彷徨する旅のアーカイブ

旅先や日常で出会った「非日常」の記録

大分ひとり旅2021④【地獄極楽篇】

すっぽんでギンギン(!)になったところで、地獄極楽へレッツゴー!!!

地獄極楽(桂昌寺跡)は、江戸時代末期に洞窟を利用して作られた地獄と極楽を疑似体験できる仏教的アミューズメントパーク!(こんな軽い言い方してたら怒られちゃう?)車がないとなかなか不便なところにあるので自力で行くのは半ば諦めていたのですが、調べてみるとなんと電動レンタサイクルがあるではありませんか!

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立派な建物(なんの建物?)の一角に電動自転車のレンタルをしている宇佐市観光協会安心院部会があります。(写真の一番左側)

安心院に限らず宇佐市内にはいくつかレンタサイクルしてるとこがあって、所定の場所での乗り捨ても可能。1日300円(1泊2日で600円)とお安い!(乗り捨ての場合は手数料1000円)

というわけで、いざ出陣!天気予報通り、すでにが降ったり止んだりの不安定な空模様。なんとかギリギリ目的地の地獄極楽へ着いたらいいなぁー という行き当たりばったりな計画です。むしろ地獄極楽で雷鳴聞きながら雨宿りするのもオツなのでは…?などとちょっとワクワクしてました。

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残念ながらすっぽんの甲羅干しは見ることができず…

「里の駅 小の岩の庄」にも寄りました。その土地の生活が覗けるとこにはやっぱり行きたいよね!(あとスーパーとかね)

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イチゴも大きくて安かった!リュックじゃなかったら野菜もたくさん買って帰りたかったな〜。

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修道院で作っているトラピストクッキーも!ビスケットの形が可愛いんだよ〜。

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安心院ならではのすっぽんも!!ドリンクはウケ狙いのお土産によさそう。

里の駅をあとにし、再び地獄極楽を目指します。はじめて乗る電動自転車の登り坂での楽勝っぷりに思わず「ふはははは」と不敵の笑いをもらしながら爆走です!

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ついに看板が見えてきた!

大雨に降られることなく、約40分ほどで到着。

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一応観光地化されていて駐車場や綺麗なトイレもありました。閻魔さまのイラストかわゆい。

わたし以外誰もいない…。と思ったら、近くの建物から若い男性が出てきてちょっと興醒め。辺境の地に来た気分になりたかったのだ。

そうこうしているうちに雨がどんどん本降りになっていきます。雨宿りしようと思いつつも、怖いところだったらどうしよう…?若干の不安を感じながら地獄極楽を目指します。

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階段を登ると開けた空間に出ました。目の前の岸壁には空洞があり、仏像やお地蔵さまがいらっしゃいます。

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賽銭箱に拝観料の100円を入れて、いざ地獄極楽の旅へ…!!

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ちなみに地獄極楽のルートはこのようになっています。この看板もいい味出してる。

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ここが地獄極楽の入口!!!

ドキドキしながら足を踏み入れると…

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さっそくかわい子ちゃんたちがお出迎え!!愛しの閻魔さまズ会いたかったよーーー!!!

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江戸時代のものなのに現代にも通づるこのゆるキャラっぷりよ。牛頭さんの立ち方もたまらんっ。

まずはこちらで閻魔さまの審判を受けることになります。わたしは地獄行きか、はたまた極楽行きか…?

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火をつけるものがなくて蝋燭を灯せなかったことが心残り…。あとフィルムでぜんぜん撮ってなかったよね…

大好きな閻魔さまズをたっぷりと堪能したあとは洞窟の奥へと進みます。頭上には電球がほのかに灯っているのでちっとも怖くありません。むしろ探検しているかのようなワクワク感!!

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洞窟は二股に分かれており、左は極楽道、右は地獄道。まずは右の地獄へと誘われます。進むとさらに二股に分かれており、この二つの穴はつながっていて一周するようになっていました。

今更気づいたのですが、どうやらわたしは本来左回りに行くのを間違って逆走していたもよう…。というわけなので、本来のルート順に紹介いたします。

洞窟を進んでいくと、ほふく前進しないと入れないような胎内くぐりの入口が!残念ながら雨だったため、水が溜まっていて通り抜けることができず…。くやしい。

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水が貯まっていない状態でも、リュックを背負った状態では通れない小さな穴でした。

胎内くぐり入口の穴を通り過ぎると、閻魔堂ではおなじみの奪衣婆(だつえば)さんが。

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三途の川で亡くなった人の衣を剥ぎ取る老婆の鬼!

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賽の河原

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血の池地獄。お気に入りの脱力系赤鬼青鬼ズ!ぜんせん怖くないしむしろかわいいし!!

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最初は独り占め状態だったのですが、あとから観光客がちらほらと。意外と来る人いるんだね!わたしがひとりでうろうろしてたので驚かれました笑

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地獄を巡った後ははじめの二股へと戻り、極楽ゾーンへと進みます。

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裸電球がいい味を出しています。

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不動明王や薬師如来さまたちを通り過ぎていくと、外の光が見えてきました。

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最初にお賽銭(入場料)を入れた場所に出てきたよ!ここに繋がってたのね〜。胎内くぐりの出口もここでした。

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すぐ横には極楽へとつづく約5mほどのほぼ垂直のたて穴が…!!!!!そして一本の鎖がだらり…。

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えーっと、ま、まさかこの穴をこの鎖1本だけでよじ登るんですかね…???

一足先に極楽浄土へと旅立っていったわたし以外の小さい子や年配の方たちも、「無理!絶対無理!!」「いや、いけそう!」などと言い合いながら(洞窟内にいたら聞こえてきた)最終的には登れていたようなので、わたしにできないはずがない!

それになにより、やっぱり極楽浄土いきたいじゃん!!!

というわけで、ひとり「無理!無理!!!」と心の中で絶叫しながら、なんとか無理矢理登ることができました…。たぶん登ってるときは見せられない姿してたと思う…。

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あともう少しで極楽浄土…!!!

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ゴーーーール!!そして極楽浄土から穴を覗く。暗くてなんも見えないぜ…?

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極楽浄土には優しくほほえむ阿弥陀如来さまが。

生きて登りきることができたことに安堵しつつ(大袈裟)、極楽浄土から下界をすがすがしく眺めるのでありました。

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結局激しい雨や雷はなく、期待したドラマチックなシチュエーションにはならず。

念願の地獄極楽へ行けてとても嬉しかった!そしてとっても楽しくて大好きな場所になりました。江戸時代以降、いろんな時代の人たちがこの洞窟内を歩いたんだろうな。本来は仏教の教えを学ぶところなのでしょうが、江戸時代の人も今のわたしたちみたいに「キャーキャー」いいながら、ちょっとしたアミューズメント感を楽しんでいたんじゃないかなぁと思ったり。そんな風に想像をすると楽しくなります。(実際はどうなのでしょう?)

さて、最後にフィルムで撮った写真を2枚だけ…。うーん、ぜんぜんいい感じに撮れてないので、願わくばもう一度行きたいです。今度はマッチを持っていってちゃんと蝋燭の火もつけたいな…!

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【使用カメラ】フィルム:OLYMPUS OM-1、デジタル:FUJIFILM X-T3、iPhone SE2

絶景の滝編へつづく▶︎▶︎▶︎

 

大分ひとり旅2021③【はじめてのすっぽん編】

旅の2日目。まずは宿から歩いて安心院ワイナリーへ。安心院はワインでも有名なのです。

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この日は午後からレンタサイクル移動だったので、小さいワインを1本だけリュックにつめて、あとの2本は発送してもらうことにしました。一応ワイナリーでしか買えないものを聞いてチョイス!(あとでネットショップ見たら買えるのもあったよね…)。

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ほんとはいろいろ試飲して決めたかったけどコロナで禁止。ブランデーソフトクリームなるものも販売休止になってました。こんなご時世なので仕方ないけれど残念…。でもよくよく考えたら自転車乗ると飲酒運転になるからどっちにしろ飲めなかったわ…!

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ブランデーソフトクリームは食べれなかったけれど、ワイナリー前にあった売店で巨峰ソフトクリームを食べたらとっても美味しくて大満足!!葡萄の味が濃かった〜。

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マンホールにも葡萄

前日通りすがって気になっていた磨崖仏も拝んできました(夕方だったので怖くて行けなかったんだ…)。ひっそりとしたとても静かな場所でした。

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そしてお次はお待ちかねの…

すっぽん!すっぽん!すっぽん!

はじめてのすっぽんタイムです。(ひとりですが何か?)

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口の裂け具合がまるでジョーカー!!

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マンホールにもすっぽん!

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すっぽんモチーフ探してしまうよね

安心院はすっぽんが有名なんだね〜。どうせならその土地の名物はもれなくおさえておきたい。事前に予約していた大正9年創業の料亭やまさ旅館さんへ向かいます。(本当はこちらに宿泊したかったんだけど希望の日は満室だった)

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今回わたしがいただいたのは、お昼限定のすっぽん定食(税込3,300円)。お一人さまで個室を独り占めだったので、なんとも贅沢な気持ちになりました。

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お品書きは、生血・エンペラの湯引き・煮物・1人用小鍋・唐揚げ・ご飯・香の物・デザート

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すっぽんの器かわいい〜!!!小さい方には大分のマストアイテムである柚子胡椒が入っています。

動画を撮ることに必死で肝心のすっぽん鍋の中身の写真を撮り忘れるという失態…。というわけで写真は動画からのスクショです。

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ニンジンがすっぽんの形!KAWAII〜!!!

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一番最初に出てきたのが、あの噂に聞くすっぽんの生血!!!

なんとグロテクスな見た目なのでしょう…。味を想像してオエッとなったんだけど、オレンジジュースで割られているとのことだったので意を決して一気!!おそるおそる鼻から息を吸うとオレンジジュースのかほりが!!!血の味はちっともしなかったのでほっと一安心するのでした。 

肝心のすっぽんのお味はというと、臭みもなく、お鍋も唐揚げもとっても美味しかったです。機会があるならまた食べたい!でも次はひとりじゃなくて、誰かと一緒に行きたいな…(遠い目)

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わたしが通された個室の壁には松本清張の書が飾られていました。

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箸袋や、領収書に書かれたスッポンの絵も可愛かったー。

 さて、ひとり精力ギンギン!!になったところでレンタサイクルを借りに行きます。午後から雷マークの雨予報に怯えながらも、夕方以降は晴れ予報だったので、予定通り1泊2日で電動自転車をレンタル。

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いよいよ本命の場所へとトツゲキです…!!!!!

【使用カメラ】デジタル:FUJIFILM X-T3、iPhone SE2

地獄極楽篇へつづく▶︎▶︎▶︎

奥深き絵馬の世界 vol.4 〜志賀島編〜

5月某日、志賀島にあのゆるゆる絵馬が奉納されてるお堂があるというので行ってきました。 ✳︎詳しくは「奥深き絵馬の世界 vol.1〜vol.3」をご覧ください。

フェリーで志賀島へ

志賀島は橋でつながっているので陸続きでも行けるのですが、今回は博多港からフェリーで向かうことに。レトロな博多ポートタワーも初めて間近で見ることができてうれしかった!(ちなみに大分の別府タワーや、大阪の通天閣なども同じ人が作っています)

さっそくフェリーに乗り込み出発!!

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真ん中に見える一番背の高いタワーは福岡タワー。

志賀島ぶらぶら

博多港ターミナルからフェリーに乗って約30分。志賀島に到着です。細い路地をうろうろすると、心惹かれる光景があちこちにありました。やっぱり島が好きだなぁとしみじみ。

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今にも崩れ落ちそうな鳥居に絡み付く植物。

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カメラを構えたら紋白蝶が何匹もぶわっと舞って、ここは天国かな…?ってなったよ。

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島猫にもたくさん会いました。

こぶれき地蔵

その路地の一角に、これまで追いかけてきた例の絵馬と同じ絵柄のものが奉納されたお堂があります。f:id:salomery:20210523154752j:plain

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もう今は新しい絵馬は奉納されていないようで、年季の入った絵馬が数枚お堂内に残されていました。蝋燭には火が灯っており、近所の人々が日常的にお参りしていることがわかります。

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おなじみの絵柄の絵馬が。
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この石で体の悪い部分をなでると治るらしい。賢くなるために頭なでときました。

志賀海神社

志賀海神社にも行ってきました。

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まずは本殿へお参り。そしてお目当ての鹿角堂(しかつのどう)へ。

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祠の中には一万本以上とされる鹿の角がびっしりと奉納されており、なかなか圧巻の光景です。なんでも神功皇后が対馬で鹿狩りをされた際に奉納したのが起源で、それ以降祈願成就の際に納められてきたものとのこと。

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角だけと思いきや、頭蓋骨や、歯がびっしりとついたままのものまで…。

ちなみに「志賀島」=「鹿の島」から来ているわけではなく、「近島」と呼ばれていたものが訛ってそう呼ばれるようになったそうです。詳しくは調べてみてね。

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神社の入口にはお清めの塩ならぬお清めの砂が。それに気づいたのが帰る時という…。でも本殿にも同じものがあって、お参りする時に清めたからゆるして…!

名物サザエ丼

鹿の角に夢中になっているといつのまにかお昼を過ぎておりました。志賀海神社へ向かう途中で見かけたいい感じの地元の食堂へと向かいます。

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薔薇の花もとても綺麗でした。

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通り過ぎた時は並んでいなかったのに、お昼過ぎに着くと何組も待ってる人が…!

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名前を記入して、裏路地をうろうろ散歩しつつ、数十分ほど待ってやっと入店。壁には色紙がずらりと並んでいて、華大さんをはじめ、松っちゃんや、ロンブー敦まで。こんなに人気のあるお店だったとは!

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飲食店で見かける率の高い蛭子さんのサインは見つけられず…。蛭子さん見つけると嬉しくなるのよね。

周りを見るとどうやらサザエ丼とサザエのつぼ焼きをセットで頼んでいる人が多いらしい…?確かにつぼ焼きは映えるわね…!んでも実はそこまでサザエ好きなわけではないので丼だけにしました。

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本当はスパイスカレー屋さんに行く予定だったけど、やっぱり昔ながらのお店に惹かれてしまうよね。また近くに行く機会があったらカレー屋さんに行きたいと思います。

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オシャンで美味しそうなスパイスカレー屋さん。

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レンタサイクル屋さんもあるので、自転車で島内一周するのもたのしそう。

ナツメ書店/Sleep Coffee and Roaster

お昼ごはんを食べたらやっぱり茶をしばきたいよね!というわけで、隣の地区の西戸崎になにやら素敵そうな本屋兼カフェを見つけたので、バスに乗って行ってみることに。昔の建物を改装したお店がとてつもなく好み!!本屋はあまり普通の本屋さんでは見かけないこだわりの本ばかりで面白そうでした。(店内は撮影禁止)

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わたしが行った時は感染対策として、カフェは事前予約していないと店内で飲食できないようになっていました(現在は緊急事態宣言中のため休業中のようです)。残念に思いつつ、お店の外の椅子で飲食してもよいとの事だったので、カフェオレとカッサータをもぐもぐ。焼きたてのスコーンもお持ち帰り。とても美味しかったです!

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偶然にもラベルの色と同じ水色のネイルをしていました。

行きはフェリーでしたが、帰りは電車で帰ります。

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ブルーのモケットデザインや床のデザインが可愛い水戸岡デザインの電車。

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車窓から眺める野球少年たち。

最後に

絵馬を見に行ったのですが、鹿角堂がとても印象に残りました。モノクロフィルムで撮るつもりが、そんな日に限ってモノクロフィルムを忘れるという…。かわりにデジタル撮影した写真をモノクロにしてみたのでご賞味ください。

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骨にはモノクロが似合う。

【使用カメラ】フィルム:Olympus OM-1、デジタル:FUJIFILM X-T3、iPhone SE2

奥深き絵馬の世界 vol.5〜完結編〜へつづく▶︎▶︎▶︎

愛媛別府ひとり旅2019②【宇和島観光編】

早朝から夕方近くまでどっぷり吉田の秋まつりを堪能し、伊予吉田駅から二駅の宇和島駅へ向かいます。まずはホテルにチェックイン!歩きまくって足は棒。ベットの上でだらけてしまいそうになる自分の体に鞭を打つ!!夕ご飯を食べに行くついでに、翌日行こうと思っていた「よしを民芸店」の場所を確認しに行くことにしました。

よおしを民芸店

こちらでは実際の鹿踊りで使用する鹿面や、牛鬼の頭も作ってる工房で、張り子の郷土玩具の製作販売をしています。

お店に着くと灯りがついてて開店中の看板が!でもドアに鍵がかかっててあーかーなーいーーーー。あきらめきれず電話してみると、店じまい前の突然の訪問にも関わらず、にこやかに迎え入れてくれました。ありがたや〜!

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着色前?のブラック達磨めっちゃかっこよくない??このままほしい!!

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わたしが吉田で見たものとは違う鹿面。もっとポップな色味でこちらもかわいい〜。

ついつい長話してしまい、昔のアルバムまで見せてもらえたよ。モノクロの写真に写っている子供はなんとご主人の小さい頃とのこと。

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先代が作ったたくさんのブーヤレ(牛鬼)と、現在ご本人が作っているブーヤレの共演です。郷土玩具蒐集が趣味でもあるので、こちらのブーヤレをお持ち帰りすることにしました。いつか花瓶代わりにもできるという鹿面もほしいなぁ。なかなか勇気のいるお値段だったので(忘れてしまったけど○万円だったような?)、今から清水の舞台から飛び降りる準備をしておこうと思います。

宇和島の夜

さて、そろそろお暇しようと、目星を付けていた中華屋さんに行くことを話したらそこはイマイチと言われる。他のオススメを教えてもらうためにお店の外に出ると、そこにたまたま近所のお爺ちゃんが。そのお爺ちゃんに、歩いて行くにはすこし遠い中華屋さんを教えてもらいました。するとなんと!民芸屋さんに車で送ってもらえることに!!おっちゃん神なのか…!!?

車を待っている間、お爺ちゃんが話し相手になってくれました。なんとそのお爺ちゃん、私がついさっきまでいた吉田出身とのこと!前年は水害の影響で山車が三台しか出なくて、その前も五台とかだったのが、今回はすべての山車が揃う賑やかな年だったと聞いた。そんな時に見にこれてよかったなぁーとしみじみ思うのでした。私がとても楽しかったと伝えると嬉しそうにしててこっちも嬉しくなったよ。

そうこうしている間に車が到着。中華屋さんまで送ってもらい、ご飯をたらふく食べて、夜の宇和島をぷらぷら歩いてホテルに帰ったのでした。よき出会いに感謝です。

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宇和島名物の鯛めし屋さん。行ってみたかった!手前の橋は昭和5年竣工の穂積橋(素敵!)。宇和島市出身で近代に活躍したという穂積陳重さんゆかりの橋とのことです。

性のおべんきょう

多賀神社

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翌朝、アーケード商店街でラジオ体操をするおじいちゃんおばあちゃんを通り過ぎ、向かった先は多賀神社。ここには古今東西の膨大な性に関する資料が展示された凸凹神堂があります。

公式サイトには、凸凹神堂の100円割引券もあります。ちゃんとプリントして持って行ったのにすっかり忘れてた…

まずは神社にお参りです。

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右側になんかキノコ生えてる?

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どどーーーーーん!!!!!

はい、とても立派でございます。

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野良猫をさがせ。

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陰陽の合歓(よろこび)、和合の秘事。なんてうつくしい響き…!(そして綺麗な字)

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大吉でした!えーっと、なになに?「甘美の余り共に死ぬ死ぬと…(自粛)」

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末社もいくつかありました。お稲荷さんの彫刻すてき〜

凸凹神堂

そしていよいよ凸凹神堂へ。

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なんと内部の写真を撮るには2万円!!!もちろん心のシャッター押しました。世界の性にまつわる膨大な展示物にお腹いっぱい胸いっぱい!玉石混交な感じではあったけどとても面白かったです。やっぱり日本のものが好きだなぁ〜。遊廓に置いてあったという箪笥とかも展示されてたよ。壁には宮司が研究のために海外に行った時の写真がたくさん飾れてたりもするんだけど、それが異国の女の人たちの肩をくんでる写真ばっかり…。ただの女好き…なのか…??

授与品

いろいろと面白いものがありました。

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秘宝館的なノリが最高です。

レトロがかおる歴史資料館

その後は歴史資料館へ。明治17年に警察署として建てられた擬洋風建で、平成4年に今の場所に移築されたとのこと。

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洋館にソテツとサボテン!大好き!!南国の雰囲気がたまらない〜。

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なんと!大好きな高畠華宵の展示室があってビックリ!宇和島出身だったのか〜。知らなかった。ささやかな展示ではあったけど嬉しかったです。

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建物の前には安政2年に築造された樺崎砲台跡もありました。

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宇和島名物「鯛めし」

朝ごはんを食べていなかったので、帰り道にあった物産館の食堂でお昼ごはん。宇和島名物の鯛めしを食べて、あっという間の宇和島観光を終えたのでした。

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この日は鯛めし屋さんがどこも定休日で、こちらの物産館でいただくことに。いろんなお店で食べ比べしてみたいなー。

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物産館に敷かれていた鹿踊りマット。宇和島では吉田と異なる八ツ鹿踊り。いつか見てみたい。

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闘牛も見てみたいな。痛いの苦手だけど!

電車に乗って次なる目的地へ…。旅はまだまだ続くよ!!

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★こちらの記事は、当時Instagramに投稿した旅の記録を元に再構成しました。情報は2019年11月時点のものです。

愛媛別府ひとり旅2019③【卯之町・八幡浜観光編】へとつづく▶︎▶︎▶︎

愛媛別府ひとり旅2019①【秋まつり編】

数年前、とあるお祭りに行く機会がありました。それは暴れ回る虎や牛の張り子を退治するというもので、美しい田んぼが広がる田舎の風景にその愉快な光景が一日中繰り広げられ、とてつもなく面白くて胸を鷲掴みにされました。それ以来、各地のいくつかのお祭りや民俗芸能に触れる機会が増えていき、今回紹介する愛媛県宇和島市でのお祭り体験が決定打となり、翌年からは全国の一風変わった民俗芸能を撮りまくるぞ!!!と決意した矢先にコロナが…。全国各地のさまざまなお祭りは中止となり、出鼻をくじかれることになりました。

こんな世界になる前の、とてつもなくたのしかった吉田の秋祭りの様子をどうぞご覧ください。

はじめに

2019年の秋のこと。愛媛に行こうと思ったのは、旅立つ1週間ほど前という突然の思いつきでした。なんの予定も立てていなかったわたしは、ちょうどその時期に宇和島の吉田町で開催される秋祭りがあることを知ります。何に惹かれたかというと、その愛くるしい鹿の仮面!!四国の南予地方には、1615年に宇和島藩主伊達秀宗が宇和島の地にやってきた際に、宮城県から伝わったとされる鹿踊りが各地で踊られています。宮城の鹿踊りと顔立ちがまったく違うのが興味深い。宮城の鹿踊りの仮面はデザイン化されておりキリッとした凛々しいお顔をしているのですが、四国の鹿の仮面はどこからどう見ても鹿。つぶらな瞳が愛くるしく、微笑んだ表情にも見えてほんわかしてしまいます。(元は同じなのになぜこのように大きく違うのだろう?)その鹿の姿を間近で見たいと思い、四国へ旅することにしました。

※吉田の秋祭りについては詳しいパンフがありましたので、知りたい方はこちらをどうぞ。江戸時代の絵巻物もゆるゆるで可愛いんだよ〜。

フェリーで四国へ

夜にフェリーで小倉から出発し、松山港へと向かいます。

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出発の日の夜空。印象的な月でした。

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夜ごはんは小倉駅近くの千容さん。おばちゃんがとても素敵だった。

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フェリー内には四国へ向かうフェリーならではのお遍路アイテムが売られていました。

吉田秋祭の神幸行事

鹿の子

朝の5時に松山港に着き、バスに乗り込み松山駅へ。始発の電車に乗り込み、目的地である吉田町立間に着く頃には朝日が登っていました。

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お祭りは朝5時の相撲から始まるという…!!それにはどうにも間に合わない。私が長い1日のはじまりの場所である八幡神社に着いたのは7時半頃でした。

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神社の境内に向かっていると急に歌が聞こえてきたので一気に気分が高揚!!階段を駆け上って目の中に飛び込んできた鹿の子たち!!!

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あぁ!なんて愛くるしいの!??

そして鹿の子の子供の高い歌声と大人の低い声のハーモニーのなんと美しいことよ。聞き惚れてしまいます。

一日中追いかけていたら、いつでもメロディを思い出せるようになりました。

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八幡神社での踊りを終えて去る鹿の子たち。後ろ姿もかわいい。

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神社の境内にはなかなかの存在感を放つ神馬もいらっしゃいました。

一日中この鹿の子たちはいろんな場所を練り歩いて、お店や民家の前などで歌い踊ります。(そしてそれをストーカーのごとく追いかけるわたくし)
というわけで朝から午後まで追っかけまくった鹿の子たちをダイジェストでどうぞ!

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↑この時撮った祭りの写真の中で一番大好きな写真です。 

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(film)

御神輿

早朝の八幡神社では、御神輿が三台待機してました。時間になると、階段を次々に降りてくる御神輿。急で長い階段なのでなかなか大変そう!

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そのあとどこかに行ってしまって、この後どんな流れなの…??と思いながらけっこーな時間待っていると、お巫女さんの格好をした女の子や、お練りに参加する人たちやその家族たちがぞろぞろと集まりだします。すると御神輿がまた戻ってきて、リズミカルな掛け声と動きを小学校や幼稚園、お店の前などで繰り返します。目印となる人が立つところに向かって御神輿が進み、それを止めるというのが一連の流れのようでした。

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私が目印側に陣取ってカメラを構えていると、「(危ないから)守るけんね!」と御神輿のおじさん言ってくれてうれしかった!朝の御神輿が一旦終わると、休憩場でビール呑みだす男たち。むちゃくちゃ楽しそうだったなー。祭りに燃える地域の人たちに猛烈に嫉妬です。

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牛鬼

そして忘れてはならない牛鬼!大大大好きだった!!こちらも南予地方のあちこちに生息しているもよう。会いに行きたいよ!!特に吉田の牛鬼は暴れん坊だったようで、昔は家に突っ込んでいって壊すこともあったらしい…。牛鬼を操る男たちもかっこ良かったです!

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田舎でよく見るキリスト看板

練り歩く道の先々にあるお店やお宅の名前を呼んでは牛鬼の口をカチカチ鳴らす。螺貝の音もたまらんねぇー。

猿田彦

天狗な猿田彦さまも好きだった!高下駄で歩くのがすごい〜。

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旗持ってるおっちゃんもいい味だしてた(右はfilm)

練り物

他にもいろんな練り物などがありました。山車の下では昔は芸者さんが唄と三味線を競っていたらしい。今はボランティアなんだって。

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赤い獅子の頭は八幡宝多といって、子供たちの頭を噛んだりするらしいんだけど、私は動いてるところ見ることができず…。餅投げとかもあったらしい。鹿の子を追いかけすぎました…。

アイスクリーン

手造りアイスクリーンにもトキメいた♡

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最後に

吉田の秋まつりは盛りだくさんでほんと楽しかったなぁ。一番最初に見た鹿踊りが吉田でよかったなぁと思うのでした。(これをきっかけに、毎年どこかの鹿踊りを見ていこうと決意したのですが、コロナで叶わないまま今に至る…)

最後は鹿の子と牛鬼のオフショット。右見て左見て横断歩道を渡る鹿の子かわいいし、ドナドナと化している牛鬼もたまらない〜。

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お祭りを存分に堪能して、宇和島駅へと移動するのでありました。

★こちらの記事は、当時Instagramに投稿した旅の記録を元に再構成しました。情報は2019年11月時点のものです。

愛媛別府ひとり旅2019②【宇和島観光編】へとつづく▶︎▶︎▶︎

 

奥深き絵馬の世界 vol.3 〜縁切地蔵編〜

お地蔵様の縁日。吉塚地蔵尊、旭地蔵尊と巡って参りましたが、最後に訪れたのは「縁切」にご利益のあるお地蔵様です。

そのお堂があるのは早良区の野芥。崇福寺から地下鉄とバスを乗り継ぎ約1時間ほどかけてやっとたどり着きました。

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なんの変哲もない住宅地の一角にひっそりとあるそのお堂に足を踏み入れると、一種異様な空間が広がっていました。背を向け合いながらうつむく男女の絵馬と、縁切地蔵への願いが込められた封書が壁一面に貼られており、そのどこか強迫観念めいた光景に息を呑みます。

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看板に由来が書かれていました。

野芥縁切地蔵尊由来

和銅(西暦708〜724年)の頃重留の里(現在早良区重留)に住んで土生の長者と呼ばれた富永修理太夫照兼の子兼縄が粕屋の長者原(現在粕屋町)の大城長者曽根で出羽守国貞の娘(お古能姫)と縁組みが成立し輿入れの日、兼縄がある事情の為出奔したので照兼は、これを頓死と偽って使者を大城長者に急報の途中、お古能姫はこの報せを野芥で聞き「早や嫁ぐべき家も無し」とこの土地で自刃して果てた。土地の人々が哀れんで菩提をとむらうために一体の石蔵を建てたのが野芥の縁切地蔵尊といわれている。

其の後男女の縁切にあらたかとして、昔より全国各地から信者が祈願しにきましたが最近は一切の悪縁諸病と縁切りという事で霊験あらたかであると有名になり、北は北海道 南は沖縄まで参詣者が多い。(略)

野芥縁切地蔵尊史跡保存会

由来に書かれるように病気との縁切りを祈願している人もいましたが、やはりそのほとんどは人と人との縁切り祈願が多いように見受けられます。

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これまで見てきた同じ小絵馬師のどこか可愛らしくてほっこりする絵馬とはまったく違うおどろおどろしさが…。二人ともニヤリと笑っていたり、どちらか片方だけが笑っていたり、はたまた怒っていたりなど、それぞれ表情が異なっているので絵馬によって受ける印象がまったく違います。さらに、女性と男性の身長差がありすぎるものや、バランスが右に偏りすぎているもの、線がゆらゆらと不安定なものもあったりして、そのアンバランスさがより不気味さを醸し出しています。

f:id:salomery:20210428212010j:plainこちらの絵柄が一番強烈でした。男性のちょっとした化け物感…

無人のお堂には、絵馬を扱っている場所の地図と、使用前の古い絵馬が見本として貼られていました。

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この絵馬の絵が一番いい!!とてもいい!!!

これがオリジナルの絵柄だとすると、今の絵馬はどんどん崩れていってるような?これを描いたのはお父さんのタカノさん?それとも娘さんの初期の頃なのかな?うーん、気になる…。そのあたりも聞くことができるかしら…と、早速絵馬を扱っているという「サイクルショップ友」へと向かいます。

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え?自転車屋さんに絵馬があるの…??

店先には自転車の修理をしているおじさんがいました。おそるおそる聞いてみるとやはりここで間違いないもよう。自転車修理の少年を待たせていたので申し訳ないと思いつつ、ここでも絵柄を選ばせてほしいとお願いしてみるも「ぜんぶ同じ」と言われ悲しみ…(ちがう!ちがうんだよ…!!)。そこをなんとか粘って4枚だけ出してもらいました。無理言ってごめんよおじさん!ごめんよ少年!!

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急いで絵馬を選んで写真を撮らせてもらうと、「午前中も写真撮ってたでしょ?」とおじさん。どうやら午前中にもわたしのような人が縁切地蔵にいたらしい。そういえば先ほどお堂から帰る時に、来た時は空だった小さな駐車スペースに車が1台止まっていたような。わたしがいなくなるのを待っていたのかな…?つまりそれだけ人が訪れるってこと?こんな小さなお堂に…??にわかには信じられません…。

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ちなみにこちらの絵馬は吉塚地蔵や旭地蔵と違ってセルフサービス。壁にかけれるように紐はくくりつけてくれますが、書くのも掲示するのも自分でやります。だからこそ縁を切りたい人と思われる個人情報まるだしな履歴書や、切り取られた写真が壁に貼られたりもしており、人間の恐ろしさを感じるのでありました。

吉塚地蔵からノンストップで駆け抜けたので、すぐ近くのカフェでちょっと休憩。シャレオツなスイーツをいただきます。

f:id:salomery:20210428230807j:image小さなカフェのYUKICAFE。縁切地蔵とシャレオツスイーツとのギャップよ…

休憩後は、まだ撮りたりなかったので再び縁切地蔵へ。気のすむまで写真を撮って帰ろうとすると、また車が一台止まってわたしが帰るのを待っているのした…。

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わたしは幸運にも今まで人と縁を切りたいと思うような状況に陥ったこともなく、今も縁を切りたいと強く思うような人はおりませんので、もちろん縁切の絵馬もお持ち帰り。サイクルショップ友さんでは他にお客さんがいたので、聞きたいことがまったく聞けず不完全燃焼な訪問となりました。また本気で縁切りたい人や出来事があった時に改めて訪れてみようと思います。んー、でもやっぱりそんな日は一生こない方がいいかな!!

では、最後に「縁結」と「縁切」の絵馬の写真を載せて終わりにしようと思います。くっついたり、離れたり、人間とはめんどくさい生き物ですねぇ…

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奥深き絵馬の世界 vol.4 〜志賀島編〜につづく▶︎▶︎▶︎

 

奥深き絵馬の世界 vol.2 〜縁日編〜

ついに待ちに待った24日…!!!この日はお地蔵さまの縁日です。先日お願いした絵馬は果たしてちゃんと奉納されているのかしら…??ドキドキしながら吉塚地蔵へと向かいます。

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到着するといつも無人のお堂には、二人のおじいさんが座って談笑していました。遠慮しがちにお堂に入り、まずはお参り。いつもは閉じられている扉も開いており、中を見ることができました。 

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お?おおお???

なんと!わたしの絵馬(左)が祭壇に立て掛けられてるではありませんか…!!!

f:id:salomery:20210427230141j:image誕生日は11月26日。プレゼント待ってます…!!

やっぱり年齢的にこの絵柄になるよね。ピンクの服がまぶしいぜ…。んでも、わたし以外にもう一人絵馬を奉納する人がいるらしく、肝心の祈願内容が隠されてる…!!ウケ狙い(そして半分本気)の渾身の願いごとが〜!!!!!(え、もしかして晒し者になるのを見るのが忍びなくてわざと隠してくれてたのかしら… )というわけで、掲示されるまで祈願内容はおあずけ。また報告するのでその時は笑ってやってください。

写真を撮るわたしがめずらしかったのか、座ってるおじいさんたちが楽しそうに話しかけてくれました。人の良さそうなおじいさんたちを見て、地元の人に愛されてるお地蔵さまなのだろうなぁと心がほんわかするのでした。ちなみにこの日は、自由にもらっていいようにお饅頭が置かれていて、お守りも購入できるようになってました。

さて、お次は吉塚地蔵から徒歩で10分ちょっとの崇福寺へと向かいます。こちらにも吉塚地蔵と同じ絵馬が飾られているらしいのです。

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崇福寺はあの黒田家の菩提寺でもある有名なお寺ですが、今回訪れるのは崇福寺内にある旭地蔵尊。願掛けのお地蔵さんとして信仰を集めており、多くの方がお百度参りをすることでも有名とのことでした。

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縁日だからなのかはわかりませんが、人がひっきりなしに訪れていました。本堂を囲んでずらりと石仏が並んでおり、その所々に設置された拝所をすべて周って拝んでいく人も多く、願いを叶えたい切実な思いがあるのだなぁ…と、物見遊山的な気持ちで訪れている自分を申し訳なく思ったり…。

本堂の両脇には目的の絵馬が飾られていました。気になったのが、違う絵柄の絵馬があること。ちゃんと今っぽいけど、ぜんぜん好きじゃない…(絵馬を奉納した方ごめんなさい!でも!だって!)

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そう思いません…??

そしていよいよ絵馬が売られているという山門横の売店を覗いてみることに。

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ああああった!!あったよーーーーー!!!

興奮しながら売店の娘さんに次々に浮かんでくる質問を投げかけます。色々教えてくれた嬉しかった!ありがとう!!以下が今回わかったことです。

●大正生まれのタカノさんはどうやらすでに亡くなられており、娘さんが後を継いで絵馬を描いている。

●タカノさんに絵馬を描くよう勧めた売店というのが、現在1軒だけ残っているこちらの半田商店。

●最初は人形師の方に絵馬を描いてもらっていて、その方が作れなくなったからタカノさんにお願いするようになった。

●その娘さんもご高齢で、去年から体調を崩し、今は納品されていない。(跡継ぎはいない)

●在庫は表に出ているのみで、今は他の業者に絵馬を頼んでいる。

ななななんと!つまりもしかしたらもしかしなくても、この素晴らしき絵馬は今後もう手に入らなくなってしまうということ…!??その事実を知り、これはますます買わねばという気持ちになります。奉納せずに持ち帰るのもありか聞いてみたところOKとのこと。「持ち帰ってどうするんですか?」と逆に聞かれてしまった。たまに私のような人がいるらしい。その理由は様々で、研究者の方だったり、家に飾って拝みたいという人だったり。わたしはこの絵馬の絵柄に妙に惹かれてしまって、コレクションとしていつでも眺められるように持っていたいという気持ちが強いかな。というわけで、どれをお持ち帰りしよう?絵柄は同じだけどすべて手描きの一点物。それぞれまったく違う顔をしているので、これはやはりちゃんと好きなのを選びたい…!!おそるおそる聞いてみると、どうぞどうぞと選ばせてもらえました。よろこび!!

f:id:salomery:20210426232615j:imageあきらかに毛色が違うのがひとり…

そして悩みに悩んで購入したのがこちらです。まずは小さいものから。

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男子学生の濃いアイシャドウ(じゃないけど)もたまらんし、坊やの外国風の服装(胸に描かれてるのはダビデの星やんけ!さすが神仏習合なお国柄!!)や赤いリボンの女の子たちにも胸キュン!!!

そして一番のお気に入りは、大ぶりサイズの縁結びの絵馬。

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今時こんな男女カップルなかなかいないだろうけど、この昭和感あふれるカップル素敵やん♡

ちなみに今回購入した絵馬は、後々祈願したいことが出てきたら、持っていって奉納してもらうことは出来るとのことでした。ただ、絵柄が自分の年齢のものか、代理でその年齢の人の祈願をするという形になるので、もしわたしが祈願するなら縁結びの絵馬しか使えないということみたい。

ほんとは全種類買いたいくらいだったんだけど、お財布と相談して今回はこれだけにとどめときました。在庫があるのみとのことなので、もしほしい方がいたら売店にダッシュだよ!!今後わたしが買い占めるかもしれないよ…!!!

というわけで、念願の絵馬をゲットできて満面の笑みで帰宅…とはもちろんなりません。もう一箇所、行きたい場所があるのです。

vol.3へとつづく▶︎▶︎▶︎

 

奥深き絵馬の世界 vol.1 〜出会い編〜

おそらく誰もが一度は神社等で目にしたことがある絵馬。ひょんなとこから絵馬の奥深き世界に足を踏み入れてしまいました。とある絵馬に描かれた絵に一目惚れしたと言ってよいかもしれません。今回その絵馬を求め、3箇所のお堂を巡って参りました。

※今回はフィルム写真はなし。おいおい追加するかもです。

ある日、博多駅からJRで一駅の吉塚へ行く機会がありました。用事をすませ帰ろうすると、吉塚地蔵尊と書かれてた小さなお堂が目に止まります。

f:id:salomery:20210427212053j:image奥に見えるアーケードは、2020年12月にリトルアジアに生まれ変わった吉塚商店街。

何気なく中に入ってみると…

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なんじゃこの愛くるしい絵馬は〜〜〜!!!

同じ絵柄でもお顔がぜんぜん違う。もしやすべて手描きなのでは…?下書きの鉛筆の跡まで残っててたまらーーーん!!!

f:id:salomery:20210426230548p:image個人情報だだ漏れなので、名前と生年月日の一部を隠しております。

それぞれの絵馬には、手を合わせ静かに目をとじ祈る老若男女が描かれ、その横には「健康祈願」や「学業向上祈願」などと言った祈願内容が書かれています。昭和感あふれる絵柄の絵馬の右上に書かれたR(令和)の文字のミスマッチ感!現在進行形で奉納されていることがわかります。

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なんとこちらの絵馬にはマスクが…!しっかり今に合わせてアップデートされているではありませんか…!!「疫病退散」の他にも「コロナ終息祈願」と書かれた絵馬もあったけど、マスクしてるのはこの1枚だけでした。

なんとも味のあるこれらの絵馬に興味津々だったのですが、無人のお堂で誰に聞くこともできずこの日は帰宅。ネットで調べてみたところ、まずたどり着いたのが珍寺大道場というサイトのお願い絵馬のページ。後で知ったのですが『奉納百景』という本等を執筆されている小嶋独観さんのサイトでした(早速本を購入。まだぜんぜん読めてないけど写真を見てるだけで面白い!)。そこで別のお堂でも同じ絵柄の絵馬が奉納されていることを知ります。

さらに調べていくと、福岡市博物館で平成15年に「福岡願掛重宝記」という展示があり、そのアーカイブのページで製作者についての記述を発見!!!

以下抜粋

現代の小絵馬師

これまで紹介してきたうち、こぶれき地蔵や縁切り地蔵には、同じ人が描いた絵馬が掲げられています。ほかにも博多区千代4丁目の崇福寺(そうふくじ)にある旭地蔵や博多区吉塚1丁目の吉塚地蔵にも同様の絵馬が数多く奉納されています。この絵馬を製作しているのが早良区重留の池田タカノ(大正6年生)さんです。絵馬を描いて42年のキャリアを持つ池田さんですが、きっかけは、いつもお参りしていた旭地蔵門前の絵馬屋さんからの勧めだったといいます。お父さんが副業で絵馬師をしていて、本人も絵が好きだった池田さんは、以来、年間千枚以上の絵馬を作り続けてきました。

No.229 福岡願掛重宝記 | アーカイブズ | 福岡市博物館

大正生まれのタカノさん…!??

今もご存命だったら104歳。いや、さすがにもう描いてないよね…。ということは跡継ぎの方が?そういえば、珍寺大道場で紹介されてる絵馬と、今の絵馬とではタッチが若干違うような…?知りたい!知りたい!!!興味がむくむくむくとわいてきます。

そして、

わたしも絵馬を奉納してもらいたい…!!!

その気持ちが大きくふくらみ、いてもたってもいられず、翌日再び吉塚地蔵尊へ行くことを決意。そしてその前に、同じ地区に似たような小絵馬があるというので、そこにも行ってみることにしました。

仕事のお昼休みを抜け出し、まずダッシュで向かったのは、珍寺大道場や福岡市博物館アーカイブでも紹介されていた飛来神社。

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今は絵馬の奉納はされていないのでしょうね。色あせて塗料もはげはげの小絵馬から、大ぶりの絵馬(一番古いもので大正時代)までありました。放置された小絵馬はだいぶ時代を感じます。

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白背景の絵馬は耽美系…!?少女漫画に影響受けてるような。サラリーマンのなまっちろさよ。

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蛭子さんの漫画に出てきそうなおっさん…

f:id:salomery:20210426214307j:plain女性の下半身が描かれた絵馬は、婦人病治癒祈願とのこと。最初見たときちょっと怖かった。

f:id:salomery:20210427184413j:imageわたしでも分かるものだと、義経と弁慶や桃太郎などがありました。

f:id:salomery:20210427182657j:image大正9年に奉納された絵馬が一番かっこ良かった!

なかなか渋い神社で面白かったのですが、一番見たかった木で作ったという手形足形は見つけることができず…しょぼん…。

時間がないので急いで吉塚地蔵へ絵馬の奉納をお願いしに行きます。普段は無人のお堂なので、お賽銭箱に名前と生年月日と祈願内容を書いて500円と一緒に納めると、毎月お地蔵さまの縁日である24日に本人に変わって祈祷して奉納してもらえるというシステム。

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24日が待ち遠しくてなりません…!!

vol.2へとつづく▶▶▶

 

初めてのたぬきケーキ

初めての出会いは、いちき串木野市のケーキ屋さんでした。暴力的に可愛いたぬきケーキの群れに衝撃…!!仕事で訪れていたので購入には至りませんでしたが、この時「たぬきケーキ」というものがあることを初めて知ったのでした。

f:id:salomery:20210419203434j:image2016年撮影

それから5年もの月日が流れ、わたしが初めてたぬきケーキを口にすることができたのがつい先日。荒尾の万田坑をあとにし、歩いて向かったのが大牟田の「お菓子のわたなべ」さんでした。

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f:id:salomery:20210419203424j:imageキティちゃん…!f:id:salomery:20210419203452j:imageたぬきの群れは撮れなかったけど、一匹のたぬきケーキ捕獲成功。(film)

お店を後にし、再び歩き出します。

f:id:salomery:20210419203443j:image道中で出会ったかっこいい野良猫(film)

神社に行くと、ウソ(鳥)がいました。御朱印も可愛かったよ。


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(左・中 film)

そしてなんと!その神社近くの古い家屋に大牟田の新銀座にあるお店の広告看板があったよ!!もうないんだろうなぁというようなお店ばかり…。「くろだいや」とかたまらんね!!!

f:id:salomery:20210419203419j:image真ん中のカツラさんが新銀座。頭のカツラじゃなくて、ジーンズショップらしい(film)

足が棒になるほど歩いてやっと着いたのは大牟田市動物園!…けれども残念なことに閉園間近…わかっていたさ…。もったいないので、中に入るのはまた次回にすることに。久留米の鳥類センター同様、こちらにも小さな遊園地が付属しております。密かにひとりで観覧車に乗るミッションを自分に課していたので悔しみ…。

そしてなぜか園外で観覧車を眺めながらたぬきケーキを食べるというミッションに変わっていたのでした。

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f:id:salomery:20210419203508j:imageわたしの乱暴な移動により鼻がつぶれてしまった…ごめんよ(film)

f:id:salomery:20210419203429j:imageなに馬鹿なことをしている人間よ…とでも言いたそうな野良猫(film)

はじめて食べるたぬきケーキは、バタークリームが得意ではないので、すごく美味しい!とはならなかったけど、可愛いのは間違いない!!のであります。他のたぬきケーキも食べてみたいなぁ。

さて、動物園のある一帯は公園になっていて、椿がとても綺麗に咲いて(落ちて?)いました。
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(film)

マンホールにも椿が。有名なのかもしれませんね。
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次こそは、ひとりで観覧車乗るぞ…!!

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(film)

三角天草+αひとり旅4【天草・大江編】最終回

﨑津からバスで10分ほど揺られて到着したのは大江集落。宿に着くと同時に雨が降り出しました。通り雨だったようで再び外に出る頃には止んではいたものの、翌日は雨予報。まだ降り出さないで…と祈りつつ、まずは近所の大江八幡宮へお参りしにいくことにしました。

出会い


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写真をパシャパシャ撮っていると、神社でなにやら準備をしていたおっちゃん二人組が、黒髪オカッパのわたしに「いい髪型してるねー」と話しかけてきました(笑)この神社のことや、大江のことなどいろいろと興味深い話をしてくれたよ。昔は交通手段がなかったから、前日宿泊した本渡町から徒歩で7時間かけて大江に来ていたんたって~(びっくり!) 。旅先で地元の方と触れあうのはたのしいね。時間があればもっとゆっくりおしゃべりしたかったけど、まだまだ行くところがあるのです!

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おっちゃんらと別れ歩いて約20分ほどの大江天主堂を目指すも、フィルムカメラを忘れてきたことに気づきます。あわてて宿にカメラを取りに持り、再び出掛けようとすると宿のご主人と遭遇。なんと教会まで車で送ってくれることに!崎津でのレストランのサービスといいラッキーが続く〜。

大江天主堂

大江天主堂は﨑津教会と同じく鉄川与助の設計で、﨑津より1年早い竣工。﨑津はゴシック様式(天まで届け~な尖塔が特徴。大好き!)で、大江はロマネスク様式(よく知らない…)です。


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(下段:film)

再会

急いで見学をして、時計を見るとすでに16時過ぎ。最後にどうしても行きたいところがあるんだいっ。と、バスも通っていない歩いて片道50分(!)ほどかかる場所を目指し、大江天主堂横の細道から進んでいきます。

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「暗くなるのが早いから車はライトをつけて人ひかないようにね~」といった内容の放送も流れて一気に不安が押し寄せる…。そして人気のない道を歩いて数分たったところで、すっと横に車が停車…

こわい!こわいよ…!!

恐る恐る見てみると…なんと!先ほど神社で会ったちゃんがニコニコしながら見ているではありませんか〜!!自宅がこの道の先にあるらしく、目的地へと車で送ってくれることに。なんという運命…!この通りは猪も出るから危ないらしい。時期的に暗くなるのも早いし、夕方から歩いて行こうだなんて狂気の沙汰だったかも…?(よい子は真似しないでね)ほんとおっちゃんと奇跡的に出会えてよかったー!!!

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帰りはこんな道でした…。おっちゃんと出会わなければ、真っ暗の中ひとりここを歩いていたのかと思うと震える!

ラピュタの木(西平椿公園)

この日最後の目的地は西平椿公園内にあるラピュタの木(アコウの木)。ここが本当に素晴らしかったーーー!!!おっちゃんとの出会い含めて、天草で一番の思い出の場所になりました。

f:id:salomery:20210322220243j:image岩にどっしりと絡みつく根。生命力あふれまくり!(film)


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車で送ってくれただけでなく、園内を案内してくれたよ。椿公園という名の通り約1万本のヤブツバキが自生していて、公園として整備された今では約2万本あるそうです。

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f:id:salomery:20210325133031j:image向こう側に見える砂浜は、夏になるとプライベートビーチみたくなるそうです。

日本の夕陽百選にも選ばれていて、この日は不安定なお天気で雨も降ったりしてたのに、運よく美しい光の道とまるで線香花火の最後のような濃い夕陽を見ることができました。ロマンチックな夕陽をおっちゃんと2人で眺めるという!最高じゃないか!!

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(film)

帰りも宿まで送ってくれて本当にありがたかった。歩きだったら帰る頃には真っ暗で、人気のない森に囲まれた細道を車や獣に怯えながらひとり歩いてたんだろうなぁ。最悪タクシー呼んで帰ろうと思ってたけど、電波も入らなかったよ…(真っ青)。

後日調べてみたところ、なんとおっちゃん椿公園を管理している西平カメリアクラブの会長さんでした!ネットで普通に名前や写真も出てくるし、NHKの番組も出たことあると話していた。まさかそんな方と偶然出会えて案内してもらえるなんて〜!少しでもタイミングがずれていたら会えなかったもんね。素晴らしい出会いに感謝です。

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掲載許可もらってないけど勝手にのせてごめん、おっちゃん…。

そんなこんなで楽しいことてんこ盛りな1日で大満足だったのですが、この日はこれで終わりませんでした。最後の最後にまさかあんな特大イベントが待っているとは…。

平野屋旅館

3日目の宿は大江にある平野屋旅館さん。

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他にも宿泊客がいたけど建物内で仕切られており、まるで一棟貸しのように広々と利用することができました。客が多い時はおそらく共用のお風呂やトイレも、自分専用として使用することができてよかったです。

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お食事は宿近くの辨(べん)さんで提供されます。

では、まずはこちらの写真をご覧ください。

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舟盛りドォーーーン!!

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度肝抜かれたよ!次々に料理が運ばれてくるし、焼酎も1杯目飲み終わってないのにおかわり来るし(ちなみに焼酎呑めない…)、過剰なおもてなしてんこ盛りでお腹いっぱい胸いっぱい!いろいろとおもしろすぎました…笑(注:写真の量で1人分)


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隣の部屋で食べてた男性ひとり客も、料理がくるたびにその量に「すごいな!」と言いながら笑ってて、最後は「ギブアップです…」といいながら出て行った(笑) わたしも2時間近くねばったけどどうにも食べきれずー。今回、一泊二食付き約12,000円(go toなし)の舟盛り付き贅沢コースにしたのですが、胃袋に自信のない方は普通のお食事にした方がいいかと…。

﨑津から始まり、アコウの木で最高のクライマックスを迎えたと思っていたら、最後の最後にこんな爪痕を残されるとは…。最高に濃厚な一日でした。

天草最後の日

翌日は天気予報通り本降りの雨。

朝ごはんも予想した通りボリューミーでした。

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ぜんぜん食べ終わってないのに、朝っぱらからランチの時のようなもりもりスイーツが運ばれてきたのは想!定!外!最後まで笑かしてくれました。

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チェックアウトをすませ、雨が降る中向かったのは、昨日訪れた大江天主堂のすぐ近くにある天草ロザリオ館。潜伏キリシタンについての歴史を勉強します。

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大黒様(俵の十字を十字架に見立てる)や、土人形の山姥や貝殻の裏側の模様をマリアさまに見立てて信仰していたんだって。お葬式は仏式で行わないといけなかったので、別の部屋ではお経に合わせてかくれ言葉を唱え壺にお経を閉じ込めたとか。大変興味深かったです。

椿油

ここを訪れた一番の目的。それは天草ロザリオ館前の売店で売られている椿油を買うことでした。もちろん西平椿公園の椿から採れたもの。西平カメリアクラブが作っていて、ヘアケアだけでなく食用としても使用できるそうです。

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この坂の先に大江天主堂があります。
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おっちゃんと出会った後にその存在を知り、どうしても買って帰りたかったので、近くで販売しているところを調べたのでした。無事購入できてうれしい!販売してる場所がまとめられてるページがあったので、天草旅行する際はぜひお土産に。パッケージも可愛いよ!ちなみに通販もされてるようです(おっちゃんが愛しいあまり回し者と化す)。

camellia.amakusa-web.jp

売店ではフレッシュジュースの販売もしていたよ。なかなかのお値段だったけど記念に〜。入れ物がなんともいえず良い。季節によって柑橘が違うとのことで、今回はみかんでした。ジュースを飲みながらバス待ち。ついに天草とお別れです。


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おまけ【久留米編】

帰りは一気に熊本市内までUターン!大江(天草)→本渡(天草)→熊本市と、バスを乗り継いで約4時間。その後は大好きな街のひとつである久留米に宿泊し、翌朝はいつもの喫茶店でモーニング。久留米をそぞろ歩き、早めに自宅へ帰ってゆっくりしたのでした(なんというやっつけなラスト)。以下、フィルムによる久留米ダイジェスト。

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しのはら珈琲店


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(film)

最後に

三角から始まり、天草〜久留米へと流れた4泊5日の旅は以上でおわり。最初はハプニング続きでどうなることかと思ったけれど(非常口のお宿が懐かしい…)、それも含めて最高に楽しかった!そしてタイミング的に人生の岐路まっただ中な時期でもあったので、心の中に強烈に刻まれた旅になりました。中でも一番心に残っているのが、やっぱり椿公園でのおっちゃんとの出会い。夕陽を見ながら、また誰か家族を連れていらっしゃいと言ってくれた。今と何にも変わらずまた一人で来るかも…と言ったら、ニコニコしながらもちろんそれでもいいと言ってくれました。また再会できるといいな。その時ひとりなのか、それとも誰かと一緒なのかはわかりませんが、たのしい人生を謳歌してるといいなぁー。ゆるゆると。そんな風に思うのでした。


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(film) 

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