏡屋旅館

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併設するカフェ

しかしスイーツ(ランチも)は予約のみで、コーヒーと紅茶しか出せるものがないという・・・。仕方ないので紅茶のみを頼むことに。しかしなかなか出てこない・・・。そわそわしているとなんと!すごいのが出てきたよ・・・!!

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壁には大好物のアンティーク着物が!

スイーツプレートじゃあーりませんか!!まさかこんなシャレオツなのが日奈久で出てくるとは思わなかったよ・・・(失礼)

「わ、わたしこんなん頼んだっけ?お金あったっけ・・・??」

ってビビったけど、これで飲み物合わせて850円(当時)て安すぎやしませんか・・・?(1人分だけ残ってたらしい)しかもどれも美味しかったんだよ・・・。予約してないにも関わらず、スイーツにありつけたので大ラッキー。

その後も親切にお宿のお風呂場や玄関周りの案内までしてくれて、なんていい人たちなのだと感動の連続です。

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玄関。可愛いタイルは創業当時のまま

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木製のプロペラ!旅館創業者の五男が操縦した機体のものとこと

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時代を経た飴色の木材たまんねぇ・・・

そして極め付けのお風呂場!お湯ははられてないけど最高やないかぁーーーーー!!!昔は扉部分や、男湯と女湯間の仕切りの窓上部分はなかったんだって。丸見えやないかーい!(昔はどこもそんな感じだったんだろうね)

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入りたい!

次はぜったいこのお宿に泊まろうと心に決めたのでした。

おわりに

今回の日奈久温泉旅でいろいろ訪れたいところが増えたので、いつになるかはわからないけど3度目の日奈久がとても楽しみになりました。あぁ、日奈久温泉大好きだー!!!みなさまもぜひ訪れてみてください。

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おきんじょ人形もあなたを待ってるよ!(金波楼)

【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3(オールドレンズも使用)、iPhone

※掲載されている情報はすべて2019年11月時点のものです。

2019年秋・八代ひとり旅②【日奈久温泉・前編】

妙見祭をあとにして、肥薩おれんじ鉄道に乗り込み向かった先は日奈久温泉。今回は2度目の訪問でした。1度目の日奈久が最高すぎて大好きになり、またぜったい行こうと思っていたのです。

CONTENTS

日奈久温泉駅

日奈久温泉駅に着いたのはちょうどお昼前でした。

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駅舎には大好物の昔の鏡があります

駅から少し離れた温泉街へ歩いて向かいます。大きなトラックがすぐ横を通る道路沿いを歩いて行くので、車に気をつけましょう!

カラフルキッチュな仏像

温泉街へと向かう道中には小さなお寺さんがあります。前回訪れた時にきゅんときたゆるーい仏像さまたちと再会。

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前回はなかったビニール紐で括り付けられていて残念な感じに・・・。熊本地震の影響なのでしょうか。というわけで、2015年時のお姿でご紹介。

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赤ちゃんの顔・・・

お寺さんにごあいさつして再び日奈久温泉街へと歩いていきます。大好きな皇帝ダリアが咲き乱れていました。

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モンキチョウも飛んでいた

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日奈久温泉

まずは宿に荷物を預け、海沿いの小さな温泉街をぷらぷら。

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ゴリけん(福岡のローカルタレント)が日奈久出身て初めて知った!

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田舎でよく見かけるキリスト看板

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廃墟化しているお家もちらほら見かけます

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ら、ラーメン屋さんの入口ちっちゃすぎん???

カラフルかご屋?電気屋??

そして一気に東南アジア感・・・!!!

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気になりすぎる!!!

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よくみるとここにもゴリけん

2015年時の写真も一枚だけどうぞ。

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で、電気屋さん?だったの・・・???

この時は勇気が出なくて中に入って話を聞くことができませんでした。人見知りぃ・・・。

温泉神社

温泉神社に向かうと、階段の途中で江戸時代に作られたという天然の地形を利用した屋外劇場風の相撲座敷があります。私はなんでかこれにいたく感動した!まるで古代の遺跡のような雰囲気を感じたからなのかなぁ・・・。

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蜘蛛の巣!

近頃まで九州各地から強豪力士が集まる奉納相撲が行われていて、多い時は約2万人もの観客を収容してたんだって。

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昭和初期の様子(解説板に載っていた古写真より)

自分の写真ではそのスケール感が伝わらないのが悲しい…。苔むした感じや落ち葉、蜘蛛の巣もたまりませんでした。

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トイレも遺跡風

階段をさらに進むとやっと温泉神社が。その先にもお稲荷さんの階段があり、すべて登り切ると結構な運動量です。

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お稲荷さん

おきんじょ人形

温泉神社を降りた先には、おきんじょ人形を作る竹細工屋さんがあります。こけしに手足が生えてて可愛いんだよ〜!なんでも「おきん」という美人の湯女をしのぶ人形で、昔はままごとや着せ替え人形として親しまれていたらしいです。ずーっとほしいんだけど未だゲットできず・・・。

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作りかけのおきんじょ人形が!

その後は再び町中をぶらぶら。

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日奈久は柑橘が有名なのです

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魅力的なBAR千扇!

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弁天さまにもお祈りします

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よーくみると黒猫にゃん!

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建物が建っていたであろう場所に残された可愛いタイル

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素敵な床屋さん

いつものように足が限界を迎えた頃に喫茶店にたどり着き、ミルクセーキを飲んで生き返るのでした。

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喫茶店のケント

温泉めぐり

金波楼

15時過ぎにお宿にチェックイン!今回の日奈久での一番の目的はもちろん温泉めぐり。温泉セットをバッグにつめて、まずは国登録有形文化財でもある木造三階建ての金波楼(きんぱろう)の立ち寄り湯へ。玄関ではおきんじょ人形が出迎えてくれます。

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ちょっとした展示コーナーもあります

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昭和初期の大浴場

お風呂場は綺麗に改修されてて昔の面影はありません。壁に飾られてた昭和初期の古写真のままだったらもっと魅力的な宿だったのになぁと少し残念に思うのでした。ちなみにお魚を抱えた女性(それとも人魚?)の湯口は、露天風呂に飾りとして置かれていたような・・・?いい加減ですんません。

実は昔泊まったことがあるのでその時の写真もチラリ。

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泊まった時の記憶もあんまりないんだよね・・・なんでかな・・・

金波楼でひとっ風呂浴びたあとは、例のカラフル籠屋さんの隣にある「とらや」さんで、揚げたてちぎり天を買ってベンチでもぐもぐ。日奈久温泉は竹輪が名物で、あちこちに竹輪屋さんがあります。ちくわの穴の中にポテサラを入れたものも有名で美味しいよ!

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揚げたて最高
松の湯

その後旅館の立ち寄り湯に向かうと、なんと今日は団体客が多いからやってないという…!別の立ち寄り湯に向かうもそこもNG…。2軒立て続けにフラれて意気消沈しながら向かった先は公衆浴場の松の湯さん。

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女湯の扉を開けるとなんとびっくり!脱衣所とお風呂場の間に仕切りはなくて段差になっていて、上の方で脱いでそのまま下に降りて湯船に入るスタイル。鄙びた温泉地初心者のわたくし。このタイプははじめてだったので何気にカルチャーショック!

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写真は観光パンフから拝借

自分にはちょっと難易度高かったけど、とても好きな温泉でした。地元のおばちゃんたちが井戸端会議していたよ〜。お風呂場が交流の場なんだね。そんな雰囲気もたのしかった。

日奈久温泉の夜

外を出るとすでに夕暮れておりました。

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空き部屋あるってよ!(ほんとに募集してるのかは不明・・・)

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夕闇に沈む夜の温泉街たまりまへん・・・

夜ごはんは海鮮ちゃんぽんを食べようと某お店へ。

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具沢山でめちゃくちゃ美味しかった。

んだけど、レンゲの持ち手が本気で汚くてオーマイガー。1度替えてもらったのにそれも汚くて結局使わずに食べた。ちゃんぽんの衛生面も気になったけどスープまで全部飲み干した。お腹壊さなかったからきっとだいじょうぶ!だと思いたい・・・。お店の名前は伏せておこうと思います。美味しかったんだけどねぇ・・・

【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3(オールドレンズも使用)

2019年秋・八代ひとり旅③【日奈久温泉・後編】へつづく▼▼▼

2019年秋・八代ひとり旅①【妙見祭編】

熊本県八代市では、毎年11月にユネスコ無形文化遺産にも登録されている妙見祭が行われます。(今年は一部神事のみが行われて、その他は中止になったみたい・・・)2019年の秋、仕事終わりに新幹線に飛び乗り、御夜(前夜祭)を見に行ってきました。

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肥薩線0起点!らしい

CONTENTS

妙見祭・御夜

全部で9基ある笠鉾が、金曜の夜には商店街のアーケードに展示されていて間近に見ることができます。これがとっても素晴らしかった!螺鈿や豪華絢爛な刺繍、彫刻、装飾のオンパレード!!!

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アーケード商店街に鉾が勢揃い

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蝶々と蕪!螺鈿は大好物ですよ・・・

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迫力満点!眼力すごい!

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うさぎかわいい〜!!!

ヘンテコな猿や犬や蝶や龍などなどなど動物てんこ盛りで私の胸をギュンギュン刺激。一番好きだったのは、ユニークな猿が散りばめられた「蜜柑」と呼ばれる笠鉾。屋根裏はなんと虎柄カッコいい!!

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アイーン!!!

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こちらのヒョロ長い謎生物は一体なに…!?

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あやしく微笑む・・・犬???

博物館に展示されててもおかしくないような素晴らしい鉾の数々で興奮しながら写真を撮りました。この鉾を実際に担いで練り歩くのよねー。すごい。

黒や白のお馬も展示されていました。

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どんな風に使用されるかは翌日あきらかに

そして「ガメ」の愛称で親しまれている妙見祭の顔とも言える亀蛇(きだ)。

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かわいい女の子が潜ってた

亀と蛇が合体した想像上の動物で、およそ1300年前に妙見神(みょうけんしん)が中国から海を渡ってくる時、この亀蛇に乗ってきたといわれているそうです。

八代の繁華街もなかなかいい味を出してて、夜にそぞろ歩きたくなる雰囲気。

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歌って!踊って!八代パラダイス

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気になるタイガー

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スナックパールたまらんやん

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魅力的な小麦

前夜祭では、ただ展示されているだけではなく、ガメをかついでわっしょいわっしょいする姿も見ることができました。やっぱり興奮するね!たのしかったー!

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www.youtube.com

キャバレーニュー白馬

もちろん前夜祭を見るだけでは終わりません。八代に来たからにはこちらを見にいかねば!!!日本最後のキャバレーといわれる「キャバレーニュー白馬」です。八代亜紀がデビュー前に歌ってた場所でもあります。

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ネオンにギュンギュンするよー!!!

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こちらのネオンを見るためにやってきたといっても過言ではないかもしれないーーー!!!ってくらいめちゃくちゃ満たされました。

どうぞ動画でもお楽しみください。近くのスナックからこぼれるお客さんとの会話もたのしい・・・。


www.youtube.com

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中に入りたいけどひとりだから勇気が出ず・・・

いつか中に入るのが夢!一緒に行ってくれる人絶賛募集中です。なんと、生バンドの演奏で歌えるらしいぞ!わたしはその日のために欧陽菲菲の「恋の十字路」を練習しておこうと思います。


www.youtube.com

妙見祭

翌日は7時半に神社出発する神幸行列を最初から追いかけるつもりが早起きできず…。アーケード商店街から見学することに。

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あ!前夜祭で商店街に展示されてたお馬だわ!!

本物のお馬も〜!!!

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あ、目がやばい・・・

写真には撮らなかったんだけど、神主の持ち物(地元の人が話しているのを盗み聞き)という本物のお馬がとても立派だった!他にも小さなお馬やポニーなどたくさん練り歩いていていてビックリ。馬刺しが有名だし、キャバレーの名前も白馬だし。馬、馬、馬。馬であふれてる!(単なる偶然?)

展示されていた鉾も動き出し、ガメも賑やかに練り歩きます。

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アーケードには、鉾の装飾である蝶や蕪が!

アーケード商店街を抜けて、行列についていくと広場に着きました。

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一旦こちらで鉾が勢揃い

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青空がまぶしい!!!

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こちらにもお馬。水浴びしておりました。

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お犬も妙見祭を見学

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鉾が再び動き出します

外では行列が練り歩く中、ミックで休憩がてら朝ごはんを食べていると、獅子舞が中に入ってきて厄祓いのようなことをしていきました。ワクワクして楽しかった!

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一日中行われる神幸行列なのですが、実は前夜の笠鉾鑑賞と白馬のネオンでだいぶ満たされていたわたくし。早々に妙見祭を切り上げて、午前中のうちに次なる目的地へと向かうのであった。

【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3(オールドレンズも使用)

2019年秋・八代ひとり旅②へとつづく▼▼▼

おじいちゃんの作る絶品ハンバーガー

福岡にはぜひとも一度は食べてほしい(一度とは言わずに何度でも!)、腰の曲がったおじいちゃんが作る絶品ハンバーガーがあります。

❇︎2018年〜2021年に撮影した時系列無視写真で構成しております。

CONTENTS

桜の名所 西公園

そのハンバーガー屋さんがあるのは、天神から電車で2駅、大濠公園駅で降りて徒歩20分ほどのところにある西公園です。桜の名所でもあり、春には多くの花見客で賑わいます。

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※以上の写真は2018〜2019年撮影(FUJIFILM X-T10+HELIOS-44-2)

西公園内にある光雲神社へと向かう坂の途中には、印象的な椿の森もあります。

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(film)

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HELIOSの特徴ぐるぐるぼけ(FUJIFILM X-T10+HELIOS-44-2)

まずは光雲神社へお参りをしましょう。お賽銭を投げると鶴の鳴き声が聞こえるというおもしろスポットでもあります。

神社を抜けて、花見スポットを通り過ぎ、ずんずん奥へと進んでいきます。

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丘からはレトロな福岡ポートタワーが見えます。

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トンネルを抜けると…

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ワンコ!(2021年)

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前行った時にいたワンコ!!(2020年)

※すべてfilm

今屋のハンバーガー(西公園)

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(film)

ついに「今屋のハンバーガー」に到着。なんともレトロな佇まいのキッチンカーで営業しており、それだけでもう「好き!!!」ってなります。オープンと同時にぞろぞろと人が集まってくるので、遅い時間に行くと1時間以上並ぶことに…。早起きの散歩を兼ねてオープン前に公園に行くことをオススメします。あと、雨の日は営業してないと聞いたりもするので、行っても営業してなかったらごめんなさい。

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オープン前の写真もまざっております

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キティちゃんデザイン♡黒猫もひょっこり(film)

メニュー表はこちら。

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左が今のメニュー表。数年前は右の食品サンプルだったのに変わってた…。前のがめちゃ味があってよかったのにー!かなしい…

そしておじいちゃんの手際のいいハンバーガー作りの動画をご覧ください。

ずっとたちっぱで延々と作り続けるおじいちゃん!パワフルすぎるーーー!!!

(ちなみにコロナ禍前の映像です。2021年5月時点ではマスク着用、出来たハンバーガーも客自身が袋に入れる等の対策を取っていました)

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ミックスエッグ450円を注文

めちゃくちゃ美味しいー!!!

その場でハンバーグを焼くし、パンも具を挟んでからオーブンで焼くからパリッとしててハンバーグもこってりジューシー!!濃い味が好きな人はたまらんたまらん。薄味好きにはちょっと重いかもしれません。(わたしは大好き!)

なによりもこのおじいちゃんが作ってるシチュエーションがたまらないでしょう?野外で食べるハンバーガーも格別です。

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鷹?鷲?トンビ?に奪われないようにしないといけません…(film)

列に並んでるときにお客さんの会話で知ったのですが、なんと!今屋のハンバーガー屋で修行したお弟子さんがお店を出しているという…!!しかも1店舗だけではなく、2店舗あるというではありませんか…!!これはゆかねばなりますまい…。

というわけで、先日ついに一番弟子のハンバーガー屋さんへと行ってきました。

西公園BURGERDOG(薬院・渡辺通り店)

なんとも味のある三角市場のすぐ近くにお店はあります。

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昭和のかほり(film)

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さわやかなブルーが印象的な店構え

西公園の元祖今屋のハンバーガーとの味比べするのもよいかもですが、やっぱりそれはおじいちゃんが営業し続ける限り西公園で食べたい…。というわけで、ここでしか食べれないオリジナルメニューを食べることにしました。

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市場で仕入れているというサバを使ったサバドッグをいただきます。(近くに有名な柳橋連合市場があるけどそこで仕入れているのかな?)

残念ながらわたしがきた時にはまだトッピングであるトマトが入荷してなかったようで、トマトなしなら作れるとのこと。お店に着く前からサバサバサバドッグの胃袋になっていたので、迷ったけれど注文することに(100円割引になりました )。

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おっいっしっいーーーーー!!!

サバにしっかりと味がついていて、マヨネーズがこれまたいい味出してて最高に私好みでした。トマトなくてもぜんぜんいける。トマトありバージョンだとどんな感じなのかなぁ?美味しかったのでまた完全版をリピートしに行きたいと思います!

脈々と受け継がれる今屋のハンバーガー

店先にはこれまでに掲載された記事も貼られていました。

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なんと3人目の弟子がいるとのこと。脈々とおじいちゃんのハンバーガーは受け継がれているようです。

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こちらは西新にある2人目のお弟子さんのお店。機会があればこちらでも食べてみたいです。

気に入った人しか弟子入りさせないみたいですが、興味のある方はハンバーガー屋さんを目指してみてはいかがでしょうか?

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(film)

【使用カメラ】film:CONTAX T2、OLYMPUS PEN FT digital:FUJIFILM X-T10+オールドレンズ(HELIOS-44-2)、何も記載のないものはiPhone

福岡市動植物園のススメ 参【BOTANICAL GARDEN 編】

福岡市動物園を満喫したあとは、ついに本命の動植物園へ…。

CONTENTS

平尾浄水場跡

と、その前に。

スロープカーを降りて植物園へ向かう途中に、小さな煉瓦造りの建物がひっそりと佇んでいるのを見逃してはいけませぬ…!!!

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福岡市動植物園は、平尾浄水場跡地に作られました。こちらの建物は平尾浄水場の配水池点検用通路の入口を移築したものとのこと。詳しくは以下の看板にて〜。

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わたしが福岡市動植物園が好きな理由のひとつがこの建物だったりします。

葉っぱの手紙

さて、浄水場の建物を通り過ぎ植物園へ向かおうとすると、呼び込みをするおじいさんに声をかけられました。この日は7月23日。1979年に郵政省が制定した「ふみの日」で、「葉っぱのお手紙大作戦!」というWSが開催されていました。そのタイトル通り、なんと葉っぱに文字を書いて封筒にいれ、手紙として郵送するというものでした。これはやらない手はない…!!家族連れやカップルでの参加が多い中(というかみんんなそう)ロンリロンリロンリネス参加してきたよ!!!

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ぽすくま君をさがせ…!

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尖った木の棒で葉っぱに文字を書くと、だんだん黒ずんで文字になります。タラヨウという葉っぱで、リンゴの皮を剥いてそのままにしておくと茶色になる原理と一緒で、「褐変反応」というポリフェノール(タンニン)の酸化によるもの。「葉書の木」等とも呼ばれ、1997年に郵便局のシンボルツリーになっているそうです。

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何年も消えないらしい。ていうか消えちゃうのかー。

たまたま行った日にこのようなワークショップが開催されていてなんてラッキー!ぽすくま君にも会えたし、とぉーっても楽しかったです。

福岡市植物園

そして今度こそ植物園へと向かいます。

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青いひょうたんトンネル

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木の上に小さなお家(巣箱?)がありました

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薔薇園

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背の高い向日葵も咲いていました

そしてそして、わたしの一番大好きな植物園の温室へ!!!

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大好きなトケイソウも咲いていた

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葉っぱの穴から天をあおいでみたよ

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水やりをしたあとだったようで、ハイビスカスがまるで宇宙のようにキラキラ

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上からガラス越しに撮ったら多重露光みたいになった

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サボテンも大好き。サボテンの花が好き!

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わーい!食虫植物のウツボカズラだよ〜!!!

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月下美人の花の標本!手入れしてるおっちゃんが10年は経ってるって言ってたかな?(記憶力…)

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そしてこちらのケセランパサランみたいな落下した白いふわふわの花は、夜にだけ咲く「サガリバナ」。日本では沖縄や奄美で見ることができます。今回は昼間に訪れたので、散って水に浮かんでいる姿しか見ることはできませんでした。

去年の夏、夜の植物園に行った時に撮影したのがこちらです。

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うろうろしながら見に行くごとに段々と咲いてきて嬉しかった!

夜の植物園、楽しかったー!!

なんでこんなに熱帯の植物に惹かれてしまうのだろう…。全国の温室を巡りたい。そしていつか温室ではなく、本物のジャングルに熱帯植物を見に行ってみたい…。そんな夢を見てしまう今日この頃なのであります。まずは沖縄へ、サガリバナを見にいきたいなぁ。

おわりに

さて、3回にわたってお送りした「福岡市動植物園のススメ」はこれにて完結です。動物や植物だけでなく、象の門や平尾浄水場の建物にも目を向けてみると、また違った楽しみ方ができるんじゃないかなぁー。今は緊急事態宣言下にあるので、残念ながら宣言開けの日まで閉園中…。再開したらぜひ遊びにいってみてね!!!

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孔雀とトケイソウの多重露光

【使用カメラ】フィルム:CONTAX Aria、OLYMPUS PEN FT、デジタル:FUJIFILM X-T3、iPhone

愛媛別府ひとり旅2019⑤【別府観光編】

いよいよ最後の旅レポです。

八幡浜港から別府へ

朝日が昇る前に大正湯を出発!歩いて八幡浜港へ。 銭湯でのびのび湯船につかったからか、疲れの取れ具合がぜんぜん違った〜。

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まだこんなに真っ暗でした。

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6時20分発の始発で大分県は別府市へと向かいます。行きは小倉港から松山ルートでしたが、帰りは八幡浜港から別府ルート(そして電車で福岡へ)。今回はフェリーの旅を満喫です。フェリーが意外にもとてもオシャンな感じだったよ!

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せっかく四国に行ったというのにうどんを食べれなかったので、悔しくてフェリー内で食べてみたけど味うすかったよね…。

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紙コップのデザインがなみなみしてて可愛かった

別府には約3時間ほどで到着。学生の頃は別府大学に通っていたので、別府は第二の故郷です。んでも住んでた頃はどこにも行かずに大抵家でごろごろしてたりして…。もったいなかったなぁ〜。

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出発する頃には空がだんだんと茜色に染まっていきました。

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朝が大の苦手なので、朝日は人生の中で数えるほどしか見たことがありません。

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懐かしの別府港へ到着!

永友パン屋

別府港に着いてまずは朝ごぱんを買いに友永パン屋さんへ。(この近くの大学の寮に一年間ほど住んでました)

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とても素敵な建物でうっとり!有名なこのお店に行くのも実は初めて…と思っていたら、同じ寮に住んでいた友達に「行ったことあるよ!」とつっこまれました(残念な記憶力)。店内は人がいっぱいでゆっくりできず慌ただしく購入して外に出ました。交通整理の警備のおっちゃんもいるしほんとすごい人気!

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商店街内にある天狗さまのお隣のベンチに座ってまずはパターフランスをペロリ。美味しかったー!自宅に帰ってから残りのパンも食べたけど素朴で美味しかったです。

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立派なお鼻ですこと!

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別府をぶらぶらして見つけた素敵なものたち。

北部旅館街

最後に訪れたのは元遊廓街の北部旅館街。

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福岡のカレーフェスで食べたTANEさんのスパイスカレーをもう一度食べたくてお店に向かったら、たまたま旅館街の前だったという嬉しい誤算。オープン前のほんの20分ほどぷらぷらしました。売春防止法の施行後に転業した旅館が数件残っていて、とてもお安く泊まることができます。

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左の建物がTANEさん。

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豆タイルや艶っぽい飾り窓などに当時の面影が。

旅館街の先には1度泊まったことがある山田旅館さんもあります(こちらは転業旅館ではありません)。門前には綺麗な合歓の花が咲き乱れていました。

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TANEさんのスパイスカレー。やっぱりとっても美味しかった!!

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福岡へ帰ろうと別府駅に着くと、別府観光の生みの親と言われる油谷熊八さんがラグビーにかぶれてました。(ちょうどラグビーが盛り上がってた時期)

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こうして小倉→宇和島→卯之町→八幡浜→別府と縦横無尽に駆け抜けた旅は終わりを迎えたのでした。 欲張りすぎていろいろ詰め込んでしまうのが悪い癖ですね…。

おわりに

今回の愛媛別府旅は、約1週間前にお祭りのことを知って計画を立てたのにも関わらず、とてもスムーズにいって、なおかつよい出会いもあり、ものすごーく楽しい旅になりました。愛媛ははまだまだたくさん行きたいところがある(愛媛に限らず四国はたのしい)。今度は八幡浜〜大洲〜松山〜今治あたりを攻めたいな。宇和島よりも先の南予地方にも行ってみたい!いろんな地区の鹿踊りも見たいよーーー。あぁ、行きたいところがありすぎて困ります。職業旅人になりたーい!!!

★こちらの記事は、当時Instagramに投稿した旅の記録を元に再構成しました。情報は2019年11月時点のものです。