そうだ、「ボゼ」に会いに行こう・・・!!!
そう心に決めたのは、GWの秋田青森の長旅を終え、まだその興奮が完全に冷めきっていない5月終わり頃のことでした。
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悪石島のボゼ
ぼぜ・・・ボゼ・・・BOZE・・・
日本でふつーに生活していたらおそらく聞くことがないであろう不思議な言葉。
「ボゼ」とは、トカラ列島の悪石島(屋久島と奄美大島の間に位置)で、旧暦7月7日〜16日に行われる盆踊りの最終日に現れる来訪神のこと。平成30年には「来訪神:仮面・仮装の神々」の構成行事のひとつとしてユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
来訪神とは・・・
仮面・仮装の異形の姿をしたものが、「来訪神」として正月などに家々を訪れ、新たな年を迎えるに当たって怠け者を戒めたり、人々に幸や福をもたらしたりする年中行事。
有名なのは秋田のナマハゲですね。
何を隠そうわたしは仮面やかぶりもの系のお祭りが大好物!!
甑島の「トシドン」に会いに行った時の旅行記はこちら▼▼▼
旧暦に合わせて行われるボゼは、土日祝日に被らないと平日仕事の自分には行けるチャンスがなかなか巡ってきません。でも今年はちょうどお盆休みの時期とかぶってる!これは絶好のチャンス!!!
ボゼに会いに行く方法
ボゼに会いに行くには二つの方法があります。
1.ボゼツアーに参加する
一番簡単なのがボゼツアーに参加すること。コロナ禍になるまではボゼの時期に合わせて毎年ツアーが組まれていました。5月下旬、十島村役場に問い合わせしてみると、今年はツアーを行う方向で進んでいることは分かったものの、少し問い合わせするのが早かったようで詳細はこれからということでした。
2.個人で行く
もうひとつは個人で行く方法。しかしそれはなかなかの難関であることを、問い合わせしていく中で知ることになる。なんとお祭りの期間中は島内にある宿はすべて休業するというではありませんか・・・!!飲食店もなく、ツアー客もフェリーで宿泊するという・・・。軽く絶望していると、ふと目に入ってきたのがMAP上に記載されたキャンプ場の文字。
わたくし、3度の飯よりお布団が大好き!な、根っからのインドア人間。旅行は好きだけど、出掛ける前はめんどくさくて実は行きたくない気持ちが勝ります。もちろんキャンプなんてしたことない!!(たぶん小さい時に学校の行事でしたことがあるくらい?記憶には残ってないけど)
それなのに・・・なぜか心がワクワクするのを止めらないのはなぜかしら・・・?
キャンプするかしないかは一旦置いといて、現実的に計画を練るのはツアー情報が出るまでお休み。その後すぐGWの秋田青森ひとり旅の記事を書くことに没頭。全18回に渡る長編を書き終え、燃えカスになったのが7月のはじめ頃でした。
ボゼツアー募集開始
そろそろ本気で旅の計画立てなきゃ・・・と検索すると、すでにボゼツアーの募集が開始されているではありませんか・・・!!(わなわなわな)
【イベント】トカラツーリズム事業(ボゼツアー)の開催について – 十島村役場公式サイト
えー、なになに、アクセサリー作りにスチームドラム・・・。悪石島だけでなく、同じくトカラ列島の宝島や小宝島へも行くのか。うーん、寝る場所や食事は確保できるけれど、やっぱり好き勝手自由に行動したい・・・。
というわけで、決心。
わたくし、悪石島でキャンプデビューします!!!(宣言)
人生初キャンプ!!しかもひとりキャンプ!!!
通常、悪石島へは週に2回フェリーが決まった曜日で運行しています。鹿児島市内の港から出港し、約10時間ほどゆられて悪石島へと到着。なんという長旅!
当初は一泊だけキャンプするつもりが、なんとお盆時期はボゼツアーに合わせてフェリーが運行するため、スケジュール上2泊しなければならないことに(絶句)。
若干不安になりつつ、毎日寝不足になりながらキャンプギア(ギアという言葉も初めて知った)についてリサーチする日々。100均商品をうまいこと取り入れながら揃えるつもりが、なんとタイムリーにボーナスが出てしまいます。猪突猛進人間が潤沢な資金を手に入れ、ノンストップ物欲が炸裂!!!洒落にならんくらいの大金を投資してしまいました・・・(ボゼツアーに参加する方が数百倍安上がりだったよ・・・)。
こうして知識も道具もまったくのゼロの状態から、約2週間ほどかけてキャンプ道具一式を準備。キャンプについて知識がだんだん増えていくにつれ、ひとり夏キャンプのぶっつけ本番はちょっと無謀なのではないかと感じ始めます。そこで、7月の3連休を利用して、近場のキャンプ場で1泊2日のお試しキャンプをすることに!
フェリーのチケット
予行練習キャンプ前日、乗船前月の15日から予約が開始される「フェリーとしま」のチケットを予約するという重大な任務がありました。
キャンプギアは集めたけれどチケット取れなかったー!ツアー募集も締め切られてるしもう行くの無理ーーー!!!
ってなったらもう立ち直れません・・・。そんなことにならないためにも予約開始時間と共にコール開始!!したにも関わらず最初の30分くらいずっと話中でちっとも繋がらないよー!!!
も、もももももしや争奪戦なの!?そうなの!??
と、ぶるぶる震えが止まりません!30分くらいしてやっと繋がり、無事予約が取れた時にはドッと脱力・・・。
フェリーを予約する前までは、悪石島に行くぞ!!という強い気持ちだけで、ツアーにも参加しないし宿も予約していないという何の約束もないままキャンプギアだけが次々に集まっていくという・・・。もしかしたらすべて無駄になってしまうかもしれない!そんな恐怖と闘っていました。
無事フェリーのチケットを入手したことで一気に悪石島への旅が現実に・・・!!これで安心してキャンプの予行練習にも行けます。
予行練習キャンプ
初キャンプの場所に選んだのは福岡県大野城市にある「大野城いこいの森」。
きちんと管理されたキャンプ場でレビューも評判が良かったのですぐさま電話予約。今回は1泊だけど島旅での2泊を想定し、若干多めに荷物を詰め込みいざ出発!!!
重くて重くて重くてもう早くも挫けそうだよ・・・?
公共の交通機関を乗り継ぎ、バス停で知らないおばちゃんのエールを受けながら(大荷物背負ってて目立ったらしい)、バスの終点で下車。
まず最初の難関は、バスを降りた後のキャンプ場までの道のり。めちゃくちゃ重い荷物を背負いながら、3〜40分ほど歩くという苦行スタートです!!
バス停横の階段を降りていくと・・・
階段を降りたあたりに山の神様がいらっしゃいました。
一番最初に出会った神社にはほぼ必ずお参りするという自分の中での決まりのようなものがります。というわけで、あいさつすると共に今回のキャンプの成功を祈願。
島旅でも同じような距離(+ちょっと長め)を歩くからちょうどいい練習になったけど・・・ツラかった・・・ツラかった・・・。晴れだったことがせめてもの救い。
やっと大野城いこいの森キャンプ場の看板が見えました!!
と思ったら、ここからの道がすごいキツかった・・・。
くねくねとした坂道が延々と続き・・・
やっと!やっと辿り着いたよー!!!
大野城いこいの森
まずは受付で利用料を支払います。
今回の利用料は合計1,740円でした。
【内訳】
・入場料 大人440円
・フリーサイト(1区画)1泊 1,100円
・ゴミ処理代 200円
ゴミを捨てて帰れるのはありがたい!そして受付の建物内には売店や、シャワー(220円)もあります。
なんて初心者に優しいキャンプ場なのだー!!過酷な島キャンするのに甘やかさないでおくれぇーーーー!!!
フリーサイト
さっそく自分が予約したフリーサイトへと向かいます。
ちょっと休憩してから、生まれて初めてのテント張りに挑戦。まずはタープを張るわよーーー!!
ねぇねぇ、めーーーっちゃ綺麗に張れてません・・・???
木漏れ日もとってもきれい!!!たっぷり予習してきた甲斐がありました。ガイロープも手作りするの密かに楽しかったです(簡単だけど)。
タープのお次はテント張り。こちらは簡単に張れるとの触れ込みだったので予習をほとんどしてこなかったのですが、うまくできずに苦戦してしまったよ・・・。でもなんとか完成!!!
自分でいうのもなんだけどめちゃくちゃカッコイイーーー!!!(お得意の自画自賛)
ポールの高さが足りなくてイメージ通りにはならなかったのがちと悔しいけど、軽量化のために高さを1本分減らしてるから仕方ないのだー。
実は、軽量化のためにシングルウォールのテントを買ったのに、日差しが心配でタープを買い足したという経緯が。それなら最初からダブルウォールのテントを買った方が安いし軽かったよね・・・っていう。ていう。今更だけど!!
はじめてのキャンプ飯
周囲をちょっとぷらっとして、混む前に早めのシャワー。のちのキンキンに冷えた酎ハイ!!!
お酒を飲みながらお料理開始です。
さーて、何を作っているでしょう〜
家で調合してきたスパイスとホールトマト、最後にココナッツミルクを入れて・・・
スパイスカレーの完成ーーーーー!!!!
しかしどうやら多く作りすぎたようだ・・・3人分くらいありました・・・。余ったココナッツミルクにバナナとシナモン入れた食後のデザートも♪ (でも写真・・・消しちゃった・・・)
キャンプで作る料理ってなんでこんなに楽しいのでしょう〜!!
虫も平気だったし、意外と自分がキャンプに向いてることが発覚(実はすっごく楽しかった)。テントが自分の「家」、「テリトリー」「小さな宇宙」であるという感覚。
キャンプってポジティブなアウトドア人間がやるものかと思っていたけれど、どうやらそれだけじゃないみたい。ヒロシみたいなのもいるし、人見知りの内に籠るタイプもキャンパーに多いだろうなと実感したのでした(わたしもそっちタイプ)。
さて、いこいの森でのキャンプは、7月後半だというのにとても涼しかったです。早朝薄暗いテントの中で目覚めると、外から虫や鳥の大合唱が聴こえてきてまるで森と同化したみたいでとっても心地よかった。
朝ごはん
朝ごはんは春雨と干し椎茸を入れたよくわかんないスープにお星様をトッピング♪
食後のモーニングコーヒーもかかせない〜!!
朝食を終え、12時のチェックアウトに余裕で間に合うよう、早々と撤収作業を開始。パッキングもスムーズに終えて、再び歩いてバス停へと向かいます。
荷物がどうにも重いのでどこにも寄らずに一直線に我が家へ。
つ!か!れ!たーーーー!!けど楽しかった!!!
はじめてのひとりキャンプを終えて
初めてのキャンプは大大大成功!!!初心者に優しい甘やかされたキャンプ場だったので、真夏の島キャンプとどれだけ環境が違うかはわかりませんが、生まれて初めてのひとりキャンプを終えてちょっと自信がつきました。
島キャンプで必要と思われるものもわかったし、おためしキャンプをして本当によかったです。ただし、たった1泊で吐きそうなくらい荷物が重かったのに、2泊分の荷物を果たして背負えるのか一抹の不安が・・・。
それだけでなく、悪石島へ行く日が近づくにつれ、全国的に感染者がどんどん増え続けていました。もし行動制限になったら・・・自分が感染したら・・・それよりもなによりも台風が来てしまったら・・・!!などという不安要素が盛り盛り盛りだくさん!!!
果たしてわたしは無事ボゼに会うことができるのでしょうか・・・。
【使用カメラ】digital:FUJIFILM X-T3、SIGMA dp3 quattro、iPhone SE2
【01】悪石島のボゼに会いに行こう!2022へとつづく▼▼▼
悪石島のボゼに会いに行こう!2022【記事リスト】
【03】悪石島のボゼに会いに行こう!2022〜灼熱地獄坂編〜
【04】悪石島のボゼに会いに行こう!2022〜水祭り・盆踊り編〜
【05】悪石島のボゼに会いに行こう!2022〜キャンプ飯編〜